# AI学習の許諾後に残る分配、米音楽家組合が契約を問う

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/us-musicians-union-files-amended-lawsuit-against-universal-and-warner-ov/
- 公開日: 2026.07.28 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: AI生成音楽（https://andown.space/topics/generative-music/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 録音を支えた演奏者の取り分

> 生成AIへの録音利用を許諾しても、その収益が演奏した音楽家に届くとは限らない。米国の音楽家組合は、UniversalとWarnerによるSuno、Udioとの取引をめぐり、労働協約に基づく支払いを求めている。2026年7月28日時点で見えたのは、著作権の和解だけでは閉じない分配の争点である。

## 許諾の先に、演奏者との契約がある

AI企業が録音を使う許可を得たあと、その録音を演奏した音楽家には何が支払われるのか。米国の音楽家組合American Federation of Musicians(AFM)が問うのは、著作権侵害の有無だけでは捉えきれない、契約上の分配である。

AFMは2026年7月24日、Universal Music GroupとWarner側を相手取る訴訟で修正訴状を提出した。組合員が参加した録音をSunoとUdioにライセンスしながら、音楽家への報酬支払いやクレジット表記を行っていない、という主張だ。これは組合側の申し立てであり、契約違反が認定されたわけではない。

兆しは、対立の軸が増えたことにある。レーベルとAI企業の和解によって利用許諾が整っても、録音に関わった演奏者との契約が履行されたかは別の問題として残る。権利者同士の合意と、制作を担った人への支払い。その間にある接続が、法廷で問われている。

## 第21条をめぐる、異なる読み方

争点の中心は、組合と大手レーベルの労働協約であるSound Recording Labor Agreement(SRLA)の第21条、「新たな利用」条項だ。AFMは、協約が想定していない目的で録音を使う場合、契約に署名した企業には音楽家への支払いと組合への通知が必要だと主張する。生成AIのモデルを訓練するための利用も、そこに含まれるという読み方である。

組合によれば、両社がSunoとUdioに許諾した録音のうち、数千件がSRLAの対象となる。さらに、レーベル側の公表内容や報道を根拠に、過去の侵害とカタログの利用許諾に対する金銭を受け取り、今後も利用に伴う収入を得ると申し立てている。ただし、記事には取引額も、音楽家への支払額の算定方法も示されていない。

Universalは7月7日の書簡で、第21条は別のAFM協約ですでに料金が定められた利用についての料率換算規定であり、際限なく使用料を生む規定ではないと反論した。Warnerも7月10日、組合が裁判を交渉上の圧力に使おうとしていると主張。両社は訴えの却下を求めている。

この争いが生じた背景には、レーベル自身の立場の変化がある。大手各社は2024年、SunoとUdioを著作権侵害で提訴した。その後、Universalは2025年10月にUdioと、Warnerは同年11月にUdioおよびSunoと和解。侵害を争う段階から、利用を認める事業関係へ進んだことで、その収益を誰と分けるのかが前景化した。

## 次の協約とサービスに残る問い

7月28日時点で、裁判所が認めたのは修正訴状の提出と、被告側による却下申立ての手続きである。条項の解釈について結論は出ていない。一方、AFMとレーベルは次のSRLAを交渉中で、AIがその中心にある。既存の文言をどう読むかという訴訟と、今後の利用条件をどう書くかという交渉が並行している。

今後の広がりを考える手がかりは、準備中のサービスにもある。Udioの許諾型サービスは「Starstruck」と呼ばれると報じられ、参加に同意した特定のアーティストや録音に基づき、ファンがカバーやリミックス、新曲を生成できる構想だ。ただし、アーティストの参加同意と、その録音で演奏した組合員への支払いは、同じ手続きとは限らない。

この先数年、許諾型サービスが具体化すれば、利用を認める権限だけでなく、学習への使用をどの契約で扱い、収益を誰に配分するかも争点になり得る。今回の訴訟がすべてのAI取引に共通する答えを出すとは限らない。それでも、利用許諾の成立だけでは確認できない契約関係を、可視化する動きではある。

## 日本からは、許諾と分配を分けて読む

日本から見る際に留意したいのは、これは米国の特定の労働協約をめぐる争いだという点である。日本で同じ支払い義務が生じるかは、この記事だけでは判断できない。読み取れるのは、著作権者の許諾があるという説明だけでは、演奏者への対価まで確認したことにはならない、という論点の区別だ。

また、記事が扱うのは生成された曲の作者を誰とするかではなく、その手前にある録音の利用である。新しい音を生む技術の足元で、既存の演奏に結びついた契約が働こうとしている。AI音楽のルールづくりは、許可の有無に加え、制作を支えた人との約束をどう扱うかにも及んでいる。

## 要するに

- AFMは、AI学習向けに許諾された録音について、労働協約に基づく音楽家への支払いを求めている。
- レーベル側は条項の解釈を争っており、利用許諾と演奏者への分配は別の争点として残る。
- 訴訟と次期協約の交渉が並行し、AI利用を既存の契約にどう位置づけるかが問われている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Music Business Worldwide「US musicians’ union files amended lawsuit against Universal and Warner over Suno and Udio AI deals」 (2026-07-28) https://www.musicbusinessworldwide.com/us-musicians-union-files-amended-lawsuit-against-universal-and-warner-over-suno-and-udio-ai-deals/
   > "The union alleges that Universal and Warner licensed recordings made by its members to the two AI companies “without compensation or credit.”"
   > 訳: 組合は、UniversalとWarnerが、組合員の参加した録音を「報酬もクレジット表記もなく」両AI企業に利用許諾したと主張している。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **「新たな利用」条項**（あらたなりようじょうこう） / New use provision: 協約で既に扱う用途とは異なる録音利用について、通知や補償を求める条項。本件ではAFMが、生成AIへの利用も対象に含まれると主張している。 https://andown.space/glossary/new-use-provision/
- **カタログ** / Music catalog: アーティストなどが持つ楽曲群や、それに関わる権利のまとまり。投資の文脈では、作品の知名度だけでなく、将来どれだけ収入を生むかという観点から取引される。 https://andown.space/glossary/music-catalog/
- **ライセンス** / Licensing: 一定の条件のもとで利用を認めること。声や姿の複製では、誰が何に同意したのかが重要で、楽曲や録音を使う許可とは区別して考えられる。 https://andown.space/glossary/licensing/
- **リミックス** / Remix: 既存の録音をもとに、音の構成や響きなどを変えて別の版を作ること。本記事では速度や音程の変更を含む広い意味で使われ、制作や公開に必要な許諾は利用条件によって異なる。 https://andown.space/glossary/remix/
- **契約違反**（けいやくいはん） / Breach of contract: 契約によって負った義務を果たさないこと。芸名を変更する約束が争われる場合、名前の類似そのものとは別に、合意の内容や履行の有無が問題となる。 https://andown.space/glossary/breach-of-contract/
- **制作クレジット**（せいさくくれじっと） / Recording credits: 楽曲や録音の制作に関わった人と、その役割を示す情報。歌い手だけでなく、演奏や録音などの担い手を知り、別の作品へ進む手がかりにもなる。 https://andown.space/glossary/recording-credits/
- **生成AI**（せいせいエーアイ） / Generative AI: 学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。 https://andown.space/glossary/generative-ai/
- **著作権**（ちょさくけん） / Copyright: 楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。 https://andown.space/glossary/copyright/
- **著作権侵害**（ちょさくけんしんがい） / Copyright infringement: 著作権で保護される表現を、許諾や法律上の根拠なく利用して権利を侵すこと。音楽では歌詞や旋律などが問題となり、似ているという印象だけで直ちに成立するわけではない。 https://andown.space/glossary/copyright-infringement/
- **労働協約**（ろうどうきょうやく） / Collective bargaining agreement: 労働組合と使用者側が交渉して結ぶ、報酬や労働条件などに関する取り決め。今回の録音労働協約では、AI利用の料金が定められていない点が争われた。 https://andown.space/glossary/collective-bargaining-agreement/
- **録音労働協約**（ろくおんろうどうきょうやく） / Sound Recording Labor Agreement: 米国の演奏家組合AFMがレコード業界と交渉した、録音参加者の労働条件に関わる協約。本件では、従来の対象外の利用に伴う通知と補償の条項が争点となった。 https://andown.space/glossary/sound-recording-labor-agreement/

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この記事の写真は出典記事の空気感をもとに AI で生成したイメージです。引用の際は上記の出典を一次資料として参照してください。
