# BTS米国ツアー前にHYBEが提訴、公式物販の境界を守る

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/bts-world-tour-arirang-hybe-moves-to-crack-down-on-bootleg-merch-ahead-o/
- 公開日: 2026.04.13 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: 兆しの初動（数ヶ月〜1年）
- テーマ: K-POP以後（https://andown.space/topics/after-kpop/）、スーパーファン経済（https://andown.space/topics/superfan/）
- フック: 会場の外まで続くファン体験

> BTSの米国公演を前に、HYBEなどが身元不明の偽物販売業者を提訴した。求めているのは、会場周辺で販売される商品の差し押さえを可能にする裁判所命令だ。公式商品の販売網を整える一方、その外側にも法的な境界を引く。音楽物販の収益源としての重みが増すなか、ファンとの接点を守る動きが見える。

## 売り手が現れる前に、法的な境界を引く

米国公演が始まる前から、会場の外で売られる商品をめぐる準備が動いていた。HYBE、BIGHIT Music、HYBE Americaは4月9日、フロリダ州の連邦地裁に訴状を提出した。対象は、まだ身元の分からない個人や企業。BTSの名称などを使った偽物の販売業者だと原告側が位置づける相手である。

BTSの米国ツアーは、4月25、26、28日のタンパ公演から始まる予定だ。原告側が求めるのは、会場とその周辺で、開演前から終演後まで偽物を差し押さえられる仮差止命令と差押命令。既知の店舗を一つずつ訴えるのではなく、これから現れる売り手への対応を可能にする設計である。出典が伝えるのは申し立てであり、今回の命令が認められたという事実ではない。

もう一つの動きは、公式商品の売り場づくりだ。訴状によれば、HYBEはBTSの商標を米国子会社HYBE Americaに使用許諾し、同社はAmazon.com Servicesと公式ツアー商品の販売契約を結んだ。公式の販路を広げることと、その外側の偽物を取り締まること。二つが同じツアーの準備として進んでいる。

## 物販の成長と、作りやすくなった偽物

背景には、音楽事業における商品の重みがある。Music Business Worldwideによると、UMG傘下の物販事業Bravadoは2025年に9億1200万ドルの売上を計上した。MIDiA Researchの数字では、レーベルが物販、ライブ、ブランド事業などから得る収入を含む「拡張権利収入」が同年に21.5%伸びた。ただし、これは物販だけの成長率ではない。

供給する側のハードルも下がっている。記事は、低価格の製造業者や、注文に応じて商品を印刷するオンデマンド印刷の普及を挙げる。大量の在庫を先に持たなくても類似商品を作りやすくなり、オンライン販売によって小規模な売り手も世界の購入者へ届く。会場前の露店だけでは捉えきれない環境である。

HYBE側の主張は、売上の流出にとどまらない。偽物は公式ツアー商品と全体的な見た目が似ており、購入者がBTS側の承認を受けた商品だと誤認するおそれがあるという。品質が劣る商品による評判への影響と、使用料が支払われないことも訴えている。いずれも訴状上の主張だが、公式マーチャンダイズの価値を、図柄だけでなく品質管理や承認の有無まで含めて守ろうとしていることが分かる。

## 一組の対策から、興行を支える仕組みへ

この手法自体は新しくない。HYBEは、BTSの2019年と2021年の公演でも同様の救済を得て、会場周辺で相当量の偽物を差し押さえたと説明している。今回の兆しは初めての摘発ではなく、同種の法的対応が複数のアーティストや販売経路へ広がっている点にある。

記事では、Bruce Springsteen & The E Street Bandの公演を前にしたMerch Trafficの提訴や、Benson BooneとDua Lipaの公演に関するCeremony of Rosesの裁判所命令も報じられている。オンラインでは、MF Doomの遺産管理側とTwenty One Pilotsが、模倣商品をめぐってTemuを提訴した。会場と通販の双方で、公式の売り場を支える法的対応が積み重なる。

この先数年を見るうえでの焦点は、こうした対応がツアー準備のどこまで組み込まれるかだ。BTSの米国公演は4月から9月にかけて10都市を巡る予定で、今回の申し立てもタンパ以外の米国公演を対象に含む。一都市の対応を巡回先へつなぐ仕組みが試されている。ただし、今回の記事には偽物による損失額や、差し押さえが公式商品の売上に与えた効果は示されていない。取り締まりの拡大を、そのまま収益増と読むことはできない。

## 日本から見ると、輸出されるのは商品だけではない

日本からこの動きを読むとき、米国の制度に基づく対応である点は切り離せない。今回の訴えには連邦の商標法やフロリダ州法が使われている。出典は日本の制度や取り締まりの実態を扱っておらず、同じ方法が国内でも使えるとは言えない。

一方、海外展開の中身は見える。韓国側の企業が権利を持ち、米国子会社が使用許諾を受け、現地の販売契約と訴訟を担う。輸出されるのはアーティストの公演や商品だけではなく、それを公式なものとして届ける運営の仕組みでもある。熱心なファンによる購入を支える基盤として、販路と権利保護が一緒に整えられている。それが、この時点で見えていた変化の芽だ。

## 要するに

- HYBEはBTSの米国公演前に、身元不明の偽物販売業者を対象とする法的対応を始めた。
- 公式商品の販売契約と会場周辺の権利保護が、同じツアーの準備として進んでいる。
- 海外展開を支える仕組みには、公演や商品の流通だけでなく、現地で公式性を守る運営も含まれる。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Music Business Worldwide「BTS WORLD TOUR ARIRANG: HYBE moves to crack down on bootleg merch ahead of US dates」 (2026-04-14) https://www.musicbusinessworldwide.com/bts-world-tour-arirang-hybe-moves-to-crack-down-on-bootleg-merch-ahead-of-us-dates/
   > "According to MIDiA Research, expanded rights revenue — which covers labels’ participation in merch, live, and branding — grew 21.5% in 2025."
   > 訳: MIDiA Researchによると、レーベルの物販、ライブ、ブランド事業への参加を含む拡張権利収入は、2025年に21.5%増加した。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **オンデマンド印刷** / Print-on-demand: 注文が入ってから必要な分の商品に印刷する生産方式。販売前に大量の在庫を抱える負担を抑えられる一方、単価や発送条件はサービスによって異なる。 https://andown.space/glossary/print-on-demand/
- **公式マーチャンダイズ**（こうしきまーちゃんだいず） / Official merchandise: アーティストやイベントの許諾を得て制作・販売される商品。衣服などを通じて作品や公演との接点を作るが、制作会社と権利者の役割や収益配分は契約ごとに異なる。 https://andown.space/glossary/official-merchandise/
- **商標**（しょうひょう） / Trademark: 商品やサービスの出所を見分ける名称や標識に関わる権利。音楽活動ではグループ名などが対象になり得るが、楽曲の著作権や収益の取り分とは別に扱われる。 https://andown.space/glossary/trademark/

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