# 米議会で進むAMラジオ搭載義務化、残る実演家への対価

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/am-radio-in-every-vehicle-act-gets-a-major-boost-in-congress/
- 公開日: 2026.07.19 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: ストリーミング2.0（https://andown.space/topics/streaming-2/）
- フック: 聴ける場所と、届かない報酬

> 米国で、新車へのAMラジオ搭載を義務づける法案が、交通政策の包括法案に組み込まれた。災害時の情報経路を守るという放送業界に対し、音楽業界などは実演家への使用料問題も同時に扱うよう求める。2026年7月の報道から見えるのは、車内で聴ける場所の確保と、そこで流れる音楽への対価が別々に制度化される構図だ。

## 車内に残す音、その対価は別の議論

車から消えつつある受信機を、法律で残す。その動きが米議会で進んでいる。Digital Music Newsの2026年7月の報道によると、新たな乗用車にAMラジオの搭載を求める「AM Radio for Every Vehicle Act」が、交通政策の包括法案に組み込まれた。単独法案とは別に、成立へ向かう経路が加わった形だ。

対象は米国内で製造する車だけでなく輸入車も含む。違反するメーカーに対しては、司法省が罰金を科したり、民事訴訟を起こしたりできる内容である。ただし、この時点で搭載義務が成立したわけではない。

ここで見える兆しは、古い受信方式の保護だけではない。音楽を届ける経路を公的に確保する議論と、その経路で使われる録音への報酬を求める議論が、同じ法案をめぐって接続している。聴ける場所を残すことと、作り手に対価を届けること。その二つが別々に進む制度の構造が、車内のラジオを通して表面化した。

## 非常時の情報経路と、291万ドルの働きかけ

放送事業者側が前面に出すのは防災だ。地方や停電時に、ブロードバンドや衛星の接続が途絶えても、AMラジオなら気象警報などの緊急情報を送れると主張する。音楽を聴く装置というより、非常時にも残す情報経路として位置づけている。

一方、自動車メーカー側には技術上の事情がある。記事は、電気自動車でAM受信とモーターをめぐる電磁干渉を理由に、テスラ、BMW、フォルクスワーゲンがAMラジオを撤去したと伝える。テスラのModel 3やリビアンのR2では、AMとFMの双方が取り除かれたという。車載機能の選択と、公共的な情報経路の維持がぶつかる場面である。

法案は、5年間の連邦陸上交通政策を扱う「Build America 250 Act(H.R.8870)」に入った。記事によれば、既存の交通財源法は9月30日に期限を迎え、包括法案はその日に発効する想定だ。搭載義務化案は2025年11月以降、下院本会議での審議を待っていた。2023年の先行案も、超党派の支持がありながら成立していない。

全米放送事業者協会は、2026年第1四半期に291万ドルを議会へのロビー活動に費やしたと報じられている。重点にはAM搭載義務化の推進と、録音の放送に対する追加の使用料への反対が含まれる。この金額は両方を含む活動の総額であり、搭載義務化だけに使われた額ではない。

## 受信機の保護が、報酬制度の交渉点になる

音楽業界などが同時成立を求めるのが、「American Music Fairness Act」、略称AMFAだ。米国の地上波ラジオには、録音を放送しても実演家やレーベルへの使用料を支払わずに済む例外がある。AMFAは、この例外を解消するための法案である。

反対の連合には、自動車・技術関連団体に加え、レコーディング・アカデミー、RIAA、SAG-AFTRAなどを含むmusicFIRST Coalitionが参加する。立場の異なる団体が、搭載義務化だけを先行させないという一点で並ぶ。連合は、報酬の問題を放置すれば、録音に参加するアーティストが毎年数億ドル規模の補償を失う不均衡が続くと主張している。これは連合側が示した見積もりだ。

この先、搭載義務化だけが成立すれば、AMの音楽局は新車で受信できる場所を法律で確保される一方、実演家やレーベルへの支払いの例外は残る。両法案が結びつくかどうかで、同じ受信機の意味が変わる。今後数年の広がりとして読み取れるのは、配信以外の音楽接点でも、流通経路を守る政策と報酬制度を一緒に扱う交渉の可能性である。ほかの媒体への波及まで決まったわけではない。

## 日本から見ると、接点と対価を分けて読む

日本からこの議論を読む際、米国の支払い免除を、そのまま国内の放送制度に重ねることはできない。出典は日本の制度を比較しておらず、ここで確認できるのは、米国の地上波ラジオに残る例外と、それを変えようとする法案の存在までだ。「ラジオは音楽使用料を払わない」という一般化でもない。

一方、配信の次の形を考えるうえでは、共通する問いがある。音楽が聴ける機会の拡大は、それだけで作り手の収入増を意味するのか。今回の法案では、接点の維持と対価の設計が別の立法課題になっている。2026年7月の時点で見えていたのは、受信機を残す政策の内側で、音楽の報酬条件も改めて交渉されている姿だ。

## 要するに

- 米国の新車AMラジオ搭載義務化案に、交通包括法案を通じた成立経路が加わった。
- 音楽業界などは、実演家への使用料を扱うAMFAとの同時成立を求めている。
- 音楽を届ける経路の維持と、作り手への報酬は、別々の制度課題として交渉されている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Digital Music News「‘AM Radio In Every Vehicle Act’ Gets a Major Boost In Congress」 (2026-07-20) https://www.digitalmusicnews.com/2026/07/19/am-radio-in-every-vehicle-act-congress/
   > "The AMFA would close a loophole in copyright law that allows terrestrial radio not to pay royalties to performing artists, an exception that makes the US an anomaly in the world."
   > 訳: AMFAは、地上波ラジオが実演家への使用料を支払わずに済む著作権法上の抜け穴を塞ぐものだ。この例外によって、米国は世界でも特異な位置にある。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **AMFA** / American Music Fairness Act: 米国の地上波ラジオによる録音の放送について、実演家などへの使用料支払いの例外を解消する法案。音楽業界などがAM搭載義務化案との同時成立を求めている。 https://andown.space/glossary/american-music-fairness-act/
- **AMラジオ** / AM radio: 電波の振幅を変えて音声を伝える方式のラジオ。この記事では、非常時の情報経路として新車への搭載を義務づけるべきかが米議会の争点となっている。 https://andown.space/glossary/am-radio/
- **ロビー活動** / Lobbying: 企業や団体が、政策や行政判断に自らの意見を反映させようと働きかける活動。活動の存在だけで違法とはいえず、手段や手続きの検証とは区別が必要。 https://andown.space/glossary/lobbying/
- **音楽使用料**（おんがくしようりょう） / Music royalties: 音楽の利用に伴い、権利を持つ側へ支払われる対価。会場が利用許諾のために払うお金と、個々の作り手に分配される金額は、分けて捉える必要がある。 https://andown.space/glossary/music-royalties/
- **地上波ラジオ**（ちじょうはらじお） / Terrestrial radio: 地上の送信設備から電波で届けるラジオ放送。米国では、録音の放送に伴う実演家やレーベルへの使用料について、支払いを免れる例外が今回の争点になっている。 https://andown.space/glossary/terrestrial-radio/

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