# UMGと音楽家組合の訴訟、AI利用料の空白が争点に

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/umg-asks-court-to-dismiss-us-musicians-union-lawsuit-over-udio-ai-deal/
- 公開日: 2026.08.05 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: AI生成音楽（https://andown.space/topics/generative-music/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 許諾の先に残る、演奏への対価

> 録音をAI企業に許諾しても、その録音に参加した音楽家への支払いまで決まるとは限らない。2026年8月5日、UMGは米音楽家組合による訴訟の却下を申し立てた。争点はAI利用そのものの是非ではなく、既存の労働協約に利用料の定めがないとき、支払い義務をどう読むかに移っている。

## 許諾の成立と、音楽家への支払いは別の問題

AI企業とレコード会社の和解だけでは、録音に関わった人への対価は決まらない。2026年8月5日、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)は、米国音楽家連盟(AFM)が起こした訴訟を却下するよう、ニューヨーク南部地区の連邦裁判所に申し立てた。録音物をAI音楽企業Udioへ許諾したことをめぐる争いだ。

AFMは6月5日、UMGとワーナー・ミュージックを提訴した。組合員が参加した録音物が、報酬もクレジットもないままAI企業に許諾されたと主張している。UMGとワーナーはともにUdioと和解し、ライセンス契約を結んだ。Sunoとも契約したのはワーナーであり、UMGではない。

ここに見えるのは、著作権侵害をめぐる対立が契約へ移っても、利益の分配には別の交渉が残るという兆しである。企業が録音の利用を認めることと、その録音を演奏した音楽家が何を受け取るか。今回の訴訟では、この二つの関係が問われている。

## 第21条が参照する、まだ存在しない料金

争点の中心は、AFMと署名レコード会社の労働協約である録音労働協約(SRLA)の第21条(a)だ。この「新たな利用」条項は、協約がほかに扱っていない目的で録音を使う場合を対象とする。AFMは、生成AIの学習や出力生成のための許諾が、この条項に該当すると訴える。

UMGの読み方は異なる。条項自体が料金を定めるのではなく、新しい利用を扱う別のAFM協約から料金を参照する仕組みだという。AI利用については、その別協約が存在しない。したがって、現行の契約に基づく支払い義務は生じない、というのが却下申立ての論理である。

> 「存在しない協約によって算定される支払いは、支払いがないのと同じだ」——UMG側弁護士の申立書

7月21日の事前協議では、AFM側もAI利用の料金や、その根拠となる別協約がないことは認めた。ただし、料金が未設定であることと、組合が契約の履行を求められないことは同義ではない。AFMは、SRLAに仲裁手続きがないため提訴に至ったと説明し、交渉中でも契約を守らせるための行動は妨げられないと主張している。

担当判事は、UMGの立場を、音楽家には何も与えなくてよいという意味ではなく、どの程度の利益を受け取るかを話し合う必要があるという意味だと整理した。UMG側もこれに同意した。出典に利用料や分配額は示されていない。明らかなのは金額の大小ではなく、その金額を決める契約上の根拠が争われていることだ。

## 学習と出力、その先の利用まで

この争いは、2024年6月にUMGとワーナーがSuno、Udioを著作権侵害で訴えたことにさかのぼる。そこから和解とライセンスへ進んだ企業間の関係に、演奏を担った音楽家との労使関係が重なった。権利者の許諾を得る仕組みと、労働への対価を定める仕組みは、必ずしも一度に整うわけではない。

さらにAFMは、Udioの生成物がストリーミングや映画など、SRLAに既存の料金がある用途へ流れる可能性を指摘する。これは組合側の主張であり、支払い義務が認められたという意味ではない。それでも、学習への投入と、生成された音の利用を、どこで区切って扱うかという論点が見えてくる。

8月5日時点から先の1〜3年を見るうえで焦点となるのは、こうした利用を新しい協約にどう書き込むかだ。双方は新たなSRLAを交渉中で、ワーナー側によればAI報酬の提案も交換済みだった。裁判所は証拠開示手続きを停止し、交渉の継続を促している。裁判上の契約解釈と、交渉による料金設定が並行して進む構図である。

## 日本から見ると、契約の違いが見える

日本から読む際には、米国の特定の労働協約をめぐる争いである点が重要だ。出典は日本の契約や報酬制度との比較を示していない。したがって、同じ支払い義務や空白が日本にもあるとは、この事例だけではいえない。

一方、読み取れる区別はある。AI企業が音源を使うための許諾と、その音源に参加した人への対価は、別々の契約関係にまたがり得る。今回まだ決まっていないのは、誰も報酬を受け取れないという未来ではない。既存の条項がどこまで届き、どこから新しい合意が必要になるのか。その境界が、訴訟と交渉の双方で確かめられている。

## 要するに

- UMGとAI企業のライセンス契約後も、録音に参加した音楽家への対価をめぐる争いが残った。
- 現行協約にAI利用の料金がないことを、支払い義務とどう結びつけるかで双方の解釈が分かれた。
- AI報酬の提案はすでに交換され、裁判と新協約の交渉が並行していた。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Music Business Worldwide「UMG asks court to dismiss US musicians’ union lawsuit over Udio AI deal」 (2026-08-06) https://www.musicbusinessworldwide.com/umg-asks-court-to-dismiss-us-musicians-union-lawsuit-over-udio-ai-deal/
   > "A payment measured by an agreement that does not exist is no payment at all,"
   > 訳: 存在しない協約によって算定される支払いは、支払いがないのと同じだ。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **「新たな利用」条項**（あらたなりようじょうこう） / New use provision: 協約で既に扱う用途とは異なる録音利用について、通知や補償を求める条項。本件ではAFMが、生成AIへの利用も対象に含まれると主張している。 https://andown.space/glossary/new-use-provision/
- **ストリーミング** / Music streaming: ネットワーク経由で音源を受信しながら再生する提供方式。音楽市場では有料契約や広告などに支えられるが、市場収入と個々のアーティストの受取額は同じ指標ではない。 https://andown.space/glossary/music-streaming/
- **ライセンス** / Licensing: 一定の条件のもとで利用を認めること。声や姿の複製では、誰が何に同意したのかが重要で、楽曲や録音を使う許可とは区別して考えられる。 https://andown.space/glossary/licensing/
- **証拠開示**（しょうこかいじ） / Discovery: 訴訟に関係する資料や情報を当事者間で取得・提示する手続き。米国の民事訴訟では、相手方が保有する記録や証言を得て、争点を検証する重要な過程となる。 https://andown.space/glossary/discovery/
- **制作クレジット**（せいさくくれじっと） / Recording credits: 楽曲や録音の制作に関わった人と、その役割を示す情報。歌い手だけでなく、演奏や録音などの担い手を知り、別の作品へ進む手がかりにもなる。 https://andown.space/glossary/recording-credits/
- **生成AI**（せいせいエーアイ） / Generative AI: 学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。 https://andown.space/glossary/generative-ai/
- **仲裁**（ちゅうさい） / Arbitration: 裁判所の判決ではなく、当事者が判断を委ねた仲裁人によって紛争を解決する手続き。公開範囲や利用条件は、契約と適用される法制度によって異なる。 https://andown.space/glossary/arbitration/
- **著作権侵害**（ちょさくけんしんがい） / Copyright infringement: 著作権で保護される表現を、許諾や法律上の根拠なく利用して権利を侵すこと。音楽では歌詞や旋律などが問題となり、似ているという印象だけで直ちに成立するわけではない。 https://andown.space/glossary/copyright-infringement/
- **労働協約**（ろうどうきょうやく） / Collective bargaining agreement: 労働組合と使用者側が交渉して結ぶ、報酬や労働条件などに関する取り決め。今回の録音労働協約では、AI利用の料金が定められていない点が争われた。 https://andown.space/glossary/collective-bargaining-agreement/

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この記事の写真は出典記事の空気感をもとに AI で生成したイメージです。引用の際は上記の出典を一次資料として参照してください。
