# マドンナのAI批判が照らす、数字から距離を置く創作

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/madonna-calls-ai-the-complete-opposite-of-making-art/
- 公開日: 2026.06.28 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: AIと作家性（https://andown.space/topics/ai-and-authorship/）、AI生成音楽（https://andown.space/topics/generative-music/）
- フック: 評価される前の時間を取り戻す

> マドンナは、アルゴリズムとAIだけを基準にした制作ではリスクを取れないと語った。批判の焦点は、機械が曲を作ることだけではなく、フォロワー数や配信の数字が創作の出発点になることにもある。6月末の発言から見えるのは、作品の評価方法と、作品を生むための時間を切り分けようとする姿勢だ。

## AI批判の隣に、数字への違和感

マドンナが批判したのは、AIという道具だけではない。6月末にDigital Music Newsが紹介したVogue Italiaのインタビューで、彼女はレコード契約とフォロワー数の関係に言及した。そのうえで、アルゴリズムとAIだけを基準に制作することを、芸術を作る行為の正反対だと表現した。

理由として挙げたのは、リスクを取れなくなることだった。楽曲「Bring Your Love」の「数字で私の気をそらそうとしないで」という一節も、この文脈で説明している。チャートやストリーミングを考えずに活動を始めたという自身の経験と、数字を意識する制作環境との対比である。

ここに見える兆しは、AIへの賛否が、何を創作の判断基準にするかという問いにつながっていることだ。機械がどこまで作れるかではなく、人が未知の表現を選ぶ余地をどう残すか。彼女の発言は、技術の性能とは別の場所に焦点を置いている。

## 指標の話を、指標なしで読み解く

ただし、この記事には、フォロワー数が契約を左右する程度や、AI利用が創作上のリスクを減らすことを示す統計はない。マドンナの言葉は、業界全体を測った調査ではなく、作り手としての認識だ。数字への違和感を、そのまま産業の変化を証明する数字として扱うことはできない。

Digital Music Newsも、彼女が新人だった時代には、今日のようなソーシャルメディアや、それに伴うアルゴリズムは存在しなかったと補足する。過去の創作環境と、いまの制作環境は同じではない。その違いを踏まえても、作品を生む時間と、作品の反応を測る時間を分けるという論点は残る。

マドンナが代わりに語ったのは、画家、音楽家、ダンサーらが同じ場所に集まり、互いのために制作していた経験だった。着想を得たいときには技術や社会的な雑音から離れ、静けさや自然と接する時間を持つという。孤独だけでなく、異なる表現に触れる対面の関係も、彼女の創作を支えるものとして語られている。

## 生成の是非から、創作条件の議論へ

同記事は、SZAが生成AIによる音楽制作サービス、とりわけSunoとその利用者を批判したことにも触れている。ただし、その詳細な発言や理由は掲載されていない。マドンナと同じ主張だとまとめることはできない。少なくとも、音楽家によるAIへの異議が、ひとつの発言だけではないことは読み取れる。

マドンナの発言にも、AIの用途ごとの区別や、具体的な制作工程の検証はない。したがって、あらゆるAI利用が実験を妨げると結論づける材料にはならない。むしろ注目したいのは、生成AIをめぐる議論の隣に、数字への最適化や注意の奪い合いという別の問題が置かれたことだ。

この時点から今後数年を見るなら、論点が「誰が作ったか」だけでなく、「どんな条件で作れたか」へ広がる可能性がある。作家性を、完成した作品の特徴だけでなく、迷い、休止し、評価の予想から外れる過程にも見いだす考え方である。今回の記事は、その広がりや定着を証明するものではないが、議論の入口を示している。

## 日本から見る、作者と制作環境の間

日本から読む際にも、海外の著名な歌手の発言を、そのまま国内の制作現場に重ねることはできない。出典には、日本の契約慣行やAI利用との比較はない。フォロワー数と契約の関係についても、日本との違いを断定できる材料は示されていない。

それでも読み取れるのは、AI批判を著作物の生成だけに閉じない視点だ。作者であるとは、自分で音を作ることだけなのか。それとも、評価の予想から離れて選ぶ時間を持つことも含むのか。マドンナが語った静けさは、懐古的な風景にとどまらず、数字で捉えにくい制作環境を言葉にする手がかりになっている。

## 要するに

- マドンナは、AIとアルゴリズムだけに沿った制作ではリスクを取れないと語った。
- 創作を支えるものとして挙げたのは、異分野の作り手との交流と、評価から離れる時間だった。
- この発言には、AI論を作品の生成から制作環境へ広げる視点がある。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Digital Music News「Madonna Calls AI ‘the Complete Opposite of Making Art’」 (2026-06-29) https://www.digitalmusicnews.com/2026/06/28/madonna-ai-algorithm-commentary/
   > "Working only in terms of algorithms and artificial intelligence doesn’t allow you to take risks, which is the complete opposite of making art"
   > 訳: アルゴリズムと人工知能だけを基準に制作していては、リスクを取れない。それは芸術を作ることとは正反対だ。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **ストリーミング** / Music streaming: ネットワーク経由で音源を受信しながら再生する提供方式。音楽市場では有料契約や広告などに支えられるが、市場収入と個々のアーティストの受取額は同じ指標ではない。 https://andown.space/glossary/music-streaming/
- **音楽制作**（おんがくせいさく） / Music production: 曲の発想を、演奏、録音、編集などを通して聴ける形にまとめる活動。教育では、演奏技能に限らず、音を選び組み立てて表現する学びも含み得る。 https://andown.space/glossary/music-production/
- **作家性**（さっかせい） / Authorship: 作品を誰の表現として捉えるか、作者の意図や選択がどこに現れるかを考える概念。個性的な画風だけでなく、制作の方法や主体の位置にも関わる。 https://andown.space/glossary/authorship/
- **生成AI**（せいせいエーアイ） / Generative AI: 学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。 https://andown.space/glossary/generative-ai/

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