# TikTokとSpotifyに重なる、旧曲89曲の再浮上

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/does-tiktok-now-decide-what-songs-become-classics/
- 公開日: 2026.03.11 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: ショート動画ヒット工学（https://andown.space/topics/short-video-hits/）
- フック: 発売年より、使いたくなる瞬間

> TikTokで古い曲が広がるとき、同じ振り付けや有名人の投稿が起点になるとは限らない。Chartmetricが2026年3月に報じたのは、異なる映像と曲の断片を通じた旧曲の再浮上だ。Spotifyのチャートとの重なりから、発売年や歌い手の知名度だけでは捉えられない、楽曲の届き方が見えてくる。

## 同じ曲が、違う場面に居場所を持つ

2026年3月時点で、ザ・ポリスの「Every Breath You Take」はSpotifyの世界トップ50に68日連続で入っていた。2025年12月31日の再登場から続く滞在である。1983年の楽曲が、ショート動画と日々のリスニングを行き来する。その持続を、Chartmetricの記事が捉えている。

注目したいのは、再浮上が一つの動画形式に収まっていないことだ。同曲を使ったTikTokの最多視聴動画は、宇宙の映像に、出会いをめぐる言葉を添えたもの。一方、上位には猫が犬に爪を立てる動画もある。使われる曲の箇所も一様ではなく、決まった15〜30秒だけが反復されているわけではない。

ここにある兆しは、古い曲の流行そのものよりも、再発見の入口の分散だ。聴き手は楽曲を鑑賞するだけでなく、自分の映像の材料にする。UGCを介して、同じ曲が互いに無関係な日常や感情に接続されている。

## 大きな視聴数と、小さな発信元

記事によれば、TikTokとSpotifyの両チャートに入った2010年代より前の楽曲は89曲。1970年代、1980年代、1990年代の曲が重なりの相当部分を占めるという。ただし、本文では両チャートを比較した集計期間や対象の詳しい定義までは示されていない。89曲は再浮上の存在を示す数字であり、市場全体での比率を示すものではない。

「Every Breath You Take」の最多視聴動画は7210万回再生、1310万件のいいねを集めたが、投稿者のフォロワーは1万7100人だった。3番目の動画も、フォロワー1800人に対して3050万回再生。少なくともこの事例では、発信元の規模と動画の到達規模は釣り合っていない。

背景にあるのは、曲と映像を結びつける担い手の変化だ。映画やテレビを通じた再ヒットは以前からあった。ショート動画では、その組み合わせを多数の利用者がつくる。独立系レーベルThrive Musicの担当者も、プロの制作者を起用した施策が必ず成功するわけではないと話す。用意された宣伝と、聴き手が使いたくなる瞬間との間には隔たりがある。

もっとも、動画と配信チャートへの同時登場だけで、TikTokが再生増加を引き起こしたと断定することはできない。記事には映像作品との結びつきなど、別の契機による再浮上も挙がる。見えているのは、旧曲が複数の入口から再び聴かれる動きだ。

## 曲が広がることと、歌い手が知られること

フリートウッド・マックの「Dreams」を、スケートボードに乗ってジュースを飲む男性の動画から知った人もいる。入口は歌い手の姿でも、発売当時の物語でもない。バックカタログは、過去を知るためだけの棚ではなく、いまの映像に使える素材にもなっている。

この時点から先の1〜3年を考えると、旧曲を届ける試みは、作品の歴史を伝える方法に加え、利用者が別の意味を与える余地を探る方向にも広がる可能性がある。一つの振り付けに用途を固定しない曲の広がりは、その手がかりだ。ただし、今回の記事だけで再現可能な成功条件までは導けない。

同時に、曲の認知が歌い手への関心に結びつくとは限らない。楽曲が動画の感情や場面と強く結びつくほど、作者や発売年は背景に退くこともある。旧曲の再生が増えることと、アーティストを継続して聴く人が増えること。その間にどんな距離があるのかは、別に確かめる必要がある。

## 日本から見る、発売年では区切れない入口

日本から読む際には、観測対象の違いが重要になる。この記事が示すのはSpotifyの世界チャートやTikTok上の英語圏楽曲の事例であり、日本国内の聴取や日本語楽曲を同じ条件で調べた結果ではない。国内でも同じ規模の動きがあるとは、この資料からは言えない。

それでも、日本の楽曲が海外で見つかる経路を考えるうえで、発売年と作者の知名度だけでは入口を説明しきれないという論点は残る。曲の来歴を知らない人にも、自分の映像に重ねたい瞬間は訪れ得る。名曲として紹介される前に、使いたい曲として選ばれる。その順序が、旧曲の新しい居場所をつくっている。

## 要するに

- 2010年代より前の89曲が、TikTokとSpotifyの両チャートに登場していた。
- 旧曲の再浮上には、同じ形式に収まらない利用者の動画が関わっている。
- 楽曲の広がりと、歌い手への関心の広がりは、分けて捉える余地がある。

## 出典（エビデンス）

1. [一次] Chartmetric（How Music Charts）「Does TikTok Now Decide What Songs Become Classics?」 (2026-03-12) https://hmc.chartmetric.com/how-tiktok-revives-classic-songs/
   > "Going back decades, songs become hits because they're paired with something non-musical: a movie, television show, MTV. TikTok is an iteration of that, except it's very bottom-up as opposed to top-down"
   > 訳: 何十年も前から、曲は映画、テレビ番組、MTVといった音楽以外のものと結びついてヒットしてきた。TikTokもその一形態だが、上からではなく、下から生まれる性格がとても強い。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **UGC** / User-generated content: 利用者が制作・投稿する動画などのコンテンツ。音楽の利用や発見の場にもなり、権利管理や収入の分配を扱う事業と、楽曲の価値との接点が生まれる。 https://andown.space/glossary/user-generated-content/
- **ショート動画** / Short-form video: 短い時間で視聴できる動画形式。音源や映像を組み合わせた投稿が楽曲との接点になる一方、動画の再生と楽曲そのものの聴取は異なる行動である。 https://andown.space/glossary/short-form-video/
- **バックカタログ** / Back catalogue: アーティストやレーベルが過去に発表した作品群。新作とは別に、既発作品がどれだけ聴かれ、買われ続けているかを見る際のまとまりとなる。 https://andown.space/glossary/back-catalogue/

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