# ゲーム収録とは別の音楽権利、英国PRSがSteam提訴

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/prs-sues-gaming-platform-giant-steam-for-copyright-infringement/
- 公開日: 2026.03.09 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: 音楽×ゲーム（https://andown.space/topics/music-x-gaming/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 遊びを届ける経路にも音楽の権利

> ゲームに楽曲を収録する許可と、そのゲームをダウンロードで届ける許可は同じではない。英国の音楽著作権管理団体PRSがSteamを提訴した背景には、権利を分けて管理する英国の仕組みがある。2026年3月の報道に見えるのは、ゲーム配信基盤にも音楽利用の責任を問う動きだ。

## ゲームに入れる許可、その先の許可

ゲームのために音楽の使用許可を得ても、そのゲームを届ける段階の権利まで処理できているとは限らない。2026年3月10日付のCMUが報じた英国PRSによるSteamへの提訴は、この境界を争点としている。対象はゲーム内の楽曲選びではなく、音楽を含むゲームを配信する基盤だ。

PRSは、米Valve Corporationが運営するSteamについて、会員の楽曲を含むゲームを提供するために必要なライセンスを取得していないと主張する。法的書面によれば、PRSは長年にわたり許諾に向けて働きかけたが、Valveから適切な対応を得られなかったという。著作権侵害が確定したという報道ではなく、管理団体側が訴えを起こした段階の話である。

ここにある兆しは、ゲーム会社による楽曲の使用許諾だけでは、配信経路全体の権利処理を説明できないという問題の表面化だ。作品をつくる契約と、作品を利用者へ届ける契約。その間にある役割分担が問われている。

## 英国の権利分担と、巨大な売り場

CMUの説明では、英国で作詞家や作曲家がPRSに加入すると、演奏や公衆への伝達、利用可能化に関する権利を同団体へ譲渡する。その後に音楽出版社と契約する場合、出版社が扱うのは複製や頒布、翻案など、別の権利である。PRSは演奏権管理団体だが、その管理範囲は会場で音楽を演奏する場面だけではない。

音楽をゲームに組み込む行為は、映像作品への使用と同様にシンクとして扱われる。ゲーム会社が音楽出版社と結ぶこの契約では、楽曲を複製して収録する許可を得る。一方、完成したゲームをダウンロードやストリーミングで提供する際には、別の「利用可能化」の権利が関わる。記事によれば、この部分は出版社ではなくPRSが管理している。

つまり、収録時に料金を支払ったことと、配信時に必要な権利が許諾されていることは別問題だ。CMUは『EA SPORTS FC』『Forza Horizon』『Grand Theft Auto』を説明の例に挙げている。ただし、記事には個々の契約条件や請求額は示されておらず、すべてのゲームについて同じ契約上の欠落が確認されたとまでは読めない。

この区別が大きな意味を持つのは、Steamの規模ゆえでもある。CMUはPCゲームの流通・販売市場で約75%を占め、月間アクティブユーザーが1億4700万人いると記す。利用者はゲームを購入して端末へダウンロードするほか、別の機器へのストリーミングやプレイのライブ配信もできる。PRSは、2003年のサービス開始以来、Valveは同団体が管理する権利の許諾を得ていないと主張している。

## 配信基盤との交渉はどこへ広がる

この時点から先の1〜3年を見るうえで焦点になるのは、ゲーム制作時の音楽契約と、配信サービス側の許諾をどう接続するかだ。PRSは過去分と今後の利用の双方を対象に必要な許諾を求め、Valveが前向きに協議して取得しない限り、訴訟を進めるとしている。争点は将来の配信だけでなく、すでに行われた利用にも及んでいる。

協議や訴訟を通じて配信側の負担範囲が具体化すれば、他のゲーム配信サービスでも契約の分担を確認する材料になる可能性がある。ただし、出典は合意や判決を伝えていない。新たな料金体系ができるとも、ゲーム会社の負担が一律に増えるとも、現段階では言えない。見えているのは、配信基盤も音楽の許諾交渉の相手となる動きだ。

## 日本から見る、国境と契約のずれ

日本から読む際に重要なのは、配信サービスの本拠地と、利用される地域の権利制度を分けることだ。CMUは、Valveが拠点を置く米国では、少なくとも音声ダウンロードの権利上の扱いが英国と異なり、音楽出版社の裁量も大きいと説明する。それでも、英国で提供されるサービスとPRS管理楽曲には、米国の仕組みをそのまま当てはめられないとしている。

出典は日本の制度や契約実務との比較までは示していないため、日本でも同じ許諾が必要だとは結論づけられない。読み取れるのは、世界共通に見えるゲームの売り場にも、地域ごとの権利管理が重なるということだ。音楽とゲームの接点は作品の中だけにない。その作品が届く経路にも、作り手への対価をめぐる交渉の場所がある。

## 要するに

- PRSは、楽曲を含むゲームの配信に必要な許諾がないとしてSteamを提訴した。
- 英国では、ゲームへの楽曲収録と配信時の利用可能化を、異なる主体が許諾する。
- 音楽とゲームの交渉は、制作契約だけでなく作品を届ける基盤にも及んでいる。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] CMU（Complete Music Update）「PRS sues gaming platform giant Steam for copyright infringement」 (2026-03-10) https://completemusicupdate.com/prs-sues-gaming-platform-giant-steam-for-copyright-infringement/
   > "However, when a game is made available to download or stream, that exploits the separate ‘making available’ element of the copyright."
   > 訳: しかし、ゲームをダウンロードやストリーミングで提供するときには、著作権のうち別の要素である「利用可能化」の権利を利用することになる。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **シンク** / Sync: 映画や広告などの映像に音楽を合わせて使用すること。楽曲が物語や場面と結びつき、発売時とは異なる観客へ届く接点になり得る。使用には関係する権利の確認が伴う。 https://andown.space/glossary/sync/
- **ストリーミング** / Music streaming: ネットワーク経由で音源を受信しながら再生する提供方式。音楽市場では有料契約や広告などに支えられるが、市場収入と個々のアーティストの受取額は同じ指標ではない。 https://andown.space/glossary/music-streaming/
- **ライセンス** / Licensing: 一定の条件のもとで利用を認めること。声や姿の複製では、誰が何に同意したのかが重要で、楽曲や録音を使う許可とは区別して考えられる。 https://andown.space/glossary/licensing/
- **ライブ配信** / Livestream: 公演などの映像と音声を、進行に合わせてインターネットで届ける方式。後日の見逃し視聴や映像の保存は別の条件であり、生中継だけでは保証されない。 https://andown.space/glossary/livestream/
- **演奏権管理団体**（えんそうけんかんりだんたい） / Performance Rights Organization: 楽曲の演奏や放送などに関わる権利を管理し、利用者から使用料を徴収して権利者へ分配する団体。PROと略され、扱う権利や利用の範囲は制度や団体によって異なる。 https://andown.space/glossary/performance-rights-organization/
- **音楽出版**（おんがくしゅっぱん） / Music publishing: 歌詞やメロディーなど楽曲の著作権を管理し、利用の許諾や収益につなげる事業。特定の録音物を扱う権利とは区別され、契約によって管理や保有の範囲が異なる。 https://andown.space/glossary/music-publishing/
- **著作権**（ちょさくけん） / Copyright: 楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。 https://andown.space/glossary/copyright/
- **著作権侵害**（ちょさくけんしんがい） / Copyright infringement: 著作権で保護される表現を、許諾や法律上の根拠なく利用して権利を侵すこと。音楽では歌詞や旋律などが問題となり、似ているという印象だけで直ちに成立するわけではない。 https://andown.space/glossary/copyright-infringement/

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