# 音楽AI訴訟、作品追加を退けた判断をSunoが援用

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/suno-quickly-seizes-on-udio-s-legal-victory-v-sony-music/
- 公開日: 2026.07.05 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: AI生成音楽（https://andown.space/topics/generative-music/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 訴える範囲も争点になっている

> 生成AI音楽をめぐる米国の訴訟で、侵害の有無とは別の争点が浮かんだ。Udioの事件で約3万作品の追加が認められなかったことを受け、Sunoも同様の判断を求めた。2026年7月初めに見えたのは、大量の作品を扱う権利紛争と、一つの裁判で審理できる範囲との隔たりである。

## 勝敗ではなく、審理の範囲をめぐる動き

生成AI音楽の訴訟で、別の事件の手続き上の判断が、競合企業の主張に取り込まれた。2026年7月初め、Sunoは、Sony MusicがUdioを訴えた事件で作品追加が認められなかった判断を、自社の訴訟でも考慮するよう裁判所に求めた。Digital Music Newsが伝えている。

Udioの事件では、Sony Musicが新たに約3万作品を訴訟の対象へ加えようとした。裁判官はこれを退け、対象は約300作品にとどまることになった。一方、Sunoの事件では、Sony MusicとUniversalが6万件超の録音を追加しようとしていた。Sunoは、その追加も認めないよう求めている。

ここで区別したいのは、作品の追加を認めない判断と、著作権侵害を否定する判断である。今回報じられたのは前者だ。AIの学習が適法かどうかに決着がついたのではない。大量の作品を、進行中の一つの裁判でどこまで扱えるか。その境界が争われている。

## 約300作品と約3万作品の間にある負担

背景には、長期にわたる証拠開示がある。Sony Musicは、Udioの学習データに含まれ、権利侵害があったとする約3万作品を、この過程で特定したという。訴訟を通じて調べるほど、対象にしたい作品が増える。だが、その時点で裁判はすでに相当程度進んでいた。

担当するAlvin K. Hellerstein判事が問題にしたのは、提訴から約2年がたち、文書の証拠開示の終了まで数週間という時期だった。ここで約3万作品を加えると、追加の資料提出と精査が必要になり、新たな紛争が生じ、事件の範囲が大きく変わると説明した。

判事は同時に、原告にはすべての対象作品について侵害の停止や損害賠償を求める権利があると認めている。ただし、それをこの訴訟で行う必要はないとした。権利を求める道そのものと、この事件の中で追加を認めるかどうかを分けた判断である。

Sunoの事件も、当初の訴状に挙げられたのは560作品だった。同社は、数万件の追加には新たな証拠開示が必要となり、判断がさらに遅れると主張する。約2年の事実関係の調査を経た今、フェアユースの抗弁を適時に検討される権利がある、というのがSuno側の立場だ。裁判所がその抗弁を認めたという報道ではない。

## 大量の権利を、どう裁判に載せるか

この動きが示すのは、生成AI音楽の争いでは、学習の適法性だけでなく、訴訟の組み立て方も重要になるということだ。学習データを調べて作品を特定する作業と、裁判を一定の範囲と日程で進める作業。その二つが、同じ速さで進むとは限らない。

原告側から見れば、調査で判明した作品を訴訟へ反映させたい事情がある。被告側は、対象の拡大によって必要な作業と時間が増える点を問題にする。作品数は、侵害があったと主張される範囲を示すだけではない。裁判に必要な資料や精査の規模にも関わってくる。

この時点から先の1〜3年を見るうえでは、作品を追加する時期や、追加に伴う負担をどう説明するかが、他の事件でも争点になる可能性がある。今回、Sunoは別の裁判所の判断を参照するよう求めた。企業をまたいで手続き上の論点が共有される動きは、すでに表れている。

ただし、Udioの事件での判断が、そのままSunoの事件にも適用されるとは限らない。出典記事が伝えるのは、Sunoによる要請までである。作品追加の可否とフェアユースの成否も別の問題だ。今後の広がりを考える際にも、この二つを混同しないことが、出来事の輪郭を保つ。

## 日本から見ると、作品数の意味が変わる

日本からこの米国の訴訟を読む際、まず留意したい違いは、ここで扱われているのが米国の手続きとフェアユースの抗弁だという点である。出典記事は日本の制度や訴訟との比較を示していない。この判断から、日本でも同じ追加制限や結論になるとは読み取れない。

それでも、数字の読み方には手掛かりがある。約300作品、約3万作品、6万件超の録音は、いずれも侵害が確定した数ではない。訴訟で扱う範囲、あるいは追加が求められた範囲だ。2026年7月初めに見えたのは、音楽AIと権利の関係を問う場で、何をいつ審理するかという手続き自体が、重要な争点になっている姿である。

## 要するに

- Udioの事件では、審理への負担を理由に約3万作品の追加が認められなかった。
- Sunoはその判断を、自社への6万件超の録音追加に反対する根拠として援用した。
- 学習の適法性とは別に、大量の作品を一つの裁判で扱う範囲が争われている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Digital Music News「Suno Quickly Seizes on Udio’s Legal Victory v. Sony Music」 (2026-07-06) https://www.digitalmusicnews.com/2026/07/05/suno-admissible-infringed-works-argument/
   > "Adding more than 30,000 works near the close of document discovery would require substantial additional production and review, generate further disputes, and materially alter the scope of the case before me,"
   > 訳: 文書の証拠開示が終わりに近づく時期に3万作品超を追加すれば、大幅な追加の資料提出と精査が必要になり、さらなる紛争を生み、私が担当する事件の範囲を実質的に変えることになる。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **フェアユース** / Fair Use: 米国著作権法で、利用の目的や性質などに照らし、権利者の許諾なしでも著作物の利用が認められる場合があるという原則。AI学習への適用は争われている。 https://andown.space/glossary/fair-use/
- **学習データ**（がくしゅうデータ） / Training Data: AIがパターンや特徴を学ぶために使うデータ。音楽では楽曲や音声などが対象になり得るが、個別サービスの収集内容や利用条件は、開示資料などによる確認が必要となる。 https://andown.space/glossary/training-data/
- **混同**（こんどう） / Consumer Confusion: 商品や表示を見た人が、提供元や他者との関係を取り違えること。商標の争いでは、実際に起きた取り違えと、起こるおそれがあるという主張を区別して読む必要がある。 https://andown.space/glossary/consumer-confusion/
- **証拠開示**（しょうこかいじ） / Discovery: 訴訟に関係する資料や情報を当事者間で取得・提示する手続き。米国の民事訴訟では、相手方が保有する記録や証言を得て、争点を検証する重要な過程となる。 https://andown.space/glossary/discovery/
- **生成AI音楽**（せいせいエーアイおんがく） / Generative AI music: 学習したデータの特徴をもとに、AIが楽曲や歌声、録音などを生成する技術や、その生成物。生成できることと、利用や公開の権利が認められることは別の問題となる。 https://andown.space/glossary/generative-ai-music/
- **損害賠償**（そんがいばいしょう） / Damages: 契約違反などによって生じた損害を金銭で補うこと。本件の争点は、請求できるかだけでなく、将来収入や残るメンバーの活動を金額にどう反映するかにある。 https://andown.space/glossary/damages/
- **著作権侵害**（ちょさくけんしんがい） / Copyright infringement: 著作権で保護される表現を、許諾や法律上の根拠なく利用して権利を侵すこと。音楽では歌詞や旋律などが問題となり、似ているという印象だけで直ちに成立するわけではない。 https://andown.space/glossary/copyright-infringement/

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