# 転売価格の上限とは別に進む、米国の未保有チケット規制

- 媒体: Andown（行灯）— そこにある光
- URL: https://andown.space/when-it-comes-to-ticketing-legislation-price-caps-are-just-one-puzzle-pi/
- 公開日: 2026.09.13 / 更新 2026.10.18
- 著者: Andown
- 時間軸: シーンと言説の潮流（1〜3年）
- テーマ: チケット戦争（https://andown.space/topics/ticket-wars/）
- フック: 価格より手前にある販売の条件

> 米国のチケット改革では、転売価格の上限に注目が集まる一方、売り手が持っていないチケットの出品を規制する法律が広がっている。カリフォルニア州では、価格上限案が頓挫し、別の規制案が知事の署名待ちとなった。ただし、成立への近さと消費者保護の強さは同じではない。条文の例外をめぐる攻防から、改革の別の軸が見えてくる。

## 「いくら」より前に「持っているか」

チケット改革の争点は、転売価格だけではない。売り手がまだ保有していないチケットを出品する「投機的チケット販売」を、どこまで認めるのか。米国の州議会では、価格上限とは別の規制が広がっている。見えてくるのは、価格の妥当性だけでなく、販売の確かさを問う動きだ。

出典が伝えるカリフォルニア州の状況は、その分岐を映す。転売価格の上乗せを10%に制限する法案AB 1720は委員会で頓挫した。一方、投機的チケット販売を対象とするAB 1349は議会を通過。9月30日までの知事の署名を待つ段階にあった。まだ成立した法律ではない。

ただし、議会を通ったことが、そのまま支持の広がりを意味するわけではない。当初この法案を支持していた全米独立会場協会(NIVA)などは、終盤の修正を受けて支持を撤回し、拒否権の行使を求めた。規制の必要性では一致していても、何を禁止し、何を例外として残すかで対立が生じている。

## 価格上限より広く進む、出品の規制

Digital Music Newsによれば、投機的チケット販売の禁止を法制化したのは、アリゾナ、コネティカット、イリノイ、メイン、メリーランド、ミネソタ、ネバダ、ノースカロライナ、オレゴン、バーモントの各州とワシントンDC。計11州・地区である。対して、価格上限を導入した地域として記事が挙げるのは、メイン、バーモント、ワシントンDCの3地域だ。

両者は同じ問題ではない。投機的チケット販売には、正式発売前の座席や、会場に実在しない座席の出品も含まれる。安く買えたとしても、入場できるとは限らない。記事は、今春のワールドカップ関連の偽チケット出品によって、遠方まで移動してから座席が存在しないと知る問題に、再び関心が集まったと伝えている。

価格上限の導入が難しい背景として、記事は大規模市場でのロビー活動を挙げる。カリフォルニア州では、StubHubだけで260万ドルを支出したという。同社は出品者向け規約で投機的チケット販売を禁じる一方、その明示的な禁止や民事責任を定める法案には反対してきたとされる。自主ルールと、法律で責任を負うことの間には距離がある。

修正後のAB 1349も、セカンダリーマーケットのサイトに投機的チケット販売を防ぐ措置を求めている。また、最初にチケットを販売する事業者による同種の出品も、一部の例外を除き禁じる。だがNIVA側は、修正後の内容がファンや小規模事業者より転売業者と大手プラットフォームを優先していると批判する。規制が存在することと、実効性があることは別の論点だ。

## 次の争点は、禁止の看板より例外の範囲

この先1〜3年を考える手がかりは、改革を一つの法案にまとめるか、分けるかにある。ニューヨーク州では、額面を上回る転売の禁止と投機的チケット販売の禁止などを組み合わせた法案が、今春、委員会を通過できなかった。州は代わりに既存のチケット法を1年間延長した。価格上限から別の保護策を切り離す進め方が、試されている。

ただし、対象を狭めれば容易に成立するとも言えない。カリフォルニア州のAB 1349は、報道によれば議会の期限まで15分という時点でようやく通過した。法案の射程を絞ることは、利害の対立をなくすことではない。今後の広がりを見るうえでは、可決された件数だけでなく、禁止の対象と例外を並べて読む必要がありそうだ。

連邦議会のTICKET Actにも同じ争点がある。NIVAは、顧客に代わってチケットを入手する「コンシェルジュサービス」の例外により、購入時点でチケットの存在が保証されない取引が残ると指摘する。連邦法が成立した場合でも、州がより強い規制を補う可能性がある。全国共通の規則と州ごとの保護が重なる形が、一つの見通しとなる。

## 日本から見ると、価格比較だけでは足りない

日本からこの動きを読む際、分けておきたいのは「高額な転売」と「保有していないチケットの販売」である。前者は価格、後者は履行の確かさにかかわる。今回の出典には日本の制度や被害規模を比較できる材料がなく、米国と同じ広がり方を想定することはできない。

それでも、米国で争われている制度の形は見える。州ごとの禁止に連邦法案が重なり、取引の呼び名や例外の書き方までが保護の範囲を左右している。いくらで売るのかに加え、何を持ち、何を約束して売るのか。チケット改革の焦点が、その手前の条件にも向けられている。

## 要するに

- 米国では価格上限とは別に、未保有チケットの出品規制が11州・地区に広がっている。
- カリフォルニア州では法案の議会通過後も、修正内容をめぐり元の支持団体が反対している。
- 連邦法案でも、チケット入手代行の例外が消費者保護の範囲を左右する争点となっている。

## 出典（エビデンス）

1. [二次] Digital Music News「When It Comes to Ticketing Legislation, Price Caps Are Just One Puzzle Piece」 (2026-09-14) https://www.digitalmusicnews.com/2026/09/13/ticketing-legislation-price-caps-attention-ghost-tickets/
   > "Although its language was weakened, AB 1349 still requires secondary resale sites to take measures to prevent speculative ticket sales."
   > 訳: 文言は弱められたものの、AB 1349はなお、二次流通サイトに投機的チケット販売を防止する措置を求めている。
   確認日: 2026-10-18

## 用語

- **セカンダリーマーケット** / Secondary market: 一度販売・所有された品物が再び売買される二次流通市場。美術品や宝飾品では競売も取引経路となり、新品市場とは供給や価格の条件が異なる。 https://andown.space/glossary/secondary-market/
- **ロビー活動** / Lobbying: 企業や団体が、政策や行政判断に自らの意見を反映させようと働きかける活動。活動の存在だけで違法とはいえず、手段や手続きの検証とは区別が必要。 https://andown.space/glossary/lobbying/

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