# 実在の演奏家を立体で残す、Soapboxの音楽体験

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/soapbox-talks-music-holograms-and-artists-the-glasses-will-change-the-ga/
- 公開日: 2026.09.03 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: バーチャル・アーティスト（https://andown.space/topics/virtual-artists/）
- フック: つくられた人物ではなく、その人を

> 音楽家の演奏や語りを立体映像にし、自宅や教室へ届けるSoapbox。140組を超えるアーティストを撮影し、教育機関にも提供している。2026年9月3日時点で見えていたのは、架空の人物を生む方向とは異なる仮想音楽体験だ。実在する人の技法を保存し、新たな視聴形式として届ける試みを追う。

## 仮想空間に置くのは、実在する身体

部屋に現れる音楽家は、架空のキャラクターではない。実在する人の演奏と語りを、立体のまま持ち込む。2026年9月3日、Music Allyが紹介したSoapboxは、そんな音楽体験を販売している。兆しは、仮想的な存在を新しくつくることより、実在する人との距離を映像で縮めようとしている点にある。

同社はボリュメトリックビデオという立体映像技術でアーティストを撮影し、同社が「等身大のホログラム」と呼ぶ姿に変える。視聴者は仮想現実や拡張現実の環境で、その演奏を自宅にいるような距離から見られる。最初の製品はMeta Quest向けアプリだ。

撮影済みのアーティストは140組超。T-Painやバディ・ガイも含まれる。収録するのは、装飾を抑えた親密な演奏だけではない。インタビューや技法の実演もある。共同創業者のケヴィン・セラーズは、ラルフ・ジョンソンのドラム練習を例に、映像の身体と自分の腕を重ねるようにして動きを追えると説明している。

## 普及を待つ機器、先に動く教室

出発点は、録音エンジニアだったケヴィンの経験だ。スタジオでは、アーティストの技法や個性を間近で見られる。その限られた体験を広く届けられないか。拡張現実を探っていた兄弟のライアンと事業を始めた。大きな舞台を再現するというより、制作や演奏の現場にある近さを取り出す発想である。

Music Allyは、音楽分野の仮想現実や拡張現実には過去にも工夫のある試みがあった一方、業界を変える収益源や持続的な事業には結びつかなかったと整理する。Soapboxも機器の制約から自由ではない。ケヴィン自身、現在のヘッドセットはゲーム用途が中心で、装着時の見た目も障壁だと認めている。

ただし、用途は家庭の娯楽に閉じていない。授業向けの実演やインタビューは、米国の4州と欧州でも少なくとも1か所の高校・大学で使われているという。同社によれば、利用者は180か国超に広がり、有料ダウンロードや継続課金に加え、学校や図書館などとの商用契約もある。

すべての大手レーベルとの契約や、大手音楽出版社との包括的な合意もあるとする。一方、記事は売上額や有料会員数を示していない。国の数は広がりを示すが、収益の厚みまでは分からない。確認できるのは、新しい形式の音楽に対価を払う利用者と、教育用途の契約が存在するという段階だ。

## 生成より保存へ、広がりの条件

Soapboxは生成AIもコンピューター生成の映像も使わず、実在する人を撮影すると説明する。ケヴィンは、AIコンテンツの増加によって人間との真正なつながりを求める動きが強まると考えている。ただし、それは同社の見立てだ。人を撮るという制作方針と、それが市場の需要になるかどうかは分けて捉えたい。

この時点から先の1〜3年を見るなら、焦点は映像を届ける機器と場所にある。同社はスマートグラスへの展開を見据え、モバイルアプリを含む新端末向けの提供や、大手テクノロジー企業・音楽企業との協業を進めている。眼鏡型の機器が使いやすくなれば、自宅での視聴が広がる可能性はある。ただし、記事の時点では計画と期待である。

スマートグラスには、撮影機能をめぐるプライバシーへの懸念もある。Soapboxは、用途を事前収録したアーティスト映像の再生だと説明する。端末全体への不信と、個別の使い方の価値は別の問題だ。教育現場での利用が続くか、機器をまたいで映像を届けられるか、権利者への新しい支払い方を形にできるか。広がりを測る材料は、その具体化にある。

## 日本から見ると、誰を残す技術なのか

日本からこの事例を読む際、架空の歌手を動かす表現と、実在の演奏家を撮影して残す仕組みを、同じ「バーチャル」で括らないことが理解の手がかりになる。この記事には日本の導入状況や契約条件は示されておらず、米欧の教育利用をそのまま国内へ重ねることはできない。

それでも、演奏の記録を鑑賞だけでなく、身体の動きを学ぶ教材にもするという設計は読み取れる。残そうとしているのは曲だけではない。音を生む手つき、その人の語り、演奏の不完全さまで含む姿である。実在の人を新しい形式で保存し、そこに対価が生まれるかを試す。仮想音楽体験の、もうひとつの方向だ。

## 要するに

- Soapboxは140組超の実在するアーティストを撮影し、立体映像として提供している。
- 家庭向けの販売と並び、米欧の教育現場で演奏技法を伝える用途が動いている。
- スマートグラスへの展開を見据える一方、売上規模や新端末での普及はまだ示されていない。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Music Ally「Soapbox talks music, holograms and artists: 'The glasses will change the game'」 (2026-09-03) https://musically.com/2026/09/03/soapbox-talks-music-holograms-and-artists-the-glasses-will-change-the-game/
   > "We don’t use any generative AI or CGI. We film real humans in 3D, flaws and all"
   > 訳: 私たちは生成AIもCGIも使わない。実在する人間を、不完全なところもすべて含めて3Dで撮影する。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **スマートグラス** / Smart glasses: 眼鏡型の端末に、撮影や音声などの機能を組み込んだ機器。機能は製品ごとに異なり、すべてが視界に映像を表示するわけではない。本記事では撮影機能が中心となる。 https://andown.space/glossary/smart-glasses/
- **テクノ** / Techno: デトロイトで生まれ、ベルリンなどへ広がった電子ダンス音楽。ドイツのクラブ文化を語る中心的な存在だが、その受容の歴史と発祥地の歴史は区別して捉えられる。 https://andown.space/glossary/techno/
- **ボリュメトリックビデオ** / Volumetric video: 人物や動きを立体的な映像データとして記録する技術。通常の平面動画とは異なり、対応する表示環境では、見る位置を変えながら被写体の姿や動きを確かめられる。 https://andown.space/glossary/volumetric-video/
- **ホログラム** / Hologram: 立体的な像を指す言葉。舞台興行では投影映像などにも広く使われるため、この呼称だけで装置や表示方式を特定することはできない。 https://andown.space/glossary/hologram/
- **音楽出版**（おんがくしゅっぱん） / Music publishing: 歌詞やメロディーなど楽曲の著作権を管理し、利用の許諾や収益につなげる事業。特定の録音物を扱う権利とは区別され、契約によって管理や保有の範囲が異なる。 https://andown.space/glossary/music-publishing/
- **生成AI**（せいせいエーアイ） / Generative AI: 学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。 https://andown.space/glossary/generative-ai/

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