# 出展料ゼロ、販売手数料50%の作家直販フェアがロンドンに登場

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/artist-first-fair-play-launches-to-strong-attendance-but-slow-sales-duri/
- 公開日: 2026.10.17 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: 兆しの初動（数ヶ月〜1年）
- テーマ: ダイレクト・トゥ・ファン（https://andown.space/topics/direct-to-fan/）、ビエンナーレ以後（https://andown.space/topics/after-biennale/）
- フック: 売り場の開放と、売る仕事の行方

> ロンドンのフリーズ開催週に、ギャラリーを介さず作家が出展する「Fair Play」が始まった。出展ブースは無料だが、売上の50%を主催者に支払う。内覧会には3,000人超が集まった一方、取材時点で販売は鈍かった。見えてきたのは、売り場への入口を開くことと、作品が売れることの間にある距離だ。

## ギャラリーのいない場所で、誰が売るのか

ロンドンのフリーズ開催週に、新しいアートフェア「Fair Play」が登場した。会場は教会を転用したOne Maryleboneの2フロア。フリーズ・ロンドンから歩いて行ける周辺フェアのなかでも、最も近い位置にあるとThe Art Newspaperは伝える。ここに並ぶのはギャラリーのブースではない。個々の作家の売り場だ。

初回の出展者は70人。大半にギャラリーとの専属・継続的な取引関係を意味するギャラリー・リプレゼンテーションがなく、アートフェアへの参加自体が初めてという作家も多い。主催者は展示空間と白い壁を用意し、コレクターや来場者との接点をつくる。作品を運び、掛け、価格を決め、展示を構成するのは作家自身である。

兆しは、仲介がなくなったことではない。ギャラリーが担ってきた機能を、フェアと作家が分け持つ形が現れたことにある。作家は作品の作り手であると同時に、その場で売る人になる。「作家優先」という看板の内側で、売り場の提供と販売実務の境界が引き直されている。

## 無料のブースと、売上の半分

仕組みの中心は、固定の出展ブース料を取らず、売れたときに販売手数料を受け取ることだ。主催者の取り分はVAT込みで売上の50%。公募の応募料は84ポンドで、応募者全員にフェアの入場券2枚が付く。出展者の大半は、キュレーターやクリエイティブディレクターによる選考委員会が選んだ。

ブース料がないことと、参加に費用がかからないことは同じではない。作家には応募料があり、輸送や展示の手配も残る。一方、主催者が販売に応じて収入を得る設計は、売れる前にブース料を支払う方式とは異なる。ただし記事には、輸送などの実費や作家の作業時間、最終的な手取りを比べられる情報はない。負担がどれだけ軽くなったかまでは判断できない。

来場者の反応は強かった。創設者Ryan Stanierによると、木曜夜の内覧会には3,000人超が訪れた。金曜朝も、密に配置されたブースの間の細い通路は混み合っていた。StanierにはThe Other Art Fairを創設し、ディレクターを務めた経験がある。新しい形式は、フェア運営の経験と、フリーズ開催週の人の流れが重なる場所で試されている。

## 人が集まることと、買われることの間

一方、販売の動きは来場者数ほど活発ではなかった。価格の大半は3桁から4桁のポンド額だったが、売約済みを示す赤い印は少なく、同紙が話を聞いた作家の大多数はまだ販売できていなかった。これは取材時点の状況であり、会期全体の成績ではない。来場の多さだけでモデルの成功を測れないことが、初回から見えている。

売れた例もある。ロンドンを拠点とするLea Rose Karaは、初日の夜に壁面彫刻を2点販売した。小さい作品は既存のコレクターに300ポンド、大きい作品は新しいコレクターに3,200ポンドで渡った。直接の出会いが購入につながる道はある。ただし、この例だけで他の出展者にも同じ成果が広がるとはいえない。

販売以外の接点も生まれている。コーンウォールを拠点とする彫刻家Eleanor Turnbullには、制作依頼の可能性について複数の問い合わせがあった。今後数年の広がりを見るうえでは、会場での売上に加え、こうした問い合わせが受注や継続的な関係につながるかが焦点になる。記事にその後の結果はないが、フェアの役割を即売だけに限らず捉える手がかりではある。

## 日本から見る、直販の手前にある仕事

日本から読むとき、まず留意したいのは立地の条件だ。この試みは、フリーズ・ロンドンに近接し、アートを見る人が集まる週に開かれた。同じ方式を別の都市に置いても、同じ集客が得られるかは分からない。出典は日本のフェアの費用や契約条件を扱っておらず、手数料率だけで国内の仕組みと優劣を比べることもできない。

それでも読み取れるのは、直販もまた、売り場をつくる仕組みに支えられているという点だ。ギャラリーを介さなくても、集客、選考、展示空間、決済の機能は残る。その一部を主催者が担い、一部を作家が引き受ける。Fair Playが開いたのは、単に仲介を省く入口ではない。作品を届ける仕事と、その対価をどう配分するかを見える形で試す入口である。

## 要するに

- Fair Playはブース料を取らず、売上の50%を受け取る作家出展型フェアとして始まった。
- 内覧会には3,000人超が集まったが、取材時点では未販売の作家が多かった。
- ギャラリーを介さない売り場でも、販売を支える仕事は主催者と作家の間に残っている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] The Art Newspaper「‘Artist-first’ Fair Play launches to strong attendance but slow sales during London Frieze week」 (Fri, 16 Oc) https://www.theartnewspaper.com/2026/10/16/artist-first-fair-play-launches-to-strong-attendance-but-slow-sales-during-frieze-week
   > "For each of the chosen artists, it was up to them to sort transportation, hanging, pricing and curation of their work."
   > 訳: 選ばれた作家はそれぞれ、自分の作品の輸送、設営、価格設定、展示構成を自ら手配する必要があった。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **VAT**（ブイエーティー） / Value Added Tax: 商品やサービスの取引にかかる付加価値税。Fair Playの記事では、主催者が受け取る売上の50%にVATが含まれるとされており、税抜きの手数料とは区別が必要だ。 https://andown.space/glossary/vat/
- **アートフェア** / Art fair: 複数の出展者が一定期間、同じ会場で美術作品を展示・販売する催し。展示を見る場であると同時に、作家や販売者とコレクターが出会い、取引を行う場でもある。 https://andown.space/glossary/art-fair/
- **ギャラリー・リプレゼンテーション** / Gallery representation: ギャラリーが作家を継続的に紹介し、展示や作品販売などを担う関係。独占性や対象地域、仕事の範囲は関係ごとに異なり、単発の展示参加とは区別される。 https://andown.space/glossary/gallery-representation/

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