# デュア・リパの提訴が問う、テレビの箱と肖像の権利

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/dua-lipa-sues-samsung-for-15-million-over-tv-packaging/
- 公開日: 2026.05.10 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: 兆しの初動（数ヶ月〜1年）
- テーマ: ブランド×音楽（https://andown.space/topics/brand-x-music/）
- フック: 楽曲の外側にも、権利の境界がある

> デュア・リパが、テレビの外箱に写真を無断使用されたとしてサムスンを提訴した。求める損害賠償は少なくとも1500万ドル。5月8日の提訴に見えるのは、音楽家とブランドの接点が商品パッケージにまで及ぶとき、写真の著作権と、本人が販売に関与しているように見えることを、どう扱うかという問題である。

## テレビではなく、その箱に置かれた顔

音楽家と家電ブランドの接点が、楽曲でも公演でもなく、テレビの外箱で争われている。デュア・リパは5月8日、米カリフォルニア中部地区の連邦地方裁判所にサムスンを提訴した。テレビの段ボール包装に本人の写真を無断使用したとして、少なくとも1500万ドルの損害賠償を求めている。

Pitchforkが確認した訴状によれば、米国内の店舗で販売された複数のテレビ製品の箱に、リパの顔写真が目立つ形で掲載されたという。写真は2024年のAustin City Limitsの舞台裏で撮影されたもの。リパ側は、その著作権を本人が所有し、使用を知らされても、同意してもいなかったと主張する。

ここで見える兆しは、ブランドと音楽家の関係が、正式な協業の有無だけでは捉えきれなくなっていることだ。商品に顔が添えられるだけでも、購入者は両者のつながりを読み取り得る。写真を載せる行為が、どんな関係を消費者に伝えるのか。その境界が、外箱という日常的な媒体で問われている。

## 1500万ドルの請求と、購入を語るコメント

訴状では、リパがこの状況を知ったのは2025年6月だったとされる。きっかけは、SNS上で「Dua Lipa TV Box」と呼ばれていたことだった。提訴に至る前から、外箱そのものが本人の名前と結びついて流通していた、というのが訴えの描く経緯である。

リパ側は、Instagramのコメントを二つ挙げている。一つは「デュアが載っているというだけで、そのテレビを買う」という趣旨。もう一つは「何かを売りたいなら、デュア・リパの写真を載せればいい」というものだ。これらは販売への効果を主張する材料だが、実際の購入や売上増を示す数字ではない。

請求の根拠には、写真の著作権侵害に加え、商標の侵害と肖像の不正利用が挙げられている。本人の肖像などの商業利用をめぐるパブリシティ権も争点だ。写真という作品を使う権利と、その写真に写る音楽家の知名度を商品販売に利用する権利。ひとつの画像に、異なる権利の層が重なっている。

さらにリパ側は、前年に使用中止を求め、その後も包装を市場から撤去するよう繰り返し要求したが、応じられなかったと主張する。ただし、ここまでの内容は5月8日の訴状に示された当事者の主張である。少なくとも1500万ドルという金額も請求額であり、裁判所が認定した損害額ではない。

## 画像の許諾は、どの売り場まで届くのか

この提訴から先の数年を考えるとき、注目点は賠償額の大きさだけではない。ブランドが音楽家の画像を使う際、誰から何の許可を得て、どの媒体に掲載できるのか。その確認を、商品パッケージの制作や流通までどうつなぐかという実務である。

ここで手がかりになるのが「権利の連鎖」という見方だ。撮影された写真が商品に載るまで、どの権利が誰から誰へ渡り、利用範囲がどこまで認められているかをたどる。写真を使えることと、本人がその商品を推奨しているように見える使い方が認められることは、同じ問いではない。

今後、音楽家とブランドの契約で、掲載媒体や商品の種類、販売地域、使用終了後の包装の扱いまで細かく確認する動きにつながる可能性がある。ただし、この出典だけで業界全体の契約が変わり始めたとは言えない。見えているのは、売り場に残る画像の扱いが、具体的な紛争になった一例である。

## 日本から見ると、協業の手前にある問題

日本から読む際には、米国で提起された権利上の主張を、そのまま国内の法的結論に置き換えない距離が必要になる。出典は日本の契約慣行や裁判例を比較していない。読み取れるのは、海外で認められる請求の種類そのものよりも、写真の利用許諾と、本人の関与をどう伝えるかを分けて考える視点だ。

ブランドと音楽の新しい組み方は、協業の発表だけに表れるわけではない。協業として合意していない、と音楽家が訴える場面にも、その輪郭が浮かぶ。今回、商品に近づいたのは音源ではなく顔写真だった。店頭で音楽家の存在が販売の文脈に入るとき、どこまでが許された関係なのか。箱の表面が、その問いの置き場所になっている。

## 要するに

- デュア・リパは、テレビの外箱への写真使用をめぐりサムスンを提訴した。
- 争点には、写真の著作権だけでなく、肖像を商品販売に利用する権利も含まれる。
- 音楽家とブランドの接点として、商品パッケージの許諾範囲が問われている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Pitchfork「Dua Lipa Sues Samsung for $15 Million Over TV Packaging」 (2026-05-11) https://pitchfork.com/news/dua-lipa-sues-samsung-for-15-million-over-tv-packaging/
   > "Dua Lipa has sued Samsung over its use of her image on cardboard packaging for some of its televisions, which the singer says she did not consent to."
   > 訳: デュア・リパは、サムスンが一部のテレビの段ボール包装に自身の画像を使用したことをめぐり、同社を提訴した。本人はその使用に同意していなかったとしている。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **パブリシティ権** / Right of publicity: 氏名や肖像などが持つ顧客を引きつける力の商業利用に関わる権利。写真の著作権とは別の論点であり、保護の仕組みや範囲は国や地域によって異なる。 https://andown.space/glossary/right-of-publicity/
- **権利の連鎖**（けんりのれんさ） / Chain of title: ある権利が誰に帰属し、どの契約を通じて誰へ移ったかという履歴。現在の保有者だけでなく、最初の所有者や各段階の移転主体を確かめる手がかりとなる。 https://andown.space/glossary/chain-of-title/
- **商標**（しょうひょう） / Trademark: 商品やサービスの出所を見分ける名称や標識に関わる権利。音楽活動ではグループ名などが対象になり得るが、楽曲の著作権や収益の取り分とは別に扱われる。 https://andown.space/glossary/trademark/
- **損害賠償**（そんがいばいしょう） / Damages: 契約違反などによって生じた損害を金銭で補うこと。本件の争点は、請求できるかだけでなく、将来収入や残るメンバーの活動を金額にどう反映するかにある。 https://andown.space/glossary/damages/
- **著作権**（ちょさくけん） / Copyright: 楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。 https://andown.space/glossary/copyright/
- **著作権侵害**（ちょさくけんしんがい） / Copyright infringement: 著作権で保護される表現を、許諾や法律上の根拠なく利用して権利を侵すこと。音楽では歌詞や旋律などが問題となり、似ているという印象だけで直ちに成立するわけではない。 https://andown.space/glossary/copyright-infringement/

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