# 独レコード工場、プレス工程で天然ガスと石油を使わない製造へ

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/optimal-media-verzichtet-auf-fossile-energietrager/
- 公開日: 2026.10.20 / 更新 2026.10.20
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: フィジカル回帰（https://andown.space/topics/physical-comeback/）
- フック: 盤の素材から、熱のつくり方へ

> ドイツのoptimal mediaが、再生可能エネルギー由来の電力と電気でつくる蒸気を組み合わせ、プレス工程で天然ガスや石油を使わないレコード製造を発表した。バイオ由来の素材も採用し、従来のPVC製レコードの世界平均よりCO2負荷が約72%低いと説明する。盤の環境対応が、素材だけでなく製造時の熱にも及んでいる。

## レコードを押す熱も、電気でつくる

レコードの環境負荷を考えるとき、盤そのものの素材だけでは見えない部分がある。製造に使う熱だ。ドイツのoptimal mediaは、蒸気生成の技術開発によって、天然ガスや石油をプレス工程に使わずにレコードを製造できるようになったと発表した。Musikwocheが同社の説明を伝えている。

同社が「eVinyl」と呼ぶ製造方式は、バイオ由来のPVCと、電気で生成する蒸気を組み合わせる。蒸気生成とプレス工程の双方に、再生可能エネルギー由来の電力を100%使用するという。素材の置き換えと、熱源の置き換え。その両方を一つの製造方式として示した点に、今回の兆しがある。

ただし、化石燃料を使わないという説明の対象には注意が要る。経営責任者の発言が具体的に挙げているのはプレス工程だ。原料の調達から完成品の輸送まで、すべての段階で化石燃料が不要になったと、この記事から読み取ることはできない。

## 「約72%減」の範囲を読む

Edel傘下の同社は、持続可能性を企業戦略の中心に据え、技術投資によってエネルギー消費、材料使用、排出を段階的に減らしてきたと説明する。記事によれば、すでに年初には、プレス工場、印刷事業、配送・倉庫物流で使う電力を、すべて再生可能エネルギー由来に切り替えていた。今回の蒸気生成の電化は、その先に位置する変更である。

電力の調達先を変えることと、熱を生む設備を変えることは、同じではない。発表はその二つを分けている。先に電力を切り替え、続いて蒸気のつくり方を変える。製造の環境対応が、一つの素材や設備だけで完結せず、工程をまたいで進められていることがわかる。

同社によると、この方式のカーボンフットプリントは、従来のPVC製レコードの世界平均と比べて約72%低い。ただし、出典記事には算定範囲、比較に用いたデータ、第三者検証の有無は示されていない。この数字は同社の説明として受け止める必要があり、すべての工場や製品で同じ削減率になることを意味しない。

経営責任者のJörg Hahnは、こうしたプレス工程を提供する工場として「世界初」とも述べている。これも企業側の主張である。一方、色や効果については、未使用原料による従来のレコードと同様の品質で、すべての選択肢を提供すると説明している。環境対応と盤の外観を、二者択一にしないという提案だ。

## 次の数年、製造条件も盤の情報になる

今後1〜3年の広がりを考えるうえで注目されるのは、レコードを「何でつくるか」に加え、「何を使って熱をつくるか」が製造条件として語られ始めたことだ。今回の発表では、素材、蒸気、電力がひとまとまりで説明されている。フィジカルをつくる工程そのものが、製品を説明する情報になっている。

この方式が他の工場へ広がるか、発注する側の選択にどこまで影響するかは、まだわからない。出典には製造能力、価格、導入費用、受注状況がないためだ。それでも、素材の名称だけでなく、熱源や電力まで比較する見方が広がる可能性はある。その際には、削減率の大きさとともに、何をどこまで測った数字なのかも問われる。

## 日本から見る、盤の向こうの工場

日本のレコード製造との設備や電力調達の違いは、この出典だけでは比較できない。ドイツの一社の発表を、そのまま日本の工場にも当てはまる変化として扱うことはできない。ただ、日本で盤を選ぶ側からも、完成品の素材と、その製造に使われるエネルギーを分けて捉える視点は読み取れる。

今回見えてきたのは、物としての音楽を残しながら、その製造方法を変える動きである。色や効果の選択肢を保つという説明と、熱源を切り替えるという説明が並ぶ。フィジカルの価値を盤面だけで語るのではなく、盤を生む工程にも目を向ける。そのための具体的な事例が、一つ示された。

## 要するに

- optimal mediaは、バイオ由来のPVCと電気でつくる蒸気を組み合わせたレコード製造を発表した。
- 約72%のCO2負荷削減は同社の説明であり、出典には算定範囲や検証方法の記載がない。
- レコードの環境対応が、素材の選択から製造時の熱源にまで及んでいる。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Musikwoche「optimal media verzichtet auf fossile Energieträger」 (Mon, 19 Oc) https://musikwoche.de/recorded-publishing/optimal-media-verzichtet-auf-fossile-energietraeger/
   > "Als weltweit erstes Presswerk bieten wir die Möglichkeit, Schallplatten ohne Einsatz von Erdgas oder Erdöl im Pressprozess herzustellen. Dafür kombinieren wir biobasiertes PVC mit elektrisch erzeugtem Dampf."
   > 訳: 私たちは世界初のプレス工場として、プレス工程で天然ガスや石油を使わずにレコードを製造する選択肢を提供する。そのために、バイオ由来のPVCと電気で生成した蒸気を組み合わせている。
   確認日: 2026-10-20

## 用語

- **PVC** / Polyvinyl chloride: ポリ塩化ビニルの略称で、レコードの材料に用いられる樹脂。回収した盤を材料に戻せば未使用樹脂の投入を減らせるが、再処理にも資源やエネルギーを要する。 https://andown.space/glossary/polyvinyl-chloride/
- **フィジカル** / Physical release: レコードやCDなど、物理的な媒体で発売される音楽商品を指す言葉。音源に加えて装丁や手に取る体験を持ち、店頭販売や収集とも関わる。 https://andown.space/glossary/physical-release/

---
この記事の写真は出典記事の空気感をもとに AI で生成したイメージです。引用の際は上記の出典を一次資料として参照してください。
