# ラウンド・ヒルのAI訴訟、学習用コピーの長期保有も争点に

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/round-hill-joins-the-ai-lawsuit-party-targets-suno-and-anthropic/
- 公開日: 2026.08.19 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: AI生成音楽（https://andown.space/topics/generative-music/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 学習の後も残る複製を問う

> 音楽権利事業者ラウンド・ヒルが、SunoとAnthropicを米国で提訴した。学習時の無断複製に加え、作品のコピーを期限なく保有することにも異議を唱えている。2026年8月19日時点で見えたのは、AI学習の是非だけでなく、素材の取得から保管までを問う著作権紛争の広がりだ。

## 学習する行為から、保有し続ける行為へ

AIは既存の音楽を学習できるのか。その問いの内側で、もう少し具体的な争点が浮かんでいる。学習のために集めた作品のコピーを、企業はいつまで、何のために持ち続けられるのか。ラウンド・ヒル・ミュージックによる新たな提訴は、学習の入口だけでなく、その後の保管にも焦点を当てている。

CMUの2026年8月19日付記事によると、同社は音楽生成AIのSunoと、Claudeを開発するAnthropicを米国で提訴した。中心にあるのは、同社が保有・管理する楽曲や録音を、モデルの学習用に無許諾で複製したという主張だ。Anthropicに対しては、歌詞を学習データに取り込む際の複製が問題にされている。いずれも提訴側の主張であり、今回の訴訟で違法性が確定したわけではない。

Sunoへの訴えでは、データ収集の道具を提供するイスラエル企業Bright Dataも被告に含まれた。Sunoが同社のツールを使い、YouTubeなどから数百万の録音を違法に収集した、というのがラウンド・ヒル側の説明である。モデルの開発企業だけでなく、素材を取得する経路まで訴えの対象に入った点が目を引く。

## 11億ドルの音楽権利事業者が加わる理由

ラウンド・ヒルは、11億ドル規模の音楽権利の資産群を運用すると説明する企業だ。権利を保有する投資ファンドの運営に加え、レーベルと音楽出版社として、それらの音楽の管理や収益化も担う。今回の提訴は、作品の利用許諾を事業とする側が、AI向けの利用も収益を還元すべき対象だと明確に位置づけたものと読める。

同社トップのジョシュ・グラスは、人工知能そのものに反対しているのではないと述べる。異議があるのは、他者の創作物を基盤に巨額の価値を持つ事業を築きながら、作り手には対価を払わないことだという。音楽を利用するためのライセンスは革新の障害ではなく、素材の正当な権利者を守る仕組みだ、という立場である。

ただし、訴訟と契約は単純な二者択一ではない。CMUによれば、Sunoはワーナー・ミュージックやBMGとライセンス契約を結ぶ一方、ユニバーサル・ミュージック、ソニー・ミュージック、独立系音楽家らとの訴訟を続けている。許諾を得た利用と、許諾が必要かどうかを争う利用が、同じ企業をめぐって並存している。

## 今後の焦点は、取得・保管・利用の切り分け

SunoとAnthropicは、AI学習は米国著作権法上のフェアユースに当たり、事前の許諾は不要だと主張している。CMUは、別のAI著作権訴訟の初期の判断には、学習がフェアユースになり得るとしたものがあるとも伝える。ただし、それがあらゆる学習方法や素材の扱いを認めるという意味ではない。

ラウンド・ヒルが強調するのは、無許諾のコピーの期限を定めない保有だ。将来の用途を限定せず、著作物を恒久的に蓄積する行為は、作品を別の目的へと変えることではなく、取得そのものを目的としている。同社はそう主張し、フェアユースによる正当化を争う構えである。これは裁判所の結論ではなく、同社が提示した論点だ。

この時点から今後数年を見渡すと、争いは「AI学習は適法か」という一括りの問いだけでは収まりにくい可能性がある。素材をどう入手したか、コピーをどれだけ保管するか、将来どの利用に回すか。これらを分けて検討する余地が、今回の訴えにはある。ライセンス交渉でも、学習を許す範囲と保有を許す範囲が別の条件になり得るが、その広がりはまだ見えていない。

## 日本から見ると、結論より問いの分け方

日本から読む際に留意したいのは、ここで争われているのが米国法上のフェアユースだという点である。その成否を、そのまま日本での適法・違法の判断に置き換えることはできない。また、出典記事には日本の制度や契約実務との比較はなく、両者の違いを測る材料までは示されていない。

それでも読み取れるのは、AIと音楽の関係を、生成された曲だけからは捉えきれないことだ。作品の取得、学習用コピーの保管、利用許諾と対価。その各段階に、別々の判断がある。8月19日時点で見えていたのは、AIへの賛否を越え、作品が事業の中でどう扱われ続けるのかを問う動きである。

## 要するに

- ラウンド・ヒルはSunoとAnthropicを提訴し、無許諾の学習用複製を問題にした。
- 訴えは、コピーの期限を定めない保有や、素材を取得する経路にも及んでいる。
- AI学習をめぐる争いの中で、取得・保管・利用許諾を分けて問う動きが見えている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] CMU（Complete Music Update）「Round Hill joins the AI lawsuit party, targets Suno and Anthropic」 (2026-08-19) https://completemusicupdate.com/round-hill-joins-the-ai-lawsuit-party-targets-suno-and-anthropic/
   > "we are against the idea that you can build a business worth billions on top of other people’s creative work and pay the creators nothing"
   > 訳: 私たちが反対しているのは、他者の創作物を土台に数十億規模の価値を持つ事業を築きながら、作り手には何も支払わなくてよいという考え方だ。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **フェアユース** / Fair Use: 米国著作権法で、利用の目的や性質などに照らし、権利者の許諾なしでも著作物の利用が認められる場合があるという原則。AI学習への適用は争われている。 https://andown.space/glossary/fair-use/
- **ライセンス** / Licensing: 一定の条件のもとで利用を認めること。声や姿の複製では、誰が何に同意したのかが重要で、楽曲や録音を使う許可とは区別して考えられる。 https://andown.space/glossary/licensing/
- **音楽出版**（おんがくしゅっぱん） / Music publishing: 歌詞やメロディーなど楽曲の著作権を管理し、利用の許諾や収益につなげる事業。特定の録音物を扱う権利とは区別され、契約によって管理や保有の範囲が異なる。 https://andown.space/glossary/music-publishing/
- **学習データ**（がくしゅうデータ） / Training Data: AIがパターンや特徴を学ぶために使うデータ。音楽では楽曲や音声などが対象になり得るが、個別サービスの収集内容や利用条件は、開示資料などによる確認が必要となる。 https://andown.space/glossary/training-data/
- **生成AI**（せいせいエーアイ） / Generative AI: 学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。 https://andown.space/glossary/generative-ai/
- **著作権**（ちょさくけん） / Copyright: 楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。 https://andown.space/glossary/copyright/

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