# 米国が音楽観光を法制化、小さな会場も連邦の旅行促進対象に

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/donald-trump-signs-american-music-tourism-act-into-law-tasking-commerce/
- 公開日: 2026.10.18 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: ライブ・ブーム（https://andown.space/topics/live-boom/）
- フック: 旅の目的地になる、地域の音楽

> 米国でAmerican Music Tourism Actが成立した。商務省が旅行を促す対象には、音楽の歴史的名所だけでなく、あらゆる規模の会場や現在の公演も含まれる。兆しは、ライブを一夜の興行としてだけでなく、地域へ人を運ぶ入口として扱う制度の変化にある。ただし、集客や収益への効果はこれからだ。

## 名所だけでなく、いま音が鳴る場所へ

米国で、音楽を目的に移動する人々を連邦政府の旅行促進策に位置づける法律が成立した。Music Business Worldwideによると、トランプ大統領はAmerican Music Tourism Actに署名。ホワイトハウスは署名日を10月9日と確認した。法律は商務省に対し、音楽観光に重要な国内の場所や催しを特定し、国内外からの旅行を促すよう求めている。

対象は、過去の音楽を伝える名所に限らない。博物館、スタジオに加え、「あらゆる規模の会場」を含む歴史的・現代的な音楽の目的地が定義された。フェスティバルやコンサート、そのほかのライブ公演、音楽関連の特別イベントを訪れる旅も含まれる。保存される音楽史と、いま演奏が起きている場所が、同じ旅行促進の枠に入った。

ここで見える兆しは、音楽を宣伝に使うことだけではない。地域の会場そのものを、人が訪れる理由として扱うことだ。大規模公演だけでなく、小さな会場も制度上の対象に含まれる。ただし、個々の会場がどう選ばれ、どのような支援を受けるかまでは、記事からは分からない。

## 巨額投資ではなく、既存の観光行政に加える

法律はVisit America Actを改正し、商務省の旅行・観光担当次官補の職務に音楽を加えるものだ。新たな大型助成制度を設けたというより、既存の行政の仕事に音楽の目的地を明記する変更と読める。議会予算局は2025年2月、実施費用を2025〜2030年で50万ドル未満と見積もった。支出は、歳出予算が確保されることを条件としている。

背景には、音楽を地域経済と結び直す業界側の期待がある。法案にはRecording AcademyやNMPA、BMI、ASCAP、RIAAに加え、独立系会場の団体NIVAも支持を表明した。録音や楽曲の権利を扱う側と、公演の場所を担う側が、旅行促進という共通の接点を持っている。上下両院で共和・民主両党の議員が推進した点も、この枠組みを支えた。

もっとも、市場予測は慎重に読む必要がある。ブラックバーン上院議員の事務所は、調査会社Future Market Insightsを引き、音楽観光市場が2032年に113億ドルへ達するとの予測を紹介した。一方、記事によると、リンク先の調査は現在、世界市場を2024年に64億4000万ドル、2034年に155億ドル超とする。対象期間も数値も異なり、いずれも米国の法律の効果を測った数字ではない。

## 次に見えるのは、目的地の選び方

今後の手がかりは報告制度にある。担当次官補は法律の成立から1年以内に、その後は2年ごとに、上下両院の所管委員会へ報告する。対象は旅行・観光目標に関する活動、調査結果、成果、脆弱性だ。宣伝の実施だけでなく、何が達成され、どこに弱点があるかも報告の範囲に入る。

この先数年で問われるのは、広い定義が実務でも保たれるかである。有名な名所に加え、現役の小規模会場や地域の催しまで旅行の導線に入るなら、音楽観光は過去の遺産を巡る旅より広いものになり得る。NIVAは成立前の9月、商務省と目標の実現に取り組む用意があると表明していた。ただし、具体的な事業や地域別の配分は記事に示されていない。

経済波及効果と、作り手への還元も別々に見る必要がある。ASCAPの最高経営責任者は、作曲家らが作品のライブ演奏から得る音楽使用料に依存していると述べ、新たな機会への期待を示した。旅行者の増加が、会場の収支や作り手の収入にどれだけ届くか。法律の成立だけでは、その答えまでは出ていない。

## 日本から見ると、興行の外側が見える

日本から読む際の比較点は、観光客の数より制度の置き場所にある。今回の米国の法律は、音楽会場や公演への旅行促進を連邦商務省の職務に加えた。日本の制度との差をこの出典だけで断定することはできないが、文化の振興や興行の運営とは別に、旅行行政から音楽の場所を捉える枠組みが確認できる。

ライブを売れた席数だけでなく、地域へ人が移動する理由として読む。その視点を、あらゆる規模の会場にまで広げたことが今回の変化だ。大きな経済効果がすでに生じたという話ではない。小さな会場も音楽の目的地として扱える法的な入口ができ、その実施と成果を報告する仕組みが置かれたのである。

## 要するに

- 米国は、あらゆる規模の音楽会場や公演への旅行促進を商務省の職務に加えた。
- 成立後の報告には、活動や成果だけでなく脆弱性も含まれる。
- 地域の会場や作り手への収益効果は、法律の成立とは分けて確かめられる段階にある。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Music Business Worldwide「Donald Trump signs American Music Tourism Act into law, tasking Commerce Department with promoting travel to US music sites and events」 (Thu, 15 Oc) https://www.musicbusinessworldwide.com/donald-trump-signs-american-music-tourism-act-into-law-tasking-commerce-department-with-promoting-travel-to-us-music-sites-and-events/
   > "The legislation amends the Visit America Act, adding music to the travel-promotion duties of the Assistant Secretary of Commerce for Travel and Tourism."
   > 訳: この法律はVisit America Actを改正し、商務省の旅行・観光担当次官補の旅行促進業務に音楽を加える。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **音楽観光**（おんがくかんこう） / Music tourism: 公演やフェスティバルへの参加、音楽ゆかりの場所の訪問を目的とする旅行。今回の米国法では、歴史的名所だけでなく、現在活動するあらゆる規模の会場も対象に含む。 https://andown.space/glossary/music-tourism/
- **音楽使用料**（おんがくしようりょう） / Music royalties: 音楽の利用に伴い、権利を持つ側へ支払われる対価。会場が利用許諾のために払うお金と、個々の作り手に分配される金額は、分けて捉える必要がある。 https://andown.space/glossary/music-royalties/
- **経済波及効果**（けいざいはきゅうこうか） / Economic impact: イベントなどに伴う支出が、地域の経済活動に及ぼす影響を推計したもの。会場の売上や利益、税収とは別の指標で、対象範囲や計算方法によって値が変わる。 https://andown.space/glossary/economic-impact/

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