# デンマーク、声と姿のデジタル複製の無断公開を禁じる法案

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/denmark-s-new-digital-replica-law-should-go-into-effect-in-early-2027-sa/
- 公開日: 2026.10.13 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: 声の権利（https://andown.space/topics/voice-rights/）
- フック: 複製を止める権利と許す契約

> デンマークで、本人の同意なく声や姿のリアルなデジタル複製を公開する行為を禁じる修正法案が議会に提出された。対象は実演家だけでなく一般の人にも及び、AI以外の編集技術による模倣も含む。著作権法を改正しながら、作品ではなく個人の特徴を守る制度として、無断利用の阻止と許諾の足場が探られている。

## 作品ではなく、声と姿を守る

録音された曲をコピーしていなくても、本人と取り違えるほど似た声は作れる。その声や姿を、誰が公開してよいのか。デンマークで再提出された法案は、作品の利用とは別に、人の特徴そのものを守る仕組みを設けようとしている。

CMUによると、文化相ゼニア・スタンペが議会に示した修正案は、本人の同意を得ずに、声や姿のリアルなデジタル模倣を公衆に提供する行為を違法とするものだ。実演家に限らず、一般の人も対象になる。ここでいうデジタルレプリカの問題は、著名人だけのものではない。

兆しは、著作権法の改正という器を使いながら、著作物とは異なる保護対象を置くことにある。法律事務所Gorrissen Federspielに所属し、IFPI Denmarkの役員でもあるヤコブ・プレスナー・マティアセンは、これは著作権でも著作隣接権でもなく、個人の特徴に対する独立した保護だと説明している。

## 施行目標は2027年初め、対象はAIに限らない

法案は前年の提案を土台にしたものだ。総選挙と政権交代を経て、制度化の手続きが再開された。政権交代後の6月に就任したスタンペは、身体と声に対する権利の確保を、文化相としての重要な仕事に位置づける。CMUの見出しが示す施行目標は2027年初め。ただし、成立済みの法律や確定した施行日として報じられているわけではない。

背景にあるのは、操作された動画や画像を少ない操作で作り、ソーシャルメディアへ流通させられる環境だ。スタンペは、誤情報だけでなく、何が本物なのかへの疑念も問題に挙げる。被害が広がった後の対応に加え、巨大テック企業に素早い削除を促すことを、法案の主要な目的の一つとしている。

対象技術の切り方も重要だ。マティアセンの説明では、AIによるディープフェイクだけでなく、従来型のデジタル編集で作られた模倣も含む。一方、対象は本人と混同される明白な可能性があるリアルな模倣に限られる。AIを使ったかどうかより、誰か本人だと誤認させるかどうかに軸が置かれている。

表現の自由を守るため、風刺、パロディー、批評には例外が設けられる。ただし、他者の権利や重要な利益に深刻な危険を具体的にもたらし得る誤情報や、生命・財産への具体的な危険を生む場合には、その例外は適用されないという。似ている表現を一律に禁じる提案ではなく、保護と表現の境界を定める試みである。

## 拒む権利が、許すための足場にもなる

音楽にとって、この動きには二つの面がある。望まない声や姿の利用を止めること。そして、利用を望むアーティストが、条件を決めて許諾することだ。CMUは、法的な明確さが増すことで、AIプラットフォームや音楽ビジネスの取引先に対し、声や姿の利用をライセンスする商機も生まれると指摘している。

ここで見えてくるのは、複製技術を全面的に拒むか、無条件で受け入れるかという二択ではない。本人が同意する利用と、同意しない利用を分ける制度の足場である。ただし、具体的な契約条件や対価、削除の実効性まで、この記事で明らかになっているわけではない。保護が設けられることと、それが現場で機能することは分けて見る必要がある。

今後1〜3年で注目されるのは、この線引きが国外の議論にどう参照されるかだ。CMUは米国議会にも新たな権利の提案があると伝え、米国とデンマークの案が英国などの制度設計に影響する可能性を挙げる。同じ制度が各国に広がると決まったわけではないが、声や姿の保護を独立した権利として扱う議論が並行して進んでいる。

## 日本から見ると、問われるのは何を守るか

日本から読む際、デンマークの提案を、そのまま国内の権利関係に置き換えることはできない。この記事は日本の制度との比較を示していないためだ。それでも、楽曲や録音を使う許可と、ある人らしい声や姿を使う同意を、別の問題として捉える視点は読み取れる。

歌声の模倣をめぐる話を、作品のコピーだけで説明しきれるのか。デンマークの提案は、その問いに個人の特徴の保護という枠組みを与えようとしている。削除と許諾、表現の自由と誤認の危険。その境界を法律に書き込む作業が、いま進められている。

## 要するに

- デンマークでは、本人の同意のないリアルな声や姿の複製公開を禁じる法案が再提出された。
- 提案はAI以外の編集も対象とし、作品とは別に個人の特徴を守る仕組みを設けるものだ。
- CMUは、無断利用を止める保護が、本人の望む利用を許諾する足場にもなり得ると指摘している。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] CMU（Complete Music Update）「Denmark’s new digital replica law should go into effect in early 2027, says Danish culture minister」 (Fri, 09 Oc) https://completemusicupdate.com/denmarks-new-digital-replica-law-should-go-into-effect-in-early-2027-says-danish-culture-minister/
   > "The proposals will amend Danish copyright law and make it illegal to make available to the public realistic digital imitations of a person's voice or likeness without getting that person’s consent."
   > 訳: この提案はデンマークの著作権法を改正し、本人の同意を得ずに、その人の声や姿のリアルなデジタル模倣を公衆に提供することを違法とするものだ。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **ディープフェイク** / Deepfake: AIで人物の声や姿を本物らしく生成・加工した音声や映像。本人の発言や行動と誤認されることで、同意や誤情報をめぐる問題が生じる。 https://andown.space/glossary/deepfake/
- **デジタルレプリカ** / Digital replica: 個人の声や姿をデジタル技術で再現したもの。この記事の法案では、本人と混同される明白な可能性のあるリアルな模倣が保護の対象になる。 https://andown.space/glossary/digital-replica/
- **ライセンス** / Licensing: 一定の条件のもとで利用を認めること。声や姿の複製では、誰が何に同意したのかが重要で、楽曲や録音を使う許可とは区別して考えられる。 https://andown.space/glossary/licensing/
- **混同**（こんどう） / Consumer Confusion: 商品や表示を見た人が、提供元や他者との関係を取り違えること。商標の争いでは、実際に起きた取り違えと、起こるおそれがあるという主張を区別して読む必要がある。 https://andown.space/glossary/consumer-confusion/
- **著作隣接権**（ちょさくりんせつけん） / Neighboring rights: 歌唱や演奏を行う実演家、録音物を制作する者などに認められる権利。詞や曲の著作権とは別で、保護や対価の対象となる利用は国・地域によって異なる。 https://andown.space/glossary/neighboring-rights/
- **表現の自由**（ひょうげんのじゆう） / Freedom of Expression: 意見や思想、芸術表現を外に示す自由。公的機関による展示中止との関係は、適用される法制度や契約、判断の具体的な理由によって検討される。 https://andown.space/glossary/freedom-of-expression/
- **風刺**（ふうし） / Satire: 笑い、誇張、皮肉などを通じ、人間の振る舞いや社会の矛盾を浮かび上がらせる表現。批判される人物だけでなく、観客自身へ問いが戻ることもある。 https://andown.space/glossary/satire/

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この記事の写真は出典記事の空気感をもとに AI で生成したイメージです。引用の際は上記の出典を一次資料として参照してください。
