# 米最高裁がAI画像の上訴を退け、人間の著作者要件が残る

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/us-supreme-court-denies-ai-copyright-appeal-upholds-human-authorship/
- 公開日: 2026.03.11 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: AIと作家性（https://andown.space/topics/ai-and-authorship/）、著作権の再発明（https://andown.space/topics/copyright-remix/）
- フック: 生成の能力と権利の距離を測る

> AIが画像を生み出せることと、その画像に著作権が認められることは同じではない。米最高裁は、AIを著作者として申請した画像をめぐる上訴を審理しなかった。残ったのは人間の著作者を求める下級審の判断である。焦点はAI利用の有無だけでなく、制作のどこに人間の創作があるのかという説明へ移りつつある。

## 退けられたのは、AIを著作者とする申請

生成AIが作品をつくれるかではなく、誰をその著作者として扱うのか。米国で続いてきた争いに、手続き上の区切りがついた。米最高裁は3月2日、コンピューター科学者スティーヴン・セイラーがAI生成画像の著作権保護を求めた事件について、上訴の審理を拒否した。人間による創作を必要条件とした連邦控訴裁判所の判断が、そのまま残った。

対象は、セイラーのソフトウェア「Creativity Machine」が生成した《A Recent Entrance To Paradise》(2012年)。緑と紫を帯びた森の風景の中、線路がアーチをくぐる画像だ。2018年11月の著作権登録申請で、セイラーは自らを唯一の所有者とし、ソフトウェアを著作者として記載した。所有する者と、創作した者を分けた申請だった。

ここで見える兆しは、AI作品を一括して権利の外へ置く動きではない。AIそのものを著作者に据える場合と、人間がAIを使って制作する場合との境界が、制度の言葉で示されていることだ。最高裁が新たな実体判断を示したのではなく、審理を見送った点も、この出来事の射程を読むうえで重要になる。

## 2018年の申請が残した、所有と創作の違い

米著作権局は2022年、人間の著作者が必要だとして申請を拒否した。セイラー側はその判断の審査を求め、連邦地方裁判所へ提訴。その後の連邦控訴裁判所でも、人間の著作者を必要とする解釈が維持された。争われていたのは、1976年米著作権法のもとで、この申請を認められるかという問題である。

> 「制定法上、著作権法は、すべての著作物が最初の段階で人間によって創作されることを求めている」

これは、連邦控訴裁判所のパトリシア・A・ミレット判事が示した判断だ。ソフトウェアは人間ではないため、著作権局による拒否は適切だったとした。一方、同じ判断は、著作権局が「人工知能を使用する人間の著作者によって制作された作品」の登録を認めてきたことにも触れている。AIの使用自体を、登録拒否の理由としているわけではない。

出典記事は、セイラー自身を著作者として申請すれば保護を得られる可能性を示唆する。ただし、名義を変えるだけで登録されると確認されたわけではない。記事には、人間の関与をどこまで必要とするかという具体的な基準も示されていない。この留保こそが重要だ。所有者であること、生成の仕組みを開発したこと、人間として作品を創作したことは、同じ問いではない。

## 次に問われるのは、人間が何をしたか

セイラーは上訴審理の拒否を、発想が自律的な計算過程から本当に生まれ得るのかを問う「哲学的な節目」と受け止めた。一方で、裁判所の判断は法律が現時点で認める範囲を扱い、技術がすでに達成したことには答えていないとも述べている。これは当事者の見解であり、裁判所がAIの創造能力を認定したという意味ではない。

この隔たりから、今後の制作と権利の議論では、出力された画像だけでなく、制作過程のどこを人間が担ったかが、より重く扱われる可能性がある。何を選び、何を構成し、どこを修正したのか。そうした説明が、人間による創作を示す材料になり得る。ただし、個々の行為がどの程度あれば保護されるのかは、今回の記事だけでは判断できない。

美術にとっての作家性と、法律上の著作者の要件も、完全には重ならない。AIを自律的な創作者として提示することには表現上の意味があっても、それがそのまま権利の成立につながるわけではない。今後、作品をどう語るかという問題と、権利をどう説明するかという問題が、別々に整理されていく可能性がある。

## 日本から読む、作品と制作過程のあいだ

日本から見る際には、まず米国の著作権登録をめぐる事件であるという距離を保ちたい。出典は日本の制度や実務を扱っておらず、この結果から日本での保護の可否は導けない。また、AIの学習に既存作品を使えるかという問題でもない。ここで問われたのは、生成された画像について、AIを著作者として保護を求められるかだった。

それでも、制作を語る言葉への示唆はある。「AIがつくった」という短い説明だけでは、人間が何を担ったのかは見えない。作品の見た目や技術の能力とは別に、その制作への関与を言葉にする必要が浮かび上がっている。今回残ったのはAI表現全体への結論ではなく、人間の創作を制度がどのように捉えるかという境界である。

## 要するに

- 米最高裁は、AIを著作者として申請した画像をめぐる上訴を審理しなかった。
- 残った下級審判断は、人間の著作者を必要とする一方、人間によるAI利用を一律に排除していない。
- 技術の生成能力とは別に、人間が制作のどこを担ったかという問いが見えている。

## 出典（エビデンス）

1. [論評] Artforum「US Supreme Court Denies AI Copyright Appeal, Upholds Human Authorship」 (2026-03-12) https://www.artforum.com/news/us-supreme-court-declines-appeal-for-ai-artwork-1234745242/
   > "As a matter of statutory law, the Copyright Act requires all work to be authored in the first instance by a human being."
   > 訳: 制定法上、著作権法は、すべての著作物が最初の段階で人間によって創作されることを求めている。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **作家性**（さっかせい） / Authorship: 作品を誰の表現として捉えるか、作者の意図や選択がどこに現れるかを考える概念。個性的な画風だけでなく、制作の方法や主体の位置にも関わる。 https://andown.space/glossary/authorship/
- **生成AI**（せいせいエーアイ） / Generative AI: 学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。 https://andown.space/glossary/generative-ai/
- **著作権**（ちょさくけん） / Copyright: 楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。 https://andown.space/glossary/copyright/
- **著作権登録**（ちょさくけんとうろく） / Copyright Registration: 著作物について所定の機関へ申請し、登録を受ける手続き。今回の争いは米国での登録拒否をめぐるもので、他国の制度や保護の可否とは分けて読む必要がある。 https://andown.space/glossary/copyright-registration/

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