# AI契約の収入分配を問う、米音楽家組合と大手の対立

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/afm-insists-new-use-clause-in-its-musicians-agreement-applies-to-ai/
- 公開日: 2026.07.22 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: AI生成音楽（https://andown.space/topics/generative-music/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 古い労使合意が照らす新しい用途

> 録音をAIに使う契約で、演奏した音楽家にも対価は届くのか。2026年7月、米音楽家組合と大手レコード会社の争いでは、1999年に導入された「新たな利用」条項の解釈が焦点となっていた。AI専用の労使協約がまだない領域で、既存の約束がどこまで働くのか。著作権の許諾だけでは見えない、収入分配の問題である。

## 許諾の先に、演奏者への支払い

AI企業が録音を使うためにレコード会社と契約する。その先で、録音に参加した音楽家には何が支払われるのか。2026年7月の米国では、この問いが、新しいAI法ではなく、以前からある労使合意の解釈として裁判所に持ち込まれていた。

CMUの報道によると、米国の音楽家組合AFMは、ワーナー・ミュージックとユニバーサル・ミュージックによるUdioとのライセンス契約をめぐり、両社をニューヨークの裁判所に提訴した。組合の協約に基づいて雇われた音楽家への収入分配と、契約についての通知が必要だという主張である。報道時点で、両社はこの提携に関する通知も支払いも行っていなかったとされる。

ここに見える兆しは、AIをめぐる交渉が、録音を使ってよいかという許諾の問題だけでは収まらないことだ。レコード会社が得た契約収入と、録音の現場で演奏した人への対価。その間をつなぐ根拠として、既存の労使協約が持ち出されている。

## 1999年の約束と、まだない支払基準

争点は、録音に関する労使協約、Sound Recording Labor Agreementにある「新たな利用」条項だ。AFMの説明では、協約がカバーしていない新しい方法で録音を利用する場合にも、その録音に参加した音楽家への補償を求める仕組みである。

この条項が加えられたのは1999年。AFMは、当時まだ知られていなかった用途に録音を再利用する道を会社側に開く代わりに、音楽家への補償を約束したものだと説明する。技術の変化を見越した条項だった、という位置づけだ。ただし、これは今回の訴訟で組合側が示している解釈であり、裁判所の判断ではない。

大手側の読み方は異なる。新しい用途のために音楽家を再びスタジオへ呼んだと仮定し、その録音作業に適用される標準協約を基準に支払う条項だという。そして、AI学習に対応する標準協約はまだ存在しない。したがって参照する支払基準がなく、支払いを受ける権利も生じないとして、訴えの棄却を求めた。

AFMは、別の協約ですでに料金が決まっている用途だけに適用範囲を限れば、未知の利用を可能にした当初の合意が失われると反論する。対立の中心は、AIの性能でも生成曲の質でもない。新しい技術に対応する協約がないという空白を、誰が引き受けるのかである。

## 学習から配信まで、どこを結ぶのか

組合は別の論点も示した。AI学習そのものの協約がなくても、Udioなどで生成された音楽が、その後に配信されたり映像に使われたりする可能性がある。それらの利用には既存の協約があるため、支払いの参照先になり得るという主張だ。学習と、その先の利用をつなぐ読み方である。これが認められるかは、報道時点では定まっていない。

さらにAFMは、仮に条項が複数の解釈を許すとしても、その曖昧さこそ、現段階で訴えを退けず審理を続ける理由になると述べた。条項の適用が確定したわけでも、音楽家への具体的な配分額が決まったわけでもない。まず争われているのは、この請求を裁判で検討し続けられるかという段階である。

この先の数年を考えるうえでは、生成AIの契約が、録音を保有する会社だけでなく、演奏者や制作参加者との約束まで含めて検討される可能性がある。CMUも、AI契約への同意と、セッション音楽家やスタジオのプロデューサーを含む収入分配について、議論が強まっていると伝える。ただし今回の請求は、組合の協約に基づいて雇われた音楽家に関するものだ。あらゆる音楽家に同じ仕組みが及ぶという話ではない。

## 日本から見ると、権利と労使の二つの入口

日本から読む際にも、AIへの許諾と、録音参加者への支払いを分けると、この争いの輪郭が見える。米国の今回の事例で前面に出ているのは、演奏者全員に自動的に及ぶ制度ではなく、AFMとレコード業界が結んだ労使協約だ。その契約上の土台を、日本の録音現場へそのまま重ねることはできない。

それでも、録音の利用を認める契約と、その収入を制作参加者へ届ける約束は、別々に検討され得る。この点は読み取れる。AIのための新しいルールが整う前にも、過去の契約が新しい用途への問いを含んでいる。2026年7月に見えていたのは、その約束の射程を確かめようとする動きだった。

## 要するに

- AFMは、1999年に導入された条項を根拠に、Udioとの契約収入の分配を求めた。
- 大手側は、AI学習に対応する標準協約がないため支払い義務は生じないと主張した。
- AI利用の許諾とは別に、録音参加者への対価を既存の労使合意から問う動きが見えた。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] CMU（Complete Music Update）「AFM insists ‘new use’ clause in its musicians agreement applies to AI」 (2026-07-23) https://completemusicupdate.com/afm-insists-new-use-clause-in-its-musicians-agreement-applies-to-ai-and-that-any-other-interpretation-is-nonsensical/
   > "However, there is no standard agreement for musicians relating to AI training - at least not yet - and that renders the new use clause redundant as far as the majors are concerned."
   > 訳: しかし、AI学習に関する音楽家向けの標準協約は、少なくともまだ存在しない。そのため大手側の見解では、「新たな利用」条項は機能しないという。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **「新たな利用」条項**（あらたなりようじょうこう） / New use provision: 協約で既に扱う用途とは異なる録音利用について、通知や補償を求める条項。本件ではAFMが、生成AIへの利用も対象に含まれると主張している。 https://andown.space/glossary/new-use-provision/
- **ライセンス** / Licensing: 一定の条件のもとで利用を認めること。声や姿の複製では、誰が何に同意したのかが重要で、楽曲や録音を使う許可とは区別して考えられる。 https://andown.space/glossary/licensing/
- **生成AI**（せいせいエーアイ） / Generative AI: 学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。 https://andown.space/glossary/generative-ai/
- **著作権**（ちょさくけん） / Copyright: 楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。 https://andown.space/glossary/copyright/
- **録音労働協約**（ろくおんろうどうきょうやく） / Sound Recording Labor Agreement: 米国の演奏家組合AFMがレコード業界と交渉した、録音参加者の労働条件に関わる協約。本件では、従来の対象外の利用に伴う通知と補償の条項が争点となった。 https://andown.space/glossary/sound-recording-labor-agreement/

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