# 音楽出版社がAnthropicを再提訴、争点は学習データの入手経路

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/music-publishers-file-new-anthropic-lawsuit-adding-in-piracy-claims-and/
- 公開日: 2026.01.29 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: AI生成音楽（https://andown.space/topics/generative-music/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 生成の手前にある複製の責任

> Universal Music Publishing、Concord、ABKCOが、Anthropicに新たな訴訟を起こした。海賊版サイトからの取得を主張する対象は2万曲超、法定損害賠償の上限に基づく計算は30億ドルを超える。2026年1月29日時点で見えていたのは、AI学習の是非だけでなく、その材料をどう入手したかを問う争点の広がりだ。

## 生成された歌詞から、取得された複製へ

2026年1月29日、Universal Music Publishing、Concord、ABKCOが、米カリフォルニア州の裁判所にAnthropicを相手取る新たな訴訟を起こした。翌30日付のCMUによれば、3社は、同社がClaudeの学習用データを集める際、海賊版サイトから自社管理楽曲の複製を取得したと主張している。対象として挙げたのは2万517曲だ。

ここで目を向けたいのは、AIが何を出力したかだけではない。出力に至る前、作品をどこから、どのように集めたのか。生成AIをめぐる音楽の権利紛争で、学習という利用目的と、その材料の入手経路を分けて問う動きが具体化している。

3社はすでに2023年10月、無許諾の学習用複製と、既存曲と同一または酷似した歌詞の出力を問題にしていた。今回の提訴は、その訴えに海賊版取得の主張を加えようとした変更が認められなかったため、別件として起こされたものだ。新たな主張が事実として認定されたわけではない。

## 30億ドルを超える計算の背景

請求規模を押し上げるのは、米国の法定損害賠償の仕組みである。CMUは、著作権侵害について最大15万ドルという額を2万517曲に掛け、30億7755万ドルと算出している。これは上限を用いた計算であり、裁判所が認めた賠償額でも、支払いが確定した額でもない。

争点が入手経路へ向かった背景には、別の書籍著者らとAnthropicの訴訟がある。CMUによれば、その事件の判事は、適法に入手した作品によるAI学習をフェアユースと認める一方、海賊版サイトからの電子書籍取得は同じようには認めなかった。中古の本を購入してスキャンした場合と、海賊版をダウンロードした場合が区別されたのである。

Anthropicは音楽出版社との従来の訴訟でも、学習時の複製はフェアユースであり、許諾は不要だと主張していた。だが書籍訴訟の判断は、学習という目的が認められても、そこへ至るすべての取得行為まで正当化されるとは限らない、という別の問いを浮かび上がらせた。これは当該事件についての報道であり、AI学習全般の結論ではない。

出版社側は、最初の訴訟の証拠開示で、Anthropicが大量の書籍を海賊版サイトから取得した事実を隠していたとも主張する。その中には出版社の楽曲を含む書籍があったという。音源ファイルの取得だけを想像すると、この訴えの輪郭は見えにくい。書籍を経由して歌詞や楽曲の権利が問題になる点も、この事件の特徴だ。

## 入手経路と出力防止、二つの問いが残る

今後1〜3年をこの時点から見通すと、注目点の一つは、同様の主張が他の音楽出版社へ広がるかどうかである。CMUは、今回の対象が3社の管理楽曲に限られ、Sony Music Publishingは参加していないと指摘する。他社が同種の訴えを起こせば請求総額が増える可能性はあるが、その参加や結果は、この時点では分からない。

もう一つは、出力を抑える対策と、学習データの取得をめぐる責任が、別々に検証され得ることだ。Anthropicは従来、既存歌詞の出力には特定の入力が必要で、防止策も加えたと説明していた。対して出版社側は、新たな訴状で、なお歌詞が出力され、防止策も容易に回避できると主張する。双方の説明には隔たりがある。

仮に出力防止が機能しても、それだけで過去のデータ取得をめぐる争いが解消するとは限らない。逆に、取得の適法性だけで出力の問題が片付くわけでもない。CMUは、巨額賠償のリスクを背景に、出版社側が和解交渉を期待しているのではないかと見る。ただし、これは同媒体の推測であり、交渉や合意が確認されたという話ではない。

## 日本から見ると、同じ問いと異なる制度

日本から読む際は、米国のフェアユースや法定損害賠償を、そのまま日本での結論として受け取らないことが大切になる。この報道には、日本法の適用や国内の事業者についての検証は含まれていない。とりわけ30億ドル超という数字は、米国の制度と出版社側が示した対象曲数を組み合わせたものだ。

その違いを踏まえても、読み取れる兆しはある。音楽をめぐるAIの議論は、生成物が既存作品に似ているかという出口だけでなく、学習材料がどこから来たかという入口にも向かっている。2026年1月29日時点で現れたのは、AI学習を一括して論じるのではなく、取得、学習、出力を分けて責任を問う訴訟の動きである。

## 要するに

- 音楽出版社3社は、2万517曲の海賊版取得を主張してAnthropicを新たに提訴した。
- 書籍訴訟での判断を背景に、学習目的とデータの入手経路を分けて問う争点が浮上した。
- 30億ドル超は上限に基づく計算であり、侵害の認定や賠償額の確定を意味しない。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] CMU（Complete Music Update）「Music publishers file new Anthropic lawsuit, adding in piracy claims and $3 billion mega」 (2026-01-30) https://completemusicupdate.com/music-publishers-file-new-anthropic-lawsuit-adding-in-piracy-claims-and-3-billion-mega-damages/
   > "In that case, the judge concluded that AI training was indeed fair use, but only if the AI company sourced legitimate copies of copyright protected works to start with."
   > 訳: その事件で判事は、AI学習は確かにフェアユースに当たるが、それはAI企業が、まず著作権で保護された作品の適法な複製を入手していた場合に限ると結論づけた。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **フェアユース** / Fair Use: 米国著作権法で、利用の目的や性質などに照らし、権利者の許諾なしでも著作物の利用が認められる場合があるという原則。AI学習への適用は争われている。 https://andown.space/glossary/fair-use/
- **音楽出版**（おんがくしゅっぱん） / Music publishing: 歌詞やメロディーなど楽曲の著作権を管理し、利用の許諾や収益につなげる事業。特定の録音物を扱う権利とは区別され、契約によって管理や保有の範囲が異なる。 https://andown.space/glossary/music-publishing/
- **学習データ**（がくしゅうデータ） / Training Data: AIがパターンや特徴を学ぶために使うデータ。音楽では楽曲や音声などが対象になり得るが、個別サービスの収集内容や利用条件は、開示資料などによる確認が必要となる。 https://andown.space/glossary/training-data/
- **証拠開示**（しょうこかいじ） / Discovery: 訴訟に関係する資料や情報を当事者間で取得・提示する手続き。米国の民事訴訟では、相手方が保有する記録や証言を得て、争点を検証する重要な過程となる。 https://andown.space/glossary/discovery/
- **生成AI**（せいせいエーアイ） / Generative AI: 学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。 https://andown.space/glossary/generative-ai/
- **著作権侵害**（ちょさくけんしんがい） / Copyright infringement: 著作権で保護される表現を、許諾や法律上の根拠なく利用して権利を侵すこと。音楽では歌詞や旋律などが問題となり、似ているという印象だけで直ちに成立するわけではない。 https://andown.space/glossary/copyright-infringement/
- **法定損害賠償**（ほうていそんがいばいしょう） / Statutory damages: 実際の損害額の立証とは別に、法律で定めた枠組みに基づいて求める損害賠償。訴状に示された可能額は、裁判所が認めた支払額や和解金とは異なる。 https://andown.space/glossary/statutory-damages/
- **和解交渉**（わかいこうしょう） / Settlement negotiations: 訴訟などの紛争を、当事者間の合意によって解決するための話し合い。交渉の報道は合意成立を意味せず、条件次第で競争上の問題への対応も異なる。 https://andown.space/glossary/settlement-negotiations/

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