# Sunoを再提訴、UMGとソニーが問う旧モデルの継承

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/universal-and-sony-sue-suno-for-a-second-time-claiming-platform-s-v6-mod/
- 公開日: 2026.09.19 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: AI生成音楽（https://andown.space/topics/generative-music/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 学び直しの先にも残る権利の問い

> 新しいAIモデルから元の録音を外しても、旧モデルの出力や利用者の選択を引き継いだら、権利の問題は残るのか。UMGとソニーによるSunoへの再提訴は、学習素材の有無だけでなく、能力が伝わる経路を争点に据えた。2026年9月19日時点で見えていた、提携と訴訟が並走する生成音楽の境界。

## 素材を外した先に残るもの

新しいモデルを一から学習させれば、過去の学習をめぐる争いと切り離せるのか。2026年9月18日、Universal Music Group(UMG)とSony Music Entertainmentが、音楽生成AIのSunoを再び提訴した。ボストンの連邦裁判所に提出した訴状は、60,202件の録音を許諾なく複製し、サービスを動かすモデルの構築に使ったと主張している。

焦点は、9月9日に公開されたv6にも及ぶ。Sunoは、Warner Music Group、BMG、Believeとの提携のもとで構築し、UMGとソニーのデータを含まず、一から学習したと説明した。これに対し両社は、旧モデルの出力などを介して、自社の録音から得た価値が新モデルへ渡っていると訴える。

兆しは、争点が「どの録音を直接読み込んだか」だけでは収まらなくなったことだ。生成された音や利用者の選択を経由して、何が受け継がれたのか。ただし、これは原告側が提示した構図であり、v6の侵害が裁判所に認定されたわけではない。

## 出力と好みも学習経路になる

Sunoは入力された指示ごとに楽曲を2つ生成する。記事によれば、利用者がどちらを選ぶかという選好データを、v6の開発に活用してきた。原告側は、その判断対象自体が、無許諾の録音で学習した旧モデルの出力だったと主張する。元の録音そのものではない情報にも、過去の学習の影響が残るという論理である。

訴状はさらに、旧モデルを「教師」、新モデルを「生徒」として振る舞いを引き継ぐ知識蒸留が使われたとする。AIが作る合成データを次の学習に使う場合、直接の素材を確認するだけでは来歴を捉えきれない可能性がある。ただし、利用者の選好データと生成音声は異なる情報だ。何がどう伝わったのかは、区別して検証される必要がある。

対象件数が増えた背景には、先行訴訟の手続きもある。2024年6月に始まった訴訟は560作品を対象とする。両社は61,026件の録音の追加を求めたが、裁判官は2026年8月18日、審理を遅らせるとして認めず、別訴を起こせるとした。両社は、先行訴訟の証拠開示でAudible Magicのフィンガープリンティングを用い、学習データ内の自社録音を特定したと説明している。

故意の侵害に対する法定損害賠償の上限は1作品15万ドル。今回の件数に単純に当てはめると90億ドルを超えるが、あくまで理論上の最大額だ。侵害の成立や実際の賠償額が決まったという数字ではない。両社は録音のさらなる利用を止める命令も求めている。

## 提携は解決であり、争点にもなる

もう一つの焦点は、Sunoが結んだ契約である。同社は2025年11月にWarner Music Groupと和解し、2026年8月12日にBMG、9月8日にBelieveとの提携を発表した。原告側は、これらが生成AIの学習向けに録音を許諾する市場の存在を示すと主張する。一方、Suno側は提携先への収益分配について、学習の対価ではなく、データが中心の契約でもないと説明している。

この食い違いは、先行訴訟でSunoが掲げるフェアユースの抗弁にも関わる。米国では、権利者の許諾なしに著作物を利用できるかを判断する際、潜在的な市場への影響も考慮される。提携が増えることは、事業上の合意を広げる一方、無許諾利用をどう評価するかという別の議論の材料にもなる。

原告側は、Deezerが2026年7月に示した、毎日届く新曲の半数超、約9万曲がAI生成という数字も引用した。録音の複製だけでなく、発見される機会や聴取者の注意、使用料の分配をめぐる競争へと、被害の説明を広げている。ただし、この投稿数だけでSunoによる損害額が示されたわけではない。

今後の焦点になり得るのは、新モデルに使った素材だけでなく、旧モデルの出力や選好データまで説明する仕組みである。合成データを使えば権利上の問題がなくなるとも、旧モデルとの接点があれば直ちに侵害になるとも、この記事の時点では結論づけられない。モデル更新とともに、学習経路の説明範囲が問われている。

## 日本から見る、モデルの来歴

日本から読む際には、米国のフェアユースをめぐる争いと、日本法での評価を分ける必要がある。この記事は日本の制度や契約実務を比較しておらず、米国での主張をそのまま国内の結論にはできない。

それでも読み取れるのは、「許諾を得た新モデル」という説明の内側にも、複数の経路があり得ることだ。録音、生成音声、利用者の選択、旧モデルから伝わる振る舞い。その来歴をどこまで示せるかが、生成音楽の信頼と契約を考える新たな論点として浮かんでいる。

## 要するに

- UMGとソニーは、60,202件の録音を対象にSunoを再提訴した。
- 新モデルの直接の学習素材だけでなく、旧モデルからの継承も争点として提示された。
- 権利者との提携と、過去の学習をめぐる法的な争いが並走している。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Music Business Worldwide「Universal and Sony sue Suno for a second time, claiming platform’s v6 models are ‘the fruit of the same poisoned tree’」 (2026-09-19) https://www.musicbusinessworldwide.com/universal-and-sony-sue-suno-for-a-second-time-claiming-platforms-v6-models-are-the-fruit-of-the-same-poisoned-tree/
   > "Because Suno concealed the contents of its training data, the complaint in the previous action identified a minuscule, illustrative fraction of the recordings Suno had actually copied"
   > 訳: Sunoが学習データの内容を隠していたため、先行訴訟の訴状で特定したのは、Sunoが実際に複製した録音のうち、例示的なごく一部にすぎなかった。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **フィンガープリンティング** / Audio fingerprinting: 音源の特徴を識別用の情報として取り出し、別の音源と照合する技術。同じ録音かどうかを調べる助けになるが、それだけで所有権や利用許諾が確定するわけではない。 https://andown.space/glossary/audio-fingerprinting/
- **フェアユース** / Fair Use: 米国著作権法で、利用の目的や性質などに照らし、権利者の許諾なしでも著作物の利用が認められる場合があるという原則。AI学習への適用は争われている。 https://andown.space/glossary/fair-use/
- **学習データ**（がくしゅうデータ） / Training Data: AIがパターンや特徴を学ぶために使うデータ。音楽では楽曲や音声などが対象になり得るが、個別サービスの収集内容や利用条件は、開示資料などによる確認が必要となる。 https://andown.space/glossary/training-data/
- **合成データ**（ごうせいデータ） / Synthetic data: 実際に収集した素材の代わりや補助として、人工的に作る学習用データ。音楽AIでも利用が論点となり、既存音源をどれだけ必要とするかという交渉の前提に関わる。 https://andown.space/glossary/synthetic-data/
- **収益分配**（しゅうえきぶんぱい） / Revenue sharing: サービスなどで発生した収益の一部を、参加する制作者や権利者へ配分する仕組み。参加条件や対象となる収益によって、受け取れる範囲が異なる。 https://andown.space/glossary/revenue-sharing/
- **証拠開示**（しょうこかいじ） / Discovery: 訴訟に関係する資料や情報を当事者間で取得・提示する手続き。米国の民事訴訟では、相手方が保有する記録や証言を得て、争点を検証する重要な過程となる。 https://andown.space/glossary/discovery/
- **生成AI**（せいせいエーアイ） / Generative AI: 学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。 https://andown.space/glossary/generative-ai/
- **知識蒸留**（ちしきじょうりゅう） / Knowledge distillation: 既存の「教師」モデルの出力や振る舞いを手がかりに、別の「生徒」モデルを学習させる技術。元の学習素材を直接使わなくても、能力の一部が伝わり得る。 https://andown.space/glossary/knowledge-distillation/
- **法定損害賠償**（ほうていそんがいばいしょう） / Statutory damages: 実際の損害額の立証とは別に、法律で定めた枠組みに基づいて求める損害賠償。訴状に示された可能額は、裁判所が認めた支払額や和解金とは異なる。 https://andown.space/glossary/statutory-damages/

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