# バークリーのAI会議で並走した音楽教育と学生の抗議

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/5-insights-from-berklee-s-ai-music-summit-and-the-student-protest-outsid/
- 公開日: 2026.07.02 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: AIと作家性（https://andown.space/topics/ai-and-authorship/）、音楽教育の未来（https://andown.space/topics/music-education/）
- フック: 学ぶ道具と、決める席のあいだ

> 2026年6月、バークリー音楽大学で初のAI Music Summitが開かれ、会場の外では学生が抗議を続けた。制作を助ける技術と楽曲全体を生成する仕組みを分けて考える議論の一方で、音楽を学ぶ人が、その技術の導入やルールづくりにどう関われるのかという問いも浮かび上がった。

## 会場の内と外にいた、音楽の当事者

2026年6月3〜5日、米ボストンのバークリー音楽大学で、初のAI Music Summitが開かれた。同大学の新設組織BEATLが主催し、技術者、教育者、法律家、音楽家ら数百人が集まった。制作の実演から著作権、教室での扱いまで。AIを音楽教育にどう位置づけるかが、具体的な議題になっていた。

その外では、学生たちが交代で抗議を続けた。演奏し、パンフレットを配り、来場者と話す平和的な活動だった。学生のテオ・ウィーラーは、AI音楽業界の上層にいる人々が、自分たちの分まで決めていると語った。会場内の技術論と並んで、誰が方向を決めるのかという問題が、入口のすぐ外にあった。

ただし、内側が一枚岩の推進派だったわけではない。学生がAIの訓練を拒む場合と、強く依存する場合のどちらで不利益を被るか。冒頭の挙手では意見がほぼ二分し、両方に手を挙げた人も多かった。学ばないリスクと、頼りすぎるリスク。その二つを同時に考える場でもあった。

## 生成の量と、学ぶ道具を分ける

議論の背景には、「AI音楽」という言葉の広さがある。会議では、録音から声や楽器を取り出すステム分離、ノイズ除去、音響処理なども扱われた。特定の作業を助ける技術と、文章の指示から曲をつくる生成AIは、用途も問題の所在も同じではない。複数の企業の登壇では、AI自体を目的にせず、具体的な課題を解くという考えが共通していた。

一方、曲全体を生成する仕組みでは、供給の規模が論点になる。Hypebotが紹介したDeezerの調査では、完全にAIで生成された楽曲の投稿は1日約7万5,000曲。それでも再生全体に占める割合は1〜3%で、その再生の多くが不正と検出されているという。投稿量の大きさは、そのまま聴き手の支持を意味しない。

権利処理にも違いがある。記事は、Sunoが許諾のない音楽を学習に使う一方、ElevenLabsは許可を得た録音のみを使うと宣伝している、と区別する。これは後者の公平性を保証する評価ではない。何を学習し、何を出力し、誰に利益が届くかを、製品ごとに確かめる必要があるという論点だ。教育でも、操作方法だけでは捉えきれない違いである。

## 実演から見える、授業の別の軸

音楽家の実演は、賛成か反対かだけでは見えない使い方を示した。ホリー・ハーンドンは、自身の歌声を模倣できるHolly+などの取り組みを紹介し、データ収集への同意と所有、表現の目的を重視した。声のクローンを使えることと、その声を使う条件を決められること。技術と権限を切り離さない姿勢である。

ジョーダン・ルーデスは、自身の演奏を学習したjam_botと応答し合う演奏を披露した。システムは演奏をリアルタイムで聴き、返す。完成した曲を受け取るだけでなく、自分の演奏に反応する相手としてAIを置く実験だった。ここでは、何を機械に任せるかと同時に、奏者がどんな判断を続けるかが見える。

2026年7月初めの時点から先の1〜3年を見るなら、音楽教育で広がり得るのは、単にAIの授業を増やす動きだけではない。制作補助と全曲生成を区別し、学習素材への同意や演奏者の判断まで扱う教え方も考えられる。ただし、会議での実演が継続的な授業や評価方法として定着するかは、この記事だけでは分からない。

同じく未確定なのが、学生の参加の形だ。主催側は音楽家と教育者を変化の中心に置くと説明したが、外の学生は意思決定からの距離を訴えた。当事者の演奏を紹介することと、当事者が方針づくりに関わることは別である。この隔たりが、技術の採否とは異なる教育上の論点として残った。

## 日本から見ると、導入率よりも決め方

出典は日本の音楽教育を調べておらず、日米の導入状況の差までは言えない。そのうえで、日本から読む際に目を留めたいのは、専門家が集まる会議と学生の異議申し立てが、同じ場所で並走していた点だ。海外の先進例として技術だけを取り出すと、そこで続いていた迷いや交渉は見えにくくなる。

音楽を学ぶ意味も、「AIにできない技能」を探すことだけには収まらない。何を素材にし、誰の声を使い、どの判断を自分で引き受けるか。今回の実演と抗議には、その問いが別々の形で現れていた。新しい道具を扱う知識と、その道具をめぐる決定に参加する余地。両方が、音楽教育の課題として見え始めている。

## 要するに

- バークリーのAI音楽会議では、専門家の議論と学生による平和的な抗議が並走した。
- 制作補助、全曲生成、自身の演奏を学習した応答システムは、異なる用途として示された。
- 技術を学ぶ機会と、その導入方針を決める場への参加は、別の課題として浮かび上がった。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Hypebot「5 Insights From Berklee’s AI Music Summit (and the Student Protest Outside It)」 (2026-06-30) https://www.hypebot.com/5-insights-from-berklees-ai-music-summit-and-the-student-protest-outside-it/
   > "The protesters maintained a peaceful presence throughout the conference by playing music, handing out brochures, and having conversations with attendees."
   > 訳: 抗議する学生たちは、演奏し、パンフレットを配り、参加者と会話しながら、会議の期間を通して平和的な活動を続けた。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **ステム分離** / Stem separation: 複数の音が混ざった録音から、歌声やドラムなどの要素を推定して分ける技術。制作補助に使われ、楽曲全体を新たに生成するAIとは目的や必要な学習データが異なる。 https://andown.space/glossary/stem-separation/
- **生成AI**（せいせいエーアイ） / Generative AI: 学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。 https://andown.space/glossary/generative-ai/
- **声のクローン**（こえのクローン） / Voice cloning: 録音などから特定の人の声の特徴を学び、似た声を合成する技術。声が似ていても、その人自身が言葉を発したり、歌ったりした録音とは限らない。 https://andown.space/glossary/voice-cloning/
- **著作権**（ちょさくけん） / Copyright: 楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。 https://andown.space/glossary/copyright/

---
この記事の写真は出典記事の空気感をもとに AI で生成したイメージです。引用の際は上記の出典を一次資料として参照してください。
