# ソルト・ン・ペパの権利回収訴訟、争点は最初の所有者

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/universal-says-general-intent-of-congress-has-no-relevance-to-salt-n-pep/
- 公開日: 2026.05.06 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: 著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 保護の理念と契約の空白のあいだ

> ソルト・ン・ペパが1980年代の録音の権利回収を求める訴訟で、ユニバーサルは創作者保護という立法目的より条文の要件が優先すると主張した。2026年5月初めに見えていたのは、長い年月を経た権利回収の入口で、「誰が最初の所有者だったか」が問われる構図である。

## 35年後の回収、その前にある入口

長く歌い継がれた録音を、作り手の手へ戻す。そのための制度があっても、入口を通れるとは限らない。2026年5月初め、ソルト・ン・ペパとユニバーサルの訴訟で浮かんでいたのは、権利を取り戻せる時期より前の問いだった。そもそも、録音の著作権は最初に誰のものだったのか。

米国の移転終了権は、創作者がレーベルなどへ譲渡した著作権を、35年後に一定の条件で取り戻せる制度だ。ソルト・ン・ペパはこれを使い、1980年代の録音の権利回収を目指している。対象となる原盤は、その後ユニバーサルが取得した。

ただし、2026年1月にデニス・コート判事は訴えを退けた。ユニバーサルの主張は、彼女たちがもともと著作権を所有していなければ、終了させるべき権利移転もない、というものだ。両者は第2巡回区控訴裁判所に判断の見直しを求めている。兆しは、権利回収の争いが、古い契約から最初の所有関係を読み直す争いになっている点にある。

## 1976年の理念と、1980年代の契約

背景にあるのは、創作者を追加的に保護するため、1976年著作権法に設けられた仕組みだ。35年という時間が経過しても、制度の適用には過去の著作権譲渡が必要になる。今回、その前提自体が争われている。

ユニバーサルは、彼女たちと録音制作会社との1980年代の契約に、彼女たちから制作会社への著作権の付与は含まれていなかったと主張する。契約に明示的な移転がなく、彼女たち自身の著作権所有も明記されていないため、最初の所有者は制作会社だったという解釈である。その権利が後に同社へ渡った、という説明だ。

ソルト・ン・ペパ側の読み方は異なる。契約で所有を主張していないことは、最初の所有者でなかったことを意味しない。自分たちが当初の所有者なら、契約には黙示的な権利移転があったことになる。契約に何が書かれているかだけでなく、書かれていないことをどう読むか。その違いが、移転終了権の適用を左右している。

Music Artists CoalitionとAuthors Allianceも、裁判所へ意見書を提出した。両団体は、原判断が維持されれば、法律が創作者に与えた保護は実体を失うと訴える。一方、ユニバーサルは、立法時の広い政策目的によって明確な条文の要件を覆すことはできないと反論した。保護の理念と法的な入口は、別の問題だという立場である。

## 広がりを決めるのは、判断の射程

この争いが当事者だけにとどまらないのは、録音の最初の所有者について争いがある他のアーティストにも、同じ入口の問題が生じ得るからだ。創作者や音楽分野の法律家を代表する団体が関与していることは、その広がりを示している。ただし、すべての古い録音契約が同じ構造だと、この記事から結論づけることはできない。

この時点から先の1〜3年を見るうえで焦点となるのは、控訴審がどこまで一般化できる判断を示すかである。明示された譲渡だけが問題になるのか。黙示的な移転をどう扱うのか。創作者保護という目的を、条文の解釈にどう位置づけるのか。判断の内容によっては、他の権利回収訴訟で参照される可能性がある。

逆に、判断が個別契約の文言に強く依存すれば、広がりは限定されるかもしれない。2026年5月初めの段階で確認できるのは、権利回収の成否ではない。古い契約に残された所有と移転の記述が、数十年後にも争点となるという事実だ。

## 日本からは、制度より権利の出発点を見る

日本から読む際には、まず米国の制度と契約をめぐる事件であるという区別が要る。35年という数字を、日本の録音契約にもそのまま当てはめることはできない。出典は日本法との比較を扱っておらず、日本で同じ回収が可能かどうかを示す材料ではない。

そのうえで読み取れるのは、「録音を作った人」と「最初に権利を持った人」が、この訴訟では同じ答えになっていないことだ。創作者を守る制度があっても、その利用は権利の出発点の認定に左右される。音楽が長く聴かれる時間と、契約が長く効力を持つ時間。その重なりを、今回の争いは可視化している。

## 要するに

- 米国の移転終了権を使うには、終了の対象となる過去の権利移転が争点になる。
- ソルト・ン・ペパの訴訟では、1980年代の録音の最初の所有者をめぐって解釈が対立している。
- 控訴審の判断は、同様の所有関係が争われる他のアーティストにも影響する可能性がある。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] CMU（Complete Music Update）「Universal says “general intent” of Congress has no relevance to Salt N Pepa termination rights battle」 (2026-05-07) https://completemusicupdate.com/universal-says-general-intent-of-congress-has-no-relevance-to-salt-n-pepa-termination-rights-battle/
   > "However, Salt N Pepa argue that just because they didn’t claim ownership of any recording rights in their 1980s contract, that doesn’t mean they weren't the default first owners."
   > 訳: しかしソルト・ン・ペパは、1980年代の契約で録音の権利の所有を主張していなかったからといって、法的な原則に基づく最初の所有者ではなかったことにはならないと主張している。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **移転終了権**（いてんしゅうりょうけん） / Copyright termination right: 著作権の移転を一定の条件で終了させる米国法上の権利。本件では、期間の経過に加え、本人が権利を保有し移転したかどうかが判断の中心となった。 https://andown.space/glossary/copyright-termination-right/
- **原盤**（げんばん） / Master recording: 音楽の録音そのものや、その元となる録音物を指す言葉。権利を論じる際は、録音に関する権利と、テープなど現物の所有を区別する必要がある。 https://andown.space/glossary/master-recording-rights/
- **著作権**（ちょさくけん） / Copyright: 楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。 https://andown.space/glossary/copyright/
- **著作権譲渡**（ちょさくけんじょうと） / Copyright assignment: 著作権を持つ者から、別の者へ権利を移すこと。今回の争いでは、アーティスト本人から譲渡があったといえるかどうかが、米国の終結権を利用する入口となった。 https://andown.space/glossary/copyright-assignment/

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