# フォロワー数と共同体を分ける、米音楽マネジメントの視点

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/ian-montone-manager-of-jack-white-vampire-weekend-lcd-soundsystem-as-an/
- 公開日: 2026.09.23 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: スーパーファン経済（https://andown.space/topics/superfan/）、ダイレクト・トゥ・ファン（https://andown.space/topics/direct-to-fan/）
- フック: 再生の先にある、時間を使う関係

> ジャック・ホワイトらを支えるイアン・モントーネは、フォロワーと共同体は同じではないと語る。2026年9月のインタビューに見えるのは、配信を捨てる動きではなく、公演やレコード、物販を通じて関係を育てる仕事の再評価だ。問われているのは、接触の多さと、時間を共にする関係の違いである。

## フォロワーの先に、誰がいるか

フォロワーが増えることと、人が集まる理由が育つことは違う。米マネジメント会社Monotoneの創業者、イアン・モントーネは、Music Business Worldwideのインタビューで、その区別を音楽業界に向けて語った。ジャック・ホワイト、ヴァンパイア・ウィークエンド、LCDサウンドシステムらを支える人物である。

彼が例に挙げるファンは、託児を頼み、駐車料金を払い、チケットを買い、数時間をアーティストに渡す人だ。支出だけではない。生活を調整し、注意を向けるという負担も含まれる。その関係を育てる仕事は、配信前の保存予約やクリックより重要だという。

ここに見える兆しは、ファンを新しく分類することではなく、関係の深さを測る物差しの置き直しだ。オンラインで共同体が成立することへの彼の否定的な見方は、一人の経営者の立場である。ただ、接触できる人数と、継続して関わる人々を分けて考える視点は、その主張から取り出せる。

## 配信を捨てず、事業の重心を変える

モントーネは2019年の同媒体の取材でも、優れたアーティストより「アルゴリズムのための音楽」が追われていると警告していた。今回も、推薦に適応した制作が音楽を安全で定型的なものにしていると指摘する。一方、演奏技術を磨き、公演に力を注ぐ新しいアーティストが増えているとも語る。いずれも、彼の現場から見た観察だ。

その認識は、ストリーミングの拒否にはつながっていない。顧客の事業に占める重要度は下がっているものの、誰が聴いているかを大まかに知る手掛かりにはなる。契約相手が印税だけに参加するレーベル契約なら、無視できないとも述べる。曲が広く聴かれることと、長く活動できる土台をつくることを、対立させてはいない。

取材記事が示すのは、約四半世紀にわたるキャリアと、数十年続く活動を支えるという時間軸である。公演がしばしば事業の基礎となり、物販、映像などへの楽曲利用、レコードを含むフィジカルにも意識的に取り組む。ただし、各収益源の比率や売上の推移は示されていない。配信から公演へ市場全体が移ったと読める資料ではない。

この設計を支えるのが社内の実務だ。Monotoneはツアーと制作のチームを持ち、ラジオ向けの担当も採用した。その役割は現在、ラジオや配信の領域を超えているという。ファンとの関係を重く見る姿勢は、理念だけではなく、アーティストの活動を横断して支える人員配置と結び付いている。

## 直接つながる仕事は、課金だけではない

この先の数年を考えると、ダイレクト・トゥ・ファンの焦点が、販売経路の確保から、出会いと継続的な関係の設計へ広がる可能性がある。モントーネが挙げるのは、公演に加え、人が音楽を発見し、つながれる独立系レコード店だ。画面上の接点を増やす以外にも、関係を育てる場所がある。

スーパーファンという言葉で考える場合も、ここでの手掛かりは高額な商品だけではない。会場へ足を運ぶ時間や、作品に注意を向ける行為が重視されている。今回の取材で新しい会員制度や課金サービスが発表されたわけではない。むしろ、すでにある公演や販売の場を、関係が積み重なる場所として捉え直す発言と読める。

広がり方を左右するのは、担い手の構成でもある。彼はレーベルとマネジャーの対立を退け、信頼のあるチームが互いの強みを使うことを重視する。一方、会社の大型化には、投資への見返りや顧客間の優先順位が伴うと指摘する。このモデルが他社にも広がるかは、関係づくりに必要な人員と時間を、誰が支えるかにかかっていると見られる。

## 日本から見ると、比較の前に分けるもの

日本との違いを考える際、この取材は市場規模や契約慣行を比較できる資料ではない。米国の一社の実践を、そのまま日本の音楽事業に重ねることはできない。ただ、配信、物販、公演を別々の数字として眺める場合と、同じ人との関係を支える接点として眺める場合とでは、見えるものが違う。

日本から読み取れるのは、熱心なファンを支出額だけで捉えない視点である。クリックは接触を示し、来場には時間や移動が伴う。どちらか一方を不要とするのではなく、それぞれが何を示すのかを分ける。2026年9月の発言にあったのは、人数の大きさだけでは語れない関係を、音楽の事業として支えようとする姿勢だった。

## 要するに

- Monotoneは、フォロワー数と継続的なファンの関係を区別している。
- 公演を基礎に、物販やレコード、楽曲利用まで横断して活動を支えている。
- 配信の否定ではなく、数十年続くキャリアの中で各接点を捉える視点が示された。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Music Business Worldwide「Ian Montone, manager of Jack White, Vampire Weekend, LCD Soundsystem: ‘As an industry, we’ve confused followers with community.’」 (2026-09-24) https://www.musicbusinessworldwide.com/ian-montone-manager-of-jack-white-vampire-weekend-lcd-soundsystem-as-an-industry-weve-confused-followers-with-community/
   > "As an industry, we’ve confused followers with community. They’re not the same thing. Music is supposed to bring people together, and that’s gotten harder."
   > 訳: 業界として、私たちはフォロワーと共同体を混同してきた。両者は同じではない。音楽は人々を結び付けるもののはずだが、それが難しくなっている。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **サウンドシステム** / Sound system: クラブなどで音を届けるための機器とその構成。スピーカーだけでなく、増幅や音の調整を担う機器、配置も含み、会場での聴こえ方を左右する。 https://andown.space/glossary/sound-system/
- **スーパーファン** / Superfan: 特定のアーティストや作品に強い関心を持ち、継続的に関わるファンを指す言葉。支出だけでなく参加や応援も含み、誰を数えるかは調査や事業によって異なる。 https://andown.space/glossary/superfan/
- **ストリーミング** / Music streaming: ネットワーク経由で音源を受信しながら再生する提供方式。音楽市場では有料契約や広告などに支えられるが、市場収入と個々のアーティストの受取額は同じ指標ではない。 https://andown.space/glossary/music-streaming/
- **ダイレクト・トゥ・ファン** / Direct-to-fan: アーティストがファンに直接、作品や体験を届け、販売や交流を行う仕組み。専用サービスを使う場合もあり、必ずしも仲介が完全になくなることを意味しない。 https://andown.space/glossary/direct-to-fan/
- **フィジカル** / Physical release: レコードやCDなど、物理的な媒体で発売される音楽商品を指す言葉。音源に加えて装丁や手に取る体験を持ち、店頭販売や収集とも関わる。 https://andown.space/glossary/physical-release/

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