# 音楽カタログに向かう保険資金、融資から所有への兆し

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/chord-music-partners-john-chapman-on-the-next-wave-of-capital-heading-fo/
- 公開日: 2026.05.20 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: カタログ・ゴールドラッシュ（https://andown.space/topics/catalog-rush/）、音楽の金融化（https://andown.space/topics/music-as-asset/）
- フック: 曲の寿命と資金の時間が重なる

> 音楽の権利を担保に資金を貸すだけでなく、権利そのものを持つ。Chord Music Partnersのジョン・チャップマンは、保険会社の資金にその可能性を見ていた。2026年5月の発言と直前の資金調達から浮かぶのは、楽曲の長い収入寿命と、長期資金の運用期間が結びつく兆しである。

## 貸す資金から、持つ資金へ

音楽への投資で、資金の出し手が変わりつつある。2026年5月19日、ロンドンで開かれた業界向けの会合で、Chord Music Partnersを支える投資組織Dundee Partnersのジョン・チャップマンは、保険会社から音楽権利へ向かう資金への期待を語った。焦点は、買収額の大きさだけではない。資金が音楽に関わる方法そのものだ。

保険会社などが音楽使用料を裏付けとする債券を買う段階から、音楽権利を所有する側へ移る。チャップマンが次の転機として挙げたのは、この変化だった。ただし、保険会社による大規模な所有がすでに実現したという報告ではない。貸し手としての需要を踏まえた、投資当事者の見通しである。

そこに見えるのは、曲の寿命と資金の時間を重ねる発想だ。何十年にもわたって収入を生み得る楽曲群は、長い期間で資金を運用する保険会社と相性がよい、と彼は説明する。音楽カタログを短期間で売買する対象としてだけでなく、収入を長く受け取る器として捉える視線である。

## 5億ドルの調達が示す、貸し手の厚み

発言の背景には、具体的な資金調達がある。記事によると、Chordは2026年4月下旬、Canon Music Issuer Trustを通じて5億ドルの資産担保証券を発行した。音楽使用料など、資産から生じる収入を返済の裏付けにする仕組みだ。Kroll Bond Rating AgencyとS&P Global RatingsはいずれもA格を付けた。

今回の上乗せ金利は160ベーシスポイント。記事は、音楽使用料を裏付けとする資産担保証券で過去最も低い水準と報じている。チャップマンが挙げた2022年の7億3,000万ドルの案件では220ベーシスポイントだった。これは基準金利への上乗せ幅の比較であり、借入金利全体が同じ幅だけ下がったことを意味しない。

彼は今回、機関投資家と120回の面談を行い、強い関心を受けたと述べた。金利上昇下でもカタログの収益倍率が下がらなかった理由を、借り入れを供給する側の需要に求めている。ただし、これは彼の市場解釈だ。借金への需要が価格を支えるという説明と、個々の楽曲が将来いくら稼ぐかという評価は、分けて読む必要がある。

## 所有の先に、曲を動かす仕組み

資金だけでは説明できない部分もある。2024年、Universal Music GroupはChordの25.8%を2億4,000万ドルで取得した。チャップマンによれば、KKRとの提携期間には約3億5,000万ドルで8件のカタログを買ったのに対し、2025年は8億ドルで20件を取得した。彼はこの違いを、UMGとの提携がもたらす独自の案件獲得経路と結びつけている。

取得後の運用については、Diploの例を挙げた。冬季五輪の閉会式への出演に合わせ、UMGと半年前から宣伝施策を準備した結果、対象カタログの聴取が350%増えたという。集計期間や指標の詳細は記事にないため、他の案件でも同じ効果が得られるとはいえない。それでも、権利を持つことと、聴かれる機会をつくることが接続している点は読み取れる。

この時点から先の1〜3年で注目されるのは、保険資金が本当に所有側へ進むか、そして長期保有と楽曲の活用がどう結びつくかだ。資金調達を担う投資家と、案件の発掘や宣伝を担う音楽会社の組み合わせが広がる可能性がある。一方、融資への強い需要が、そのまま所有への投資意欲を証明するわけではない。

## 日本から見ると、問われるのは時間の長さ

日本からこの動きを読む際、海外の大型案件を、そのまま国内市場の未来図に置き換えることはできない。出典は日本の保険会社の投資姿勢や、国内の権利取引の条件を示していない。今回確認できるのは、海外の一つの権利保有基盤で、音楽収入に対する貸し手の関心が具体的な調達条件に表れたことだ。

そのうえで浮かぶのは、権利の値段を取得時の金額だけでなく、保有期間と活用体制から見る視点である。長く資金を置けることと、長く聴かれることは同義ではない。両者をつなぐ仕事まで含めて、音楽の金融化が語られ始めている。保険会社による所有はまだ見通しだが、その手前の融資市場には、すでに需要の厚みが現れていた。

## 要するに

- Chordの資金調達では、音楽使用料を裏付けとする債券への強い需要が示された。
- 保険会社が融資から権利所有へ進む構図は、投資当事者が示した次の見通しである。
- 長期資金の受け入れと、楽曲を聴かれる機会につなぐ運用が、同じ事業の中で結びついている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Music Business Worldwide「Chord Music Partners’ John Chapman on the next wave of capital heading for music rights」 (2026-05-21) https://www.musicbusinessworldwide.com/chord-music-partners-john-chapman-on-the-next-wave-of-capital-heading-for-music-rights/
   > "What insurance companies have is a much longer time horizon. And you have a cash-flow stream that matches up with that."
   > 訳: 保険会社には、はるかに長い時間軸がある。そして、それに合う継続的な収入の流れがある。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **カタログ** / Music catalog: アーティストなどが持つ楽曲群や、それに関わる権利のまとまり。投資の文脈では、作品の知名度だけでなく、将来どれだけ収入を生むかという観点から取引される。 https://andown.space/glossary/music-catalog/
- **音楽使用料**（おんがくしようりょう） / Music royalties: 音楽の利用に伴い、権利を持つ側へ支払われる対価。会場が利用許諾のために払うお金と、個々の作り手に分配される金額は、分けて捉える必要がある。 https://andown.space/glossary/music-royalties/
- **資金調達**（しきんちょうたつ） / Financing: 事業を運営し、発展させるために必要な資金を確保すること。融資、出資、助成などでは返済義務や契約条件が異なるため、方法を区別して読む必要がある。 https://andown.space/glossary/financing/
- **資産担保証券**（しさんたんぽしょうけん） / Asset-backed securities: 資産から生じる収入などを裏付けとして発行する証券。音楽分野では権利収益に関わる資金調達で登場するが、株式の発行や権利そのものの売却とは仕組みが異なる。 https://andown.space/glossary/asset-backed-securities/
- **収益倍率**（しゅうえきばいりつ） / Revenue multiple: 取得価格が、基準となる収益の何倍に当たるかを示す指標。高い倍率は将来への期待を表し得るが、それだけで割高・割安や投資の安全性を判断することはできない。 https://andown.space/glossary/revenue-multiple/

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