# 「Savage Love」訴訟、演奏参加と共同著作者の境界

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/jason-derulo-sony-music-win-savage-love-copyright-lawsuit/
- 公開日: 2026.05.10 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: 兆しの初動（数ヶ月〜1年）
- テーマ: 著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: スタジオの貢献を、権利に結ぶ条件

> 「Savage Love」をめぐる訴訟で、米連邦陪審はジェイソン・デルーロとソニー側に有利な評決を下した。演奏への参加と、楽曲や録音を共同所有する資格は同じではない。制作現場の貢献を権利へ結びつける際に、独創性だけでなく、誰が方向を決め、何を合意していたかが争点となった事例である。

## 演奏したことと、共同で書いたこと

2026年5月7日、ロサンゼルスの連邦陪審は、「Savage Love (Laxed – Siren Beat)」の著作権侵害訴訟で、ジェイソン・デルーロとソニー・ミュージック側に有利な評決を下した。Digital Music Newsによると、原告のギタリスト兼プロデューサー、マシュー・スパトラは、共同で曲を書いたこと、または自らの貢献が著作権で保護され得ることを立証できなかった。

スパトラは、2020年4月の2回の録音セッションで、独自のギターとベースのパートを加え、アコースティック部分を作ったと主張した。求めたのは、演奏への評価だけではない。共同著作者であるとの確認と、利益の持ち分に応じた分配だった。

ここに見えるのは、制作への参加と、作品を共同で所有することの間にある境界である。音源に演奏が残っていても、それだけで共同著作者性が認められるとは限らない。今回の争いでは、何を弾いたかに加え、誰の指示で弾き、どのような立場で参加したかが問われた。

## 25%の持ち分と、2,000ドルの報酬

請求は、楽曲と録音の双方に及んだ。スパトラが求めたのは、デルーロが保有する楽曲の25%の持ち分の一部と、ソニーが保有する録音の権利の一部である。25%すべてを請求したという意味ではない。楽曲の著作権と、録音を対象とする原盤の権利という、異なる層が争われていた。

被告側は、スパトラを共同著作者ではなく、依頼された演奏を行うために雇われた音楽家と位置づけた。独自に制作方針を決めるクリエイティブ・コントロールはなく、既存の音楽を再現するため、デルーロの指示の下で働いていたという説明だ。共同著作者となる意思を共有していなかったとも主張した。

その説明を支える事情として挙げられたのが、定額2,000ドルの報酬と、当初求められた制作クレジットだった。被告側によれば、スパトラは報酬を受け取り、作家やプロデューサーではなく、演奏者としての表記を求めていた。ただし、この報道だけから、定額報酬を受け取れば著作者ではなくなる、という一般則は導けない。

デルーロは法廷で、曲の構想はすでに完成しており、スパトラには音楽上の指示を実行してもらったと証言した。元となる「Laxed (Siren Beat)」を作り直すのではなく、自分の歌を支える、より整った枠組みを作る意図だったという。ギターとベースの旋律を自ら歌って伝えたとも述べた。これらはデルーロ側の説明であり、記事は陪審が個々の事情をどう評価したかまでは伝えていない。

## 次に問われるのは、貢献を残す記録

この評決だけで、制作現場全体の契約慣行が変わったとはいえない。それでも、今後数年の共同制作を考えるうえで、注意を向ける先は見える。演奏者、作曲者、プロデューサーという呼び名と、実際の指示系統や権利の合意が、どこまで一致しているかである。

今回、被告側の説明には録画された証言録取も登場した。デルーロはそこで、スタジオで旋律を歌って伝えた様子を実演したという。制作過程の記録は、完成した音だけでは分からない役割を説明する材料になり得る。ただし、実演の存在だけで当時のやり取りのすべてが確定するわけではない。

同様の争いが起きる場合、独創的な音を加えたという主張と、共同で作品を作る合意があったという主張を、分けて検討する場面が考えられる。これは新しい統一基準の成立ではなく、一つの制作現場で、その区別が権利と収益の帰属を左右する争点になったという兆しだ。

## 日本から見る、クレジットの先の権利

日本から読む際の違いは、まず裁判の場所と判断の枠組みにある。これは米国の連邦陪審による個別の評決であり、日本で同じ結論になると読み替えることはできない。出典は日本の契約慣行との比較も示していない。

その範囲を守っても、読み取れることはある。制作クレジットに名前が載ること、演奏の報酬を受け取ること、楽曲や原盤の持ち分を持つことは、別々の論点だ。今回の訴訟は、スタジオでの貢献を一つの言葉でまとめず、表記、対価、所有に分けて見るための具体例となっている。

## 要するに

- 米連邦陪審は、スパトラによる共同著作者性などの立証が足りないとして、デルーロ側に有利な評決を下した。
- 争点には演奏の独創性だけでなく、制作上の指示と共同著作の意思が含まれていた。
- 制作への参加、名前の表記、権利の持ち分を分けて捉える必要性が、この一件に表れている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Digital Music News「Jason Derulo, Sony Music Win ‘Savage Love’ Copyright Lawsuit」 (2026-05-11) https://www.digitalmusicnews.com/2026/05/10/jason-derulo-sony-copyright-lawsuit-savage-love/
   > "According to the jury, guitarist and producer Matthew Spatola failed to prove that he co-wrote the song or that his contributions were able to be copyrighted."
   > 訳: 陪審によれば、ギタリスト兼プロデューサーのマシュー・スパトラは、この曲を共同で書いたこと、または自らの貢献が著作権で保護され得ることを立証できなかった。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **クリエイティブ・コントロール** / Creative control: 作品の内容や表現について、制作者が判断できる権限。制作資金の提供や作品の所有権とは別の論点で、どこまで裁量を持てるかは契約によって異なる。 https://andown.space/glossary/creative-control/
- **共同所有**（きょうどうしょゆう） / Joint ownership: 複数の人や組織が一つの権利を持つこと。持ち分や利用の決め方、収益の配分まで自動的に一律となるわけではなく、対象となる権利や契約の確認が必要になる。 https://andown.space/glossary/joint-ownership/
- **共同著作者性**（きょうどうちょさくしゃせい） / Joint authorship: 複数の参加者が、同じ作品の著作者として認められるかという問題。制作への関与だけで自動的に決まるものではなく、創作上の貢献や当事者の意思などが争点となる。 https://andown.space/glossary/joint-authorship/
- **原盤**（げんばん） / Master recording: 音楽の録音そのものや、その元となる録音物を指す言葉。権利を論じる際は、録音に関する権利と、テープなど現物の所有を区別する必要がある。 https://andown.space/glossary/master-recording-rights/
- **制作クレジット**（せいさくくれじっと） / Recording credits: 楽曲や録音の制作に関わった人と、その役割を示す情報。歌い手だけでなく、演奏や録音などの担い手を知り、別の作品へ進む手がかりにもなる。 https://andown.space/glossary/recording-credits/
- **著作権**（ちょさくけん） / Copyright: 楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。 https://andown.space/glossary/copyright/
- **著作権侵害**（ちょさくけんしんがい） / Copyright infringement: 著作権で保護される表現を、許諾や法律上の根拠なく利用して権利を侵すこと。音楽では歌詞や旋律などが問題となり、似ているという印象だけで直ちに成立するわけではない。 https://andown.space/glossary/copyright-infringement/

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