# 各10億再生のヒット曲でも、ロクセット北米公演は撤回

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/roxette-cancels-north-american-tour-citing-huge-costs/
- 公開日: 2026.07.26 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: 兆しの初動（数ヶ月〜1年）
- テーマ: サステナブル・ツアー（https://andown.space/topics/sustainable-touring/）、ライブ・ブーム（https://andown.space/topics/live-boom/）
- フック: 聴かれる場所と、演奏できる場所

> ロクセットの代表曲がYouTubeとSpotifyでそれぞれ10億再生に達する一方、北米ツアーは実施を見送られた。理由として示されたのは物流とツアー費用の大幅な上昇だ。2026年7月下旬に見えていたのは、配信での人気と、その市場へ演奏を届ける採算が、必ずしも重ならないという隔たりである。

## 最大の配信市場で、舞台が遠のく

曲が届いている場所に、演奏者が行けるとは限らない。2026年7月下旬、ロクセットの結成40周年ツアーは北米の全日程が実施見送りとなった。Digital Music Newsは「中止」と報じたが、バンドの声明は「延期」と表現している。チケット購入者には払い戻しが行われる予定だ。振替日程は、同記事では示されていない。

その直前、1990年のヒット曲「It Must Have Been Love」がYouTubeで10億再生に到達した。Spotifyでも同年3月に同じ節目を越えている。共同フロントマンのペール・ゲッスルによれば、米国はバンドにとって群を抜いて大きいストリーミング市場だ。その市場で、公演を組む難しさが表に出た。

兆しは、過去のヒットに需要がなくなったことではない。録音を聴く行動と、特定の日時・会場へ人を集める興行との間にある距離だ。再生の大きさが可視化されても、それだけで移動と上演の費用を支えられるわけではない。今回の判断は、その隔たりを具体的な日程の撤回として示している。

## 費用の説明と、明かされない計算

計画されていたのは、米国とカナダの屋外劇場を巡る公演だった。ロクセットを主役に、ニック・ロウとテイラー・デインも出演する組み合わせである。9月10日にミシガン州で始まり、10月5日にロサンゼルスのグリーク・シアターを経て、10月9日にワシントン州で終える予定だった。

バンドの声明は、物流上の事情とツアー費用の大幅な上昇を理由に、Live Nation USが延期を決めたと説明する。ゲッスルも、決定はLive Nation USAによるものだと述べた。ただし「同社自身の計算に基づいたのだろう」という部分は、本人の推測である。費用の内訳や販売枚数、採算が取れる条件は記事にない。

出演者を組み合わせた公演でも実施に至らなかった事実は重い。一方で、売れ行きが悪かったと断定する根拠もない。元のリード歌手マリー・フレデリクソンは2019年に亡くなり、ゲッスルは前年、レーナ・フィリップソンを迎えて活動を再開した。記事には編成の変化を理由に購入を控えたファンの声もあるが、それが販売全体をどれほど左右したかは不明だ。

## 活動停止ではなく、地域ごとの成立条件

北米での見送りは、バンドの巡回活動すべての停止を意味しない。同じ記事によれば、ロクセットは直前にオーストリアとチェコで演奏し、夏の終わりまで欧州各地の予定を残していた。ある地域では舞台が続き、別の地域では実施が難しくなる。人気の有無だけでは説明しきれない、地域ごとの成立条件が見える。

ここで焦点になるのが、都市と会場をどの順に結ぶかというツアー・ルーティングだ。今回の記事だけでは、移動距離や会場規模を変更すれば北米公演が成立したかは分からない。それでも今後数年を考えるうえでは、配信での人気の分布と、実際に組める公演経路とを分けて見る必要性が浮かぶ。

この事例が他の出演者にも広がるかどうかは、まだ判断できない。ただ、今回のように地域単位で日程が見送られるなら、世界的な認知と各地での上演可能性は、別々に確かめられていく可能性がある。サステナブル・ツアーの論点も、環境負荷だけでなく費用面で活動を続けられるかに及ぶ。なお、今回の見送り理由として気候対策が挙げられたわけではない。

## 日本から見ると、払い戻しの外側

日本からこのニュースを読む際、米国が最大の配信市場だという説明は、そのまま日本公演の可能性を示すものではない。この記事には日本の販売状況や渡航費の比較はない。読み取れるのは、配信の数字を、来場需要や開催可能性と同じものとして扱えないという点である。

もう一つは観客移動の負担だ。記事には海外から訪れる予定だったファンや、払い戻し不可の航空券を購入済みだった人の声がある。チケットの返金と、旅費の回収は別問題である。日本から海外公演へ向かう場合にも重なる構図だが、今回の観客の居住国は特定されていない。舞台を続けられる条件は、主催者や出演者の計算だけでなく、観客が引き受ける移動の費用にもつながっている。

## 要するに

- 代表曲が各サービスで10億再生に達しても、北米公演は物流と費用増を理由に見送られた。
- 欧州の公演予定は残り、活動の成立条件が地域によって異なる姿が見えた。
- チケット払い戻しの外側には、航空券など観客が負担した移動費が残っている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Digital Music News「Roxette Cancels North American Tour, Citing Huge Costs」 (2026-07-27) https://www.digitalmusicnews.com/2026/07/26/roxette-north-american-tour-canceled/
   > "This decision was made by Live Nation USA, which they probably based on their own calculations."
   > 訳: この決定はLive Nation USAによるもので、おそらく同社自身の計算に基づいたのだろう。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **サステナブル・ツアー** / Sustainable touring: 移動や公演運営の環境負荷と、費用・時間・働き方などの継続条件を合わせて考えるツアーのあり方。鉄道利用はその一つの方法であり、それだけで持続可能性が決まるわけではない。 https://andown.space/glossary/sustainable-touring/
- **ストリーミング** / Music streaming: ネットワーク経由で音源を受信しながら再生する提供方式。音楽市場では有料契約や広告などに支えられるが、市場収入と個々のアーティストの受取額は同じ指標ではない。 https://andown.space/glossary/music-streaming/
- **ツアー・ルーティング** / Tour routing: ツアーで訪れる地域、会場、日程や移動経路を組み立てること。記事では、配信の人気だけでなく、販売実績や価格、演出費用を踏まえた会場選びとして語られる。 https://andown.space/glossary/tour-routing/
- **観客移動**（かんきゃくいどう） / Audience travel: 観客が公演やフェスの会場へ向かい、帰るまでの移動。環境負荷の分析では、会場内の電力などとは別に、交通手段や移動距離に伴う排出を捉える。 https://andown.space/glossary/audience-travel/

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