# バッド・バニーが問う、デンボウの著作権と「作品」の所在

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/bad-bunny-asks-judge-to-reconsider-dembow-riddim-ruling-argues-steely-cl/
- 公開日: 2026.07.16 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: ラテン・テイクオーバー（https://andown.space/topics/latin-takeover/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 共有されるビートと作品の境界

> レゲトンを支えるビートは、誰の、どの作品なのか。2026年7月、バッド・バニー側はデンボウ・リディムをめぐる米国の著作権訴訟で、判断の再考を求めた。独創性の有無に先立ち、保護を求める音の組み合わせが単一の作品として存在するのかを問う動きだ。ジャンルの共通語と個別作品の境界が争われている。

## 独創性の前に、作品はどこにあるのか

レゲトンの多くの楽曲で使われるデンボウ・リディム。その著作権をめぐる米国の訴訟で、バッド・バニーと所属レーベルのRimasが、裁判官に判断の再考を求めた。2026年7月中旬に見えていたのは、ビートが独創的かどうかだけではない。そもそも、権利の対象とされる「作品」をどこに見いだすのか、という争いである。

訴えたのは、スティーリー&クリーヴィー側だ。ビートに米国著作権法上の保護が認められるなら、それを許諾なく使ったバッド・バニーらの楽曲が侵害に当たるかが問題になる。ただし、保護の可否も侵害も、この段階で確定したわけではない。

同月、それ以前にアンドレ・ビロット・ジュニア判事は、ビートの独創性について専門家の意見が割れているため、陪審による判断が必要だとした。これに対しバッド・バニー側は、その前に答えるべき問いが残っていると主張する。保護を求める音の組み合わせが、一つの作品として実在するのか、という問いだ。

## 3曲に分かれた7つの要素

源流とされるのは、スティーリー&クリーヴィーの1989年のインストゥルメンタル曲「Fish Market」と、その派生作品である「Dem Bow」、そして「Pounder Riddim」のリミックスである。バッド・バニー側の新たな提出書面によれば、争われているビートを構成する要素は7つ。3曲を合わせれば見つかるが、どの1曲にもすべては含まれていないという。

例として挙げるのが、タンバリンとティンバレスだ。タンバリンの要素は「Fish Market」にはあるが「Pounder」にはなく、米国著作権局に提出された「Fish Market」には、1小節おきの終わりに入るティンバレスのロールがない、と同陣営は述べる。両方が保護対象の必須要素なら、複数曲から組み立てたものを一つの作品として扱っているのではないか。これが、同陣営のいう「フランケンシュタイン」作品という批判の中身だ。

一方、スティーリー&クリーヴィー側の弁護士は、この説明を誤った筋書きだとして退け、新しい主張も再考の根拠もないと反論している。バッド・バニー側も、この論点自体は訴訟の初期から提示していたと認める。そのうえで、今回の判断では検討されなかったと主張する。双方が争っているのは、新発見の音ではなく、判断を進める順序でもある。

## ジャンルの共通語を切り分ける手続き

判事が行わなかったのは、陪審による審理を経ずに判断するサマリー・ジャッジメントだ。独創性をめぐる事実上の争いは陪審が解くべきだとした判事に対し、バッド・バニー側は、作品の所在という先行する問題をまず扱うよう求めている。再考されない場合に備え、第9巡回区控訴裁判所にこの問題を持ち込む許可も求めた。

ここで見える兆しは、ジャンル全体を支えるビートの争いが、似ている音を探すだけでは進まないことだ。どの録音の、どの要素の組み合わせを、一つの保護対象として示すのか。その特定の仕方が、独創性を論じる入口になっている。広く共有される音楽の型と、個別作品の表現をどう切り分けるかという問題である。

この時点から先の数年で注目されるのは、この問いがどのように審理されるかだ。作品の所在が先に検討されるなら、権利を主張する側にとって、対象の示し方がいっそう重要になる可能性がある。ただし、これは被告側の主張から読み取れる論点であり、裁判所が採用した基準でも、他のジャンルへ適用が決まったルールでもない。

## 日本から読む、音の系譜と権利の違い

日本からこの訴訟を読むとき、米国の陪審制度に基づく手続きと、日本での法的評価は区別される。出典は日本の楽曲や裁判例を扱っておらず、同じビートなら日本でも同じ結論になるとは言えない。レゲトンというジャンル名だけから、特定の曲の権利関係を判断することもできない。

そのうえで読み取れるのは、音楽の起源を語ることと、権利の対象を特定することの距離だ。ある曲が後のジャンルに大きな影響を与えたという説明だけでは、争われている組み合わせがどの作品に含まれるのかは定まらない。共有されるビートの背後で、音の系譜と法的な「作品」の輪郭が、別々に問われている。

## 要するに

- デンボウ・リディムの独創性をめぐり、米国の判事は陪審による判断が必要だとした。
- バッド・バニー側は、その前に保護対象となる作品の所在を検討するよう求めた。
- ジャンルを支える音の系譜と、著作権で保護する作品の範囲が別の問いとして浮かんでいる。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] CMU（Complete Music Update）「Bad Bunny asks judge to reconsider ‘dembow riddim’ ruling, argues Steely & Clevie are seeking to protect a ‘Frankenstein’ work」 (2026-07-17) https://completemusicupdate.com/bad-bunny-asks-judge-to-reconsider-dembow-riddim-ruling-argues-steely-clevie-are-seeking-to-protect-a-frankenstein-work/
   > "Earlier this month a US judge ruled that only a jury can decide if the ‘dembow riddim’ that is used in so many reggaeton tracks is protected by copyright."
   > 訳: 今月初め、米国の判事は、多くのレゲトン楽曲で使われる「デンボウ・リディム」が著作権で保護されるかどうかは、陪審だけが判断できるとした。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **デンボウ・リディム** / dembow riddim: レゲトンの多くの楽曲に使われるリズムの型。本件では、その独創性だけでなく、保護を求める音の組み合わせがどの作品に存在するかも争われている。 https://andown.space/glossary/dembow-riddim/
- **リミックス** / Remix: 既存の録音をもとに、音の構成や響きなどを変えて別の版を作ること。本記事では速度や音程の変更を含む広い意味で使われ、制作や公開に必要な許諾は利用条件によって異なる。 https://andown.space/glossary/remix/
- **レゲトン** / reggaeton: デンボウ・リディムが多くの楽曲で用いられる音楽ジャンル。本件ではバッド・バニーらによるビートの使用が問題となるが、ジャンルそのものの所有を判断する訴訟ではない。 https://andown.space/glossary/reggaeton/
- **著作権**（ちょさくけん） / Copyright: 楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。 https://andown.space/glossary/copyright/

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