# 英国の偽造レコード事件が映す、フィジカル回帰の影

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/man-jailed-for-selling-3-6-million-in-counterfeit-taylor-swift-rihanna-v/
- 公開日: 2026.09.21 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: 兆しの初動（数ヶ月〜1年）
- テーマ: フィジカル回帰（https://andown.space/topics/physical-comeback/）
- フック: 音を持つ喜びと、盤の出どころ

> 英国で偽造レコードを製造・販売していた男に、禁錮3年6か月の判決が下った。倉庫から見つかったのは、108組のアーティストにまたがる1万5000枚の無許諾盤。フィジカルの復調を背景に、作品をモノとして買う需要が、正規の流通だけでなく偽造市場にも取り込まれているという問題が浮かぶ。

## 盤を求める熱の、もうひとつの行き先

レコードを買う人が戻ってくる。その需要を受け止めるのは、正規の販売者だけではない。英国で9月21日、無許諾のレコードを製造・販売していたレハン・アーメドに、禁錮3年6か月の判決が下った。翌22日付のPitchforkが伝えている。フィジカルの復調と、その外側で利益を得る偽造市場。その接点が見える事件である。

2024年、警察がPhoenix of Vinylの倉庫を捜索し、発見したのは1万5000枚のブートレグ盤だった。対象は108組。テイラー・スウィフト、リアーナ、ビートルズなどのアルバムが含まれていた。ひとりの人気歌手に便乗しただけではなく、複数のアーティストの作品を扱う製造・販売だったことが、この数字から分かる。

兆しは、偽造品の存在そのものではない。音楽を手元に置くための需要が戻る局面で、その需要がどの経路に流れ、誰の収入になるのかという問題だ。盤が製造され、買われたという事実だけでは、作品の作り手に還元される取引だったとはいえない。

## 7年間の製造と、274万ポンド超の売上

報道によると、アーメドは捜索までの7年間、無許諾盤を製造していた。偽造品の売上総額は274万3000ポンド。2017年には製造・販売の停止を求める法的命令を受けていたが、その後も続けていたという。のちに、アーティストの著作権侵害と、犯罪に由来する財産の取得・使用について有罪を認めた。

この金額は、購入者が支払った偽造品の売上である。正規盤の販売で失われた収入や、アーティストが受け取るはずだった金額と、そのまま同一視はできない。また、1万5000枚は捜索で見つかった数量であり、7年間に製造した総数ではない。事件の規模を示す数字と、市場全体への影響を示す数字は、分けて読む必要がある。

英国のレコード業界団体BPIでコンテンツ保護を担うピーター・ラトクリフは、フィジカルの復調とともに、犯罪者が作り手やファンを犠牲に利益を得る偽造レコード市場も拡大していると述べた。ただし、記事には市場全体の規模や増加率は示されていない。成長の指摘は業界団体の見解であり、この事件だけで市場の広がりを測ることはできない。

## 回帰の先で問われる、売上の中身

この時点から先の数年を考えると、注目点はレコードの販売枚数だけではなくなる可能性がある。買われた盤が許諾を得て製造されたものか。支払われた代金が正規の音楽経済に入るのか。フィジカル回帰を評価する際に、流通の正当性まで含めて見る視点である。今回の判決は、その論点を具体的な数量と金額で可視化した。

一方、記事からは、購入者が偽造品と知って買ったのか、正規盤だと信じていたのかは分からない。価格、包装、販売経路の詳細も示されていない。したがって、安さを求める需要が原因だったとも、見分けにくい商品が広く流通していたとも断定できない。今後の広がりを読むには、製造の摘発に加え、購入に至る経路の情報が必要になる。

少なくとも、2017年の停止命令だけでは製造は止まらなかった。需要があることと、それを正規の取引につなげられることは別の課題だったのである。この一件が示すのは、盤の復調を支える仕組みに、製造や販売の出どころを確かめる役割も含まれるということだ。

## 日本から見る、モノの価値と許諾

日本から読む際、まず留保したいのは地域差である。この報道が扱うのは英国の製造拠点と刑事事件であり、日本で同じ規模の偽造市場があることを示す資料ではない。国内との市場規模や流通構造の違いも、この記事だけでは比較できない。英国の数字を、そのまま日本の実態に重ねることはできない。

それでも、音楽をモノとして所有する価値と、そのモノを作り販売する許諾は別だという論点は共有できる。手元に残る盤が増えることと、作り手に収入が届くこと。その間をつなぐのは、購入という行為だけではなく、製造と流通の経路でもある。フィジカル回帰の光を捉えるには、売れた枚数の内側にも目を向ける余地がある。

## 要するに

- 英国で、7年間にわたり無許諾盤を製造した男に禁錮3年6か月の判決が下った。
- BPIはフィジカルの復調とともに偽造市場も拡大していると指摘した。
- 盤が買われることと、作り手へ収入が届くことの間にある流通の問題が見えた。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Pitchfork「Man Jailed for Selling $3.6 Million in Counterfeit Taylor Swift, Rihanna Vinyl」 (2026-09-22) https://pitchfork.com/story/man-jailed-for-selling-counterfeit-records-taylor-swift-rihanna-records/
   > "With music on physical formats enjoying a resurgence, the market in counterfeit records has unfortunately also been growing as criminals cash in at the expense of creators and fans."
   > 訳: フィジカル形式の音楽が復調するなか、残念ながら偽造レコードの市場も拡大している。犯罪者が作り手やファンを犠牲に利益を得ているためだ。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **フィジカル** / Physical release: レコードやCDなど、物理的な媒体で発売される音楽商品を指す言葉。音源に加えて装丁や手に取る体験を持ち、店頭販売や収集とも関わる。 https://andown.space/glossary/physical-release/
- **ブートレグ** / Bootleg: 権利者などの許諾を得ずに製造・流通する録音物を指す言葉。未発表のライブ音源などにも用いられ、正規品を装う偽造品と常に同じ意味になるわけではない。 https://andown.space/glossary/bootleg/
- **著作権侵害**（ちょさくけんしんがい） / Copyright infringement: 著作権で保護される表現を、許諾や法律上の根拠なく利用して権利を侵すこと。音楽では歌詞や旋律などが問題となり、似ているという印象だけで直ちに成立するわけではない。 https://andown.space/glossary/copyright-infringement/

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