# 韓国当局が調査、ダニエル契約紛争が映す移籍の壁

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/south-korea-s-ftc-opens-probe-into-hybe-and-ador-over-newjeans-danielle/
- 公開日: 2026.06.30 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: K-POP以後（https://andown.space/topics/after-kpop/）、レーベル2.0（https://andown.space/topics/label-2/）
- フック: 契約の出口から見える市場の形

> NewJeansのダニエルをめぐり、韓国の公正取引委員会がHYBEとADORへの調査を開始したと、申立人の弁護士が明らかにした。焦点は契約の有効性だけではない。売上高を基準にした違約金が、歌手の移籍や他社による起用を妨げるという主張だ。個人の契約紛争から、業界共通の仕組みが問われている。

## 契約紛争が、市場の問題に変わる

NewJeansのダニエルと所属先の争いに、契約の有効性とは別の論点が加わった。申立てを行った弁護士チョン・ジョンチェによると、韓国の公正取引委員会は6月4日、HYBEと傘下のADORに対する調査を始めた。MBWが伝えたのは、個人の処遇を入口に、業界の契約慣行まで検討を求める動きである。

申立てによれば、メンバー全員が契約終了を通知したにもかかわらず、ADORはダニエルだけの契約を解除し、違約金と損害賠償を請求している。弁護士は6月21日の投稿で、この訴えは金銭の回収よりも、彼女を市場から排除し、他の歌手による異議申立てを抑えるためのものだと主張した。これは申立人側の評価であり、当局の認定ではない。

ここにある兆しは、専属契約の出口を、歌手と事務所の二者間だけで捉えない見方だ。払えない違約金が移籍を妨げるなら、別の事務所がその歌手と契約する機会にも影響する。契約解釈に加え、競争法から関係を問い直そうとしている。

## 売上高で測る違約金の重さ

申立てによると、ADORがダニエルに求めた一部請求は約330億ウォン。契約に基づいて請求し得る違約金の総額は、1000億ウォンを超えるという。弁護士が問題視するのは、金額の大きさだけではなく、その算定の土台である。

記事によれば、韓国の文化体育観光部が示す標準専属契約は、離脱する歌手の違約金を、事務所の失った利益ではなく、売上高に契約の残存期間を掛けて算定する。弁護士はNewJeansほど成功したグループでも、事務所の実際の損失は売上高の4分の1から10分の1程度と推計する。ただし、この推計は裁判所や当局が確定した損失額ではない。

政府のひな型に含まれるため、この条項はほぼすべての事務所で使われている、と申立ては指摘する。個別交渉の結果ではなく、広く共有された書式が移動の条件を形づくるという問題だ。弁護士は、東方神起の紛争を受けて2009年に標準契約が導入されて以降、契約解除と違約金請求による歌手の市場排除について、当局が調査するのは初めてだとしている。

## 移籍を阻む仕組みとしての契約

申立てはHYBEについても、ADOR、Source Music、BELIFT LABなどが単一の意思決定構造の下でK-POP市場の約50%を握ると主張し、支配的な事業者としての位置づけを求めている。この比率も申立人側の主張であり、当局が市場の範囲や支配力を判断したものではない。

その論理では、大手事務所は歌手の労働を買う側として強い力を持つ。支払えない違約金は歌手をとどめるだけでなく、より小さな競合が契約を結ぶことも難しくする。申立てが「市場閉鎖」と呼ぶ効果である。レーベルの役割が、育成や制作の担い手としてだけでなく、才能の移動条件を決める存在として捉え直されている。

今後の焦点は、この見方が個人の紛争を超え、標準契約や移籍条件の検討につながるかどうかだ。業界で共有される条項が対象である以上、議論が他社に及ぶ可能性はある。ただし、調査開始は予備的な段階であり、違法行為の認定ではない。違約金をめぐる民事訴訟も続いており、契約上の責任と市場への影響は、区別して見ていく必要がある。

## 日本から見る、育成モデルの出口

日本からK-POPの育成モデルを見るとき、この件は契約の「入口」だけでなく「出口」に目を向ける材料になる。韓国では政府の標準契約にある算定方式そのものが申立ての対象となった。日本の契約慣行と同じだとする根拠はこの記事にはなく、金額や制度をそのまま重ねることはできない。

一方、レーベルが育成の負担を回収する仕組みと、歌手が別の活動先へ移る余地との関係は読み取れる。ADORは契約の有効性を一貫して主張し、2025年10月には裁判所も契約を有効と判断した。今回の申立ては、それとは別に、離脱時の負担が競争に何をもたらすかを問うものだ。育成の成功だけでなく、その後の移動可能性もモデルを評価する論点になりつつある。

## 要するに

- ダニエル側の申立てを受け、韓国当局がHYBEとADORへの調査を始めたと弁護士が明らかにした。
- 問題提起は個人への請求から、業界で共有される違約金の算定方式に及んでいる。
- 調査は予備的な段階だが、歌手の移籍条件を競争の問題として捉える視点が現れている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Music Business Worldwide「South Korea’s FTC opens probe into HYBE and ADOR over NewJeans’ Danielle」 (2026-07-01) https://www.musicbusinessworldwide.com/south-koreas-ftc-opens-probe-into-hybe-and-ador-over-newjeans-danielle/
   > "The opening of a KFTC review is a preliminary step and carries no finding that HYBE or ADOR broke the law."
   > 訳: 韓国公正取引委員会による審査の開始は予備的な段階であり、HYBEまたはADORが法律に違反したとの認定を伴うものではない。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **競争法**（きょうそうほう） / Competition law: 事業者の行為や市場の構造が、公正な競争を妨げていないかを扱う法分野。この記事では、歌手への違約金請求が他社への移籍も阻むという申立ての枠組み。 https://andown.space/glossary/competition-law/
- **市場閉鎖**（しじょうへいさ） / Market foreclosure: 取引条件や事業者の行為によって、競合が市場で取引する機会を妨げられること。今回の申立てでは、巨額の違約金が他の事務所による歌手の獲得も阻むという意味。 https://andown.space/glossary/market-foreclosure/
- **専属契約**（せんぞくけいやく） / Exclusive contract: 歌手などが特定の事務所と専属的な関係を結ぶ契約。活動の管理や収益配分に加え、期間、解除条件、離脱時の負担が、活動先を変える余地にも関わる。 https://andown.space/glossary/exclusive-contract/
- **損害賠償**（そんがいばいしょう） / Damages: 契約違反などによって生じた損害を金銭で補うこと。本件の争点は、請求できるかだけでなく、将来収入や残るメンバーの活動を金額にどう反映するかにある。 https://andown.space/glossary/damages/

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