# 音楽使用料で5億ドル調達へ、持分も束ねる証券化の設計

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/chord-music-linked-abs-vehicle-plans-500m-deal-backed-by-830m-catalog-le/
- 公開日: 2026.04.20 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: カタログ・ゴールドラッシュ（https://andown.space/topics/catalog-rush/）、音楽の金融化（https://andown.space/topics/music-as-asset/）
- フック: 曲の所有と収入の距離を読む

> 2026年4月、Chord Music Partnersに連なる発行体が、音楽使用料を裏付けに5億ドルの調達を計画していた。担保には楽曲の権利だけでなく、権利を保有する事業への間接的な持分も含まれる。買収額の大きさの陰で、異なる権利と収入を一つの金融商品に束ねる設計が見えていた。

## 買った曲を、借り入れの土台へ

音楽の権利を買う。その権利が生む収入を束ね、資金を調達する。2026年4月21日付のMusic Business Worldwideが報じたのは、買収の先にある金融の工程だ。Universal Music Group(UMG)が出資するChord Music Partnersに連なるCanon Music Issuer Trustが、資産担保証券による5億ドルの調達を計画していた。

裏付けは、スーサイドボーイズ、モーガン・ウォーレン、ライアン・テダー、ディプロ、トゥエンティ・ワン・パイロッツらの3750作品超から生じる音楽使用料。4月16日付のKroll Bond Rating Agency(KBRA)の発行前報告書によると、予定する証券の暫定格付けはA(sf)だった。調達完了の報告ではなく、発行に向けた計画の段階である。

兆しは、曲が金融資産になることだけではない。直接保有する権利と、権利を持つ事業への持分が、同じ返済原資の枠に組み込まれている。音楽を「誰が所有するか」と「誰に収入が届くか」を分けて読む必要がある設計だ。

## 長い収入予測と、偏りのある担保

独立評価会社Virtu Global Advisorsは、担保となるカタログを2025年9月末時点で8億3000万ドルと評価した。約40年の収入予測に8%の割引率を適用し、将来の収入を現在の価値に換算したものだ。予定調達額は評価額の60.2%。価格の根拠は、過去のヒットだけでなく、その後も続くと想定される収入にある。

楽曲群の加重平均年齢は約10年で、74%が発売から5年超、46%が10年超を経ていた。一方、収入源は均等ではない。2025年6月までの12カ月間の純音楽使用料のうち、スーサイドボーイズが共同設立したG59 Records関連が23.3%、ウォーレン関連が15.8%、テダー関連が15.3%。上位3群で54.4%を占める。

収入の約34%は音楽出版の権利、残る66%は録音物の権利によるものだった。ただし、G59についてChordがいつ、どの権利を、どの範囲で取得したかは報告書に記されていない。収入への寄与が見えても、契約の全体像まで明らかになるわけではない。

仕組みが続く背景には、既存の調達実績もある。Chordに関連する証券化は2022年2月に続く2件目。2025年7月にはConcordが17億6500万ドルの同種取引を完了しており、ほかにも複数の音楽権利企業が発行体となっていた。一社だけの資金調達手法ではなくなっていたのである。

## 持分の先にある音楽を束ねる

今回の設計を具体的に示すのがウォーレン関連だ。発行体が権利を直接持つのではない。子会社を通じて権利を保有するパートナーシップに、24.5%のリミテッド・パートナー持分を持つ。その事業はChordとレーベルのBig Loudによる合弁会社で、2025年5月の原盤に関する少数持分取得を反映している。

つまり、一つの担保群に見えるものの内側には、権利を保有する主体と、収入を受け取る主体をつなぐ複数の段階がある。今後1〜3年で同様の調達が重なるなら、楽曲の知名度や作品数とともに、どの持分から、どの経路で収入が届くかが、案件を比較する軸になる可能性がある。

予定返済日は2031年5月、最終満期は2076年5月。二つの日付は同じ意味ではなく、長い最終満期だけで収入の確実性を示すこともできない。約40年の評価予測と合わせ、長期の収入見通しをどう金融契約に置き換えるかが試されている。

## 日本から見る、買収報道のその先

日本からこの動きを読む際、出典だけでは国内との普及度や制度の違いまでは比較できない。ただ、米国の案件を「著名アーティストの権利が高額で売れた」という話にとどめると、その後の資金調達の構造は見えにくい。今回は、買収済み資産の一部が切り出され、別の発行体の担保になっている。

同じアーティスト名が付いていても、対象は原盤なのか音楽出版なのか、権利そのものか事業の持分なのかで異なる。買収額と並んで、収入の内訳や保有の経路を読む余地がある。音楽の金融化は、作品の値札だけでなく、収入を束ねる契約の形にも現れていた。

## 要するに

- Chordに連なる発行体は、音楽使用料を裏付けに5億ドルの調達を計画していた。
- 担保には、権利の直接保有とは異なる、事業への間接的な持分も組み込まれていた。
- 音楽資産の評価では、作品の顔ぶれとともに収入の集中度と保有経路が見えてくる。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Music Business Worldwide「Chord Music-linked ABS vehicle plans $500M deal, backed by $830M catalog led by Suicideboys, Morgan Wallen, and Ryan Tedder rights」 (2026-04-21) https://www.musicbusinessworldwide.com/chord-music-linked-abs-vehicle-plans-500m-deal-backed-by-830m-catalog-led-by-suicideboys-morgan-wallen-and-ryan-tedder-rights/
   > "The notes are collateralized by royalties from a catalog of more than 3,750 works from artists and songwriters, including Suicideboys, Morgan Wallen, Ryan Tedder, Diplo, and Twenty One Pilots."
   > 訳: この証券は、スーサイドボーイズ、モーガン・ウォーレン、ライアン・テダー、ディプロ、トゥエンティ・ワン・パイロッツらの3750作品超のカタログから生じる使用料を担保としている。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **カタログ** / Music catalog: アーティストなどが持つ楽曲群や、それに関わる権利のまとまり。投資の文脈では、作品の知名度だけでなく、将来どれだけ収入を生むかという観点から取引される。 https://andown.space/glossary/music-catalog/
- **音楽使用料**（おんがくしようりょう） / Music royalties: 音楽の利用に伴い、権利を持つ側へ支払われる対価。会場が利用許諾のために払うお金と、個々の作り手に分配される金額は、分けて捉える必要がある。 https://andown.space/glossary/music-royalties/
- **音楽出版**（おんがくしゅっぱん） / Music publishing: 歌詞やメロディーなど楽曲の著作権を管理し、利用の許諾や収益につなげる事業。特定の録音物を扱う権利とは区別され、契約によって管理や保有の範囲が異なる。 https://andown.space/glossary/music-publishing/
- **加重平均**（かじゅうへいきん） / Weighted average: 複数の数値をまとめる際、それぞれに異なる重みを付けて求める平均。どのデータを重く扱うかによって、最終的な評価や順位が変わり得る。 https://andown.space/glossary/weighted-average/
- **原盤**（げんばん） / Master recording: 音楽の録音そのものや、その元となる録音物を指す言葉。権利を論じる際は、録音に関する権利と、テープなど現物の所有を区別する必要がある。 https://andown.space/glossary/master-recording-rights/
- **合弁会社**（ごうべんがいしゃ） / Joint venture: 複数の企業などが共同で出資して運営する会社。出資比率は所有の割合を表すが、具体的な経営権や業務分担は契約などの条件によって異なる。 https://andown.space/glossary/joint-venture/
- **資金調達**（しきんちょうたつ） / Financing: 事業を運営し、発展させるために必要な資金を確保すること。融資、出資、助成などでは返済義務や契約条件が異なるため、方法を区別して読む必要がある。 https://andown.space/glossary/financing/
- **資産担保証券**（しさんたんぽしょうけん） / Asset-backed securities: 資産から生じる収入などを裏付けとして発行する証券。音楽分野では権利収益に関わる資金調達で登場するが、株式の発行や権利そのものの売却とは仕組みが異なる。 https://andown.space/glossary/asset-backed-securities/

---
この記事の写真は出典記事の空気感をもとに AI で生成したイメージです。引用の際は上記の出典を一次資料として参照してください。
