# Suno訴訟、対象曲の追加をめぐり問われる審理の範囲

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/judge-should-block-major-label-attempts-to-expand-track-lists-in-ai-liti/
- 公開日: 2026.07.06 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: 兆しの初動（数ヶ月〜1年）
- テーマ: AI生成音楽（https://andown.space/topics/generative-music/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 学習の適法性へ進む前の争点

> 生成AIの学習に使われた録音を、訴訟でどこまで追加できるのか。2026年7月初め、Sunoは別件のUdio訴訟の判断を踏まえ、対象曲の大幅追加を認めないよう裁判官に求めた。学習の適法性だけでなく、学習内容の開示と審理の進め方が、争いの規模を左右する構図が見える。

## 争われているのは、曲数の増やし方

生成AIの音楽学習をめぐる裁判で、学習の適法性とは別の争点が前に出ている。訴訟で侵害を主張する録音を、手続きの途中でどこまで追加できるのか。2026年7月初めに見えていたのは、学習内容の不透明さと、審理を先へ進める必要がぶつかる場面だった。

CMUによると、Sony MusicとUniversal Musicは5月、Sunoに対する訴訟で列挙する対象曲を560曲から61,026曲へ増やすよう求めた。同じころ、Sonyは別件のUdio訴訟でも、333曲を30,442曲へ増やすよう申し立てた。ところがUdio事件のAlvin K Hellerstein判事は、手続きのこの段階での追加を認めなかった。

この判断を受け、Sunoは自社の事件を担当するF Dennis Saylor判事にも、同じ結論を求める書簡を送った。Suno側は、Udio事件で追加が認められなかった理由は自社の事件にも当てはまり、追加対象がさらに多い分、影響も大きいと主張する。Suno事件でも追加が退けられた、という報道ではない。

## 曲目リストが、賠償の上限を動かす

両事件の中心には、権利者の許可なく録音をAIモデルの学習に使った行為が著作権侵害に当たるか、という問題がある。ただし原告の構成は同じではない。Warner MusicはSuno、Udioの双方と和解済み。UniversalはUdioとは和解したが、Sunoへの訴訟は続けている。

曲数が重い意味を持つのは、米国の法定損害賠償との関係だ。CMUは、著作権者が侵害された作品ごとに最大15万ドルを求め得ると説明する。Suno事件の対象が560曲から61,026曲へ増えれば、単純計算による上限は8,400万ドルから91億ドル超へ広がる。ただし、これは侵害が認定され、上限額が適用される場合の計算であり、確定した賠償額ではない。

レーベル側は、当初から大きなリストを出せなかった理由を、AI企業が学習に使った音楽について透明性を欠いていたためだと説明する。最初のリストは手作業の負担が大きく、証拠開示を通じて追加情報を得て初めて、対象を広げられたという。曲数の増加は、権利者側の説明では、後から把握できた利用範囲の反映でもある。

一方、Udio事件の判事は、追加によって相当量の資料提出と精査が必要になり、新たな紛争も生まれ、事件の範囲が実質的に変わると判断した。Sunoも、自社ではすでに証言録取が進み、事件の結論に関わる申立ての期限も設定されていると強調する。情報を得て対象を広げたい側と、そのために審理が延びる不利益を訴える側。対立は、学習の中身だけでなく、それをいつ裁判に持ち込むかに及んでいる。

## 適法性の判断と、対象範囲の確定

Sunoが遅れを避けたいとするのは、AI学習が米国法上のフェアユースに当たるという抗弁の判断だ。Udioも、学習に許可は不要だったとして、著作権侵害の請求全体を退けるよう求めている。対象曲の追加を認めるかどうかと、学習が適法かどうかは、区別して読む必要がある。

今後数年をこの時点から見渡すと、同種の訴訟では、学習素材の情報を得る時期と、侵害を主張する作品を特定する時期の関係が、さらに争点となる可能性がある。早期には把握できない利用がある一方、後から対象を広げれば追加の検証が要る。今回の判断だけで共通のルールが定まったとはいえないが、学習情報の開示が訴訟の範囲を左右する接点は表面化している。

また、同じような侵害の主張でも、手続きの進み具合によって追加の負担は異なる。SunoがUdioの判断を援用しながら、自社では証言録取が始まっていると述べた点は、その違いを示す。別件の結論がそのまま移されるのではなく、各事件の進行状況も判断材料になるという構図だ。

## 日本からは、金額より手続きが見える

日本から読む際に距離を置きたいのは、米国の制度に基づく巨額の上限額を、そのまま国内での責任の大きさに重ねる見方だ。この記事は日本の法制度や訴訟実務を扱っておらず、同じ計算が成り立つとは読み取れない。フェアユースという抗弁も、ここでは米国法の文脈にある。

それでも読み取れるのは、学習に何が使われたかを知ることと、権利侵害を裁判で争える形にすることの間に、時間と作業があるという点だ。生成AIをめぐる争いは、許可の要否という大きな問いだけでは進まない。対象となる録音を特定し、検証し、審理の範囲を定める。その手続きもまた、判断に至る道筋を形づくっている。

## 要するに

- Sunoは、Udio事件での判断を根拠に、訴訟対象曲の大幅追加を認めないよう求めた。
- 学習内容の情報開示は、権利者が主張できる対象と賠償の規模に関わっている。
- 対象曲の追加の可否と、AI学習がフェアユースに当たるかどうかは別の争点である。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] CMU（Complete Music Update）「Judge should block major label attempts to expand track lists in AI litigation, says Suno」 (2026-07-07) https://completemusicupdate.com/judge-should-block-major-label-attempts-to-expand-track-lists-in-ai-litigation-says-suno/
   > "Under US copyright law, copyright owners can seek up to $150,000 per infringed work."
   > 訳: 米国著作権法の下では、著作権者は侵害された作品ごとに最大15万ドルを請求できる。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **フェアユース** / Fair Use: 米国著作権法で、利用の目的や性質などに照らし、権利者の許諾なしでも著作物の利用が認められる場合があるという原則。AI学習への適用は争われている。 https://andown.space/glossary/fair-use/
- **証拠開示**（しょうこかいじ） / Discovery: 訴訟に関係する資料や情報を当事者間で取得・提示する手続き。米国の民事訴訟では、相手方が保有する記録や証言を得て、争点を検証する重要な過程となる。 https://andown.space/glossary/discovery/
- **生成AI**（せいせいエーアイ） / Generative AI: 学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。 https://andown.space/glossary/generative-ai/
- **著作権**（ちょさくけん） / Copyright: 楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。 https://andown.space/glossary/copyright/
- **著作権侵害**（ちょさくけんしんがい） / Copyright infringement: 著作権で保護される表現を、許諾や法律上の根拠なく利用して権利を侵すこと。音楽では歌詞や旋律などが問題となり、似ているという印象だけで直ちに成立するわけではない。 https://andown.space/glossary/copyright-infringement/
- **法定損害賠償**（ほうていそんがいばいしょう） / Statutory damages: 実際の損害額の立証とは別に、法律で定めた枠組みに基づいて求める損害賠償。訴状に示された可能額は、裁判所が認めた支払額や和解金とは異なる。 https://andown.space/glossary/statutory-damages/

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