# Spotifyの3億ドル請求、差し止めは配信を支える企業へ

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/spotify-wants-300-million-in-damages-from-anna-s-archive-and-for-court-t/
- 公開日: 2026.03.27 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: 兆しの初動（数ヶ月〜1年）
- テーマ: 音楽データ資本主義（https://andown.space/topics/data-capitalism/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 賠償額の先にある配信の足場

> Spotifyから取得された8600万件の音楽ファイルをめぐり、同社と大手レコード会社が裁判所に賠償と恒久的な差し止めを求めた。2026年3月末の報道に見えるのは、匿名の運営者だけでなく、サイトを支えるインターネット企業へと向かう権利行使だ。巨額の請求と、流通を止める実効性は別の問題として浮かぶ。

## 請求額よりも、配信の足場

Spotifyが求める賠償額は3億ドル。だが、この訴訟で注目したいのは金額だけではない。2026年3月末のCMU報道によると、同社と大手レコード会社は、Anna’s Archiveへのサービス提供をインターネット企業にやめさせる恒久的な差し止めも求めている。音楽ファイルを公開した主体だけでなく、その活動を支える足場へ向かう権利行使である。

発端は前年12月、Anna’s ArchiveがSpotifyから8600万件の音楽ファイルを取得したことだった。音楽会社側はニューヨークの裁判所に提訴。相手側が訴訟に応答していないことを理由に、自分たちに有利な判決を求めている。報道時点では、今回の賠償や恒久的差し止めが認められたわけではない。

CMUは、仮に勝訴しても賠償金を実際に回収できる見込みは低いと見る。運営者の実体が分からない相手に、金銭請求だけでどこまで届くのか。そこで重みを増すのが、ドメインなど、サイトをオンラインに保つ仕組みに対する命令だ。

## 3億ドルを組み立てる二つの権利

取得された全ファイルと、実際の公開が確認された範囲は分けて読む必要がある。音楽会社側の提出書面によると、Anna’s Archiveは2月9日、約300万件の音楽ファイルを列挙するトレントを公開した。これはBitTorrentという、利用者間でファイルをやり取りするネットワークでの配布に使う情報だ。

全米レコード協会の技術担当者は、最初の二つのトレントを取得し、Spotifyの付随情報を伴う12万件の音楽ファイルにアクセスできたと裁判所に説明した。各大手レコード会社は、その中から自社が権利を管理する48〜50曲を特定。故意の侵害1件につき最大15万ドルという米国の法定損害賠償を根拠に、それぞれ約750万ドルを求めている。

Spotifyの3億ドルは別の計算だ。同社の技術者によると、各音声ファイルには暗号化などのDRMが施されている。一方、取得されたファイルは一般的な再生ソフトで再生できた。Spotify側はこれを保護の解除とし、DMCA違反に当たるとして12万件それぞれに2500ドルを請求した。録音の無断配布と、技術的な保護の回避。同じファイルに、異なる請求の根拠が重なる。

## リンクを消しても残る流通

差し止めにも、すでに限界が見えていた。1月の仮の差し止め命令を受け、Anna’s Archiveは使用していたドメインの一部を失った。しかし、別の登録機関で新しいドメインを取得したとCMUは伝える。入口を閉じても、別の入口が設けられる構図である。

ファイルの所在は、さらに分散している。Anna’s Archive側は音楽ファイルの公開を誤りだったと説明し、2月11日にはサイト上のトレントへのリンクが削除された。ただし音楽会社側は、利用者間のネットワークに放たれたファイルは、その後も公開状態にあると指摘する。リンクの削除と、配布の停止は同じではない。

この時点から数年先に向けて問われるのは、サービス提供企業への命令が、こうした分散した流通にどこまで作用するかである。今回求められている恒久的差し止めは、その実効性を試すものになり得る。一方で、ドメインの移動という対抗行動もすでに確認されている。命令が出ることと、8600万件の公開計画を止められることの間には、なお距離がある。

## 日本から読む、金額と実効性の距離

日本から見る際、3億ドルという数字を、そのまま国内での賠償額の目安にはできない。今回の請求は、米国の法定損害賠償とDMCAを根拠に組み立てられている。日本国内で同じ行為がどのように評価されるかは、この記事の材料だけでは判断できない。まず見えているのは、米国の制度を使った二層の請求である。

一方、国境を越えて読めるのは、権利保護の相手が誰になるのかという変化だ。匿名の運営者を追うだけでなく、サイトへの到達を支える企業にも対応を求める。ここで争われているのはAI学習の許諾ではなく、取得した音源の配布と保護技術の回避である。大量の音楽データをめぐる争いが、ファイルの所有だけでなく、それを流通させる経路の管理にも及んでいる。

## 要するに

- Spotifyと大手レコード会社は、賠償に加えてサービス提供企業への恒久的な差し止めを求めた。
- 録音の無断配布と保護技術の回避が、それぞれ異なる損害賠償請求の根拠になっている。
- ドメインの移動と利用者間での配布が、差し止めの実効性を問う材料として現れている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] CMU（Complete Music Update）「Spotify wants $300 million in damages from Anna’s Archive, and for court to go after piracy site’s service providers」 (2026-03-28) https://completemusicupdate.com/spotify-wants-300-million-in-damages-from-annas-archive-and-for-court-to-go-after-piracy-sites-service-providers/
   > "However, that has simply resulted in a round of domain hopping, with the piracy group registering new domains with different registries."
   > 訳: しかし、その結果起きたのはドメインの乗り換えであり、この海賊版グループは別の登録機関で新たなドメインを登録した。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **DMCA**（ディーエムシーエー） / Digital Millennium Copyright Act: 米国のデジタル著作権法。ネット上の侵害に対する削除通知や、一定の条件を満たすサービス提供者の責任制限を定め、本件の通知制度の背景となる。 https://andown.space/glossary/dmca/
- **DRM** / Digital Rights Management: 音声や映像などの利用を、暗号化や再生条件によって管理する技術の総称。契約に沿った利用を支える一方、保護の回避は無断配布とは別の法的争点になり得る。 https://andown.space/glossary/digital-rights-management/
- **トレント** / Torrent: ファイルを参加者同士で分割して受け渡す配布方式で使われる情報や、その配布単位を指す言葉。技術自体は合法・違法のどちらの用途にも使われる。 https://andown.space/glossary/torrent/
- **法定損害賠償**（ほうていそんがいばいしょう） / Statutory damages: 実際の損害額の立証とは別に、法律で定めた枠組みに基づいて求める損害賠償。訴状に示された可能額は、裁判所が認めた支払額や和解金とは異なる。 https://andown.space/glossary/statutory-damages/

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