# T-Painの印税訴訟、75%配分を左右する入金先

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/t-pain-claims-he-was-short/
- 公開日: 2026.09.11 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: 兆しの初動（数ヶ月〜1年）
- テーマ: レーベル2.0（https://andown.space/topics/label-2/）、音楽の金融化（https://andown.space/topics/music-as-asset/）
- フック: 取り分の率より手前にある分岐

> T-Painが、録音物の収益配分をめぐりKonvict Entertainmentを再び提訴した。争点は75%という取り分そのものではなく、その計算前に収入の半分が別会社へ送られたことだ。過去作品からの収益を支える契約に、配分率だけでは見えない入金経路という論点が浮かんでいる。

## 75%の取り分、その前で分かれた収入

T-Painが、エイコンのKonvict Entertainmentを収益配分の問題で提訴した。CMUの2026年9月11日付報道によると、本人は約50万ドルを過少に支払われたと主張している。注目したいのは配分率の高低ではない。75%を掛ける前の収入が、どの会社に届いたものとして扱われたかだ。

訴えによれば、ソニー・ミュージックから支払われた収入の半分が、エイコンの兄弟アブー・ティアムが設立したBuVisionへ送られた。T-Painが受け取ったのは48万9047ドル。本人は、その倍額を受け取る権利があったとしている。これは訴状に基づく主張であり、未払いの認定が報じられたわけではない。

ここに見えるのは、契約に記された割合と、実際の送金経路とのずれである。高い配分率でも、その対象となる収入の範囲が狭まれば受取額は変わる。今回の争いは、レーベルとアーティストの関係を、契約上の数字だけでなく、資金の流れから読む必要性を浮かび上がらせている。

## 過去の和解でも残った、計算の境界

T-Painは2005年にKonvictと契約し、2017年の『Oblivion』までに5作のアルバムを発表した。Konvictは発売に際してZombaと組み、同社は最終的にソニーの一部となった。CMUによると、これら5作の原盤を保有するのはKonvictである。制作時の契約と、その後の流通関係が、過去作品の収入を結んでいる。

今回が最初の訴訟ではない。2018年6月、T-Painは『Oblivion』の納品に対して契約上支払われるはずの前払い金を受け取っていないとして提訴し、定期的な収益報告がないことも問題にした。約7年に及んだ争いは2025年に調停で和解。Konvictは責任を認めず、11万4000ドルを支払ったと報じられている。

CMUは、その和解が最初の5作について2024年末までの収益配分も扱ったとみられる、と伝える。新たな争点は2026年3月の支払いだ。ソニーが支払った額は約130万ドル。T-Pain側の説明では、契約上の取り分は、ソニーのディストリビューション手数料を差し引いた後の受取収入の75%である。

本人はKonvictへ直接支払われた分の75%は受け取った一方、BuVisionへ送られた分についても取り分があると主張する。CMUが紹介した報道によれば、Konvictは代理人にBuVisionからの回収を求め、同社は照会に応じなかったという。新訴訟は2005年の契約と前年の和解合意、双方への違反を訴えている。

## 作品の価値と、受け取れる収入は別の問題

この一件だけで、関連会社への送金が広く行われているとは言えない。ただ、今後1〜5年を見渡すうえで、過去作品の価値を考える視点にはなる。作品が収益を生んでいることと、契約上の取り分が本人へ届くことは同義ではない。両者の間には、手数料、受取先、計算対象の範囲がある。

レーベルの役割も、発売や流通だけでは捉えきれない。今回、Konvictには原盤の保有者であると同時に、収入を受け取り配分する当事者としての位置がある。もし同様の論点が別の契約でも問われるなら、配分率の交渉に加え、関連会社へ送られた収入をどう扱うかが焦点になる可能性がある。

ロイヤリティ会計で何を収入として数え、誰が説明するのか。過去分を和解で整理した後も、新たな支払いで争いが起きた点は小さくない。ただし、この報道だけでは契約全文も送金の根拠も確認できず、BuVisionへの支払いが契約上どう評価されるかは未確定である。

## 日本から読む、配分率の外側

日本から見る際、米国のこの契約をそのまま国内の慣行に置き換えることはできない。出典には日本との比較材料がなく、75%という率を国内契約の基準として読む根拠もない。今回読み取れるのは、特定の配分率の良し悪しではなく、その率を掛ける対象が争点になっていることだ。

原盤を持つ会社、流通を担う会社、別の受取会社。作品とアーティストの間にある企業の関係が、受取額を左右し得る構造が見える。契約に書かれた割合の手前に、収入をどう数えるかという境界がある。2026年9月時点のこの訴訟が照らすのは、そこだ。

## 要するに

- T-Painは、別会社へ送られた収入にも75%の取り分があるとして提訴した。
- 争点は配分率そのものではなく、その率を掛ける収入の範囲にある。
- 過去作品の収益を考える際、権利の保有と送金経路は別々の確認対象となる。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] CMU（Complete Music Update）「T-Pain claims he was short」 (2026-09-11) https://completemusicupdate.com/t-pain-claims-he-was-short-changed-after-royalties-diverted-to-akons-brother/
   > "T-Pain's legal filing says that he received his 75% share of the money directly paid to Konvict, but is also owed his share of the cash that was sent to BuVision."
   > 訳: T-Painの訴状によると、Konvictへ直接支払われた金額の75%は受け取ったが、BuVisionへ送られた金額についても自身の取り分が支払われるべきだとしている。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **ディストリビューション** / Distribution: レーベルなどの音源や商品を、配信サービスや販売店へ届ける流通業務。契約によっては、宣伝や販売促進、技術面の支援まで含むことがある。 https://andown.space/glossary/distribution/
- **ロイヤリティ会計** / Royalty accounting: 作品の利用で生じた収益から、契約上の分配率、費用の控除、前払いの回収などを計算し、権利者や契約相手への支払額と明細に反映する会計実務。 https://andown.space/glossary/royalty-accounting/
- **原盤**（げんばん） / Master recording: 音楽の録音そのものや、その元となる録音物を指す言葉。権利を論じる際は、録音に関する権利と、テープなど現物の所有を区別する必要がある。 https://andown.space/glossary/master-recording-rights/

---
この記事の写真は出典記事の空気感をもとに AI で生成したイメージです。引用の際は上記の出典を一次資料として参照してください。
