市場画定とは、競争を評価する対象となる市場の範囲を定める作業である。一般に、どの商品やサービスが互いに代わりになり得るか、どの地域で競争しているかなどを検討する。日常語の「音楽市場」のような広い区分と一致するとは限らない。
チケットをめぐる取引には、観客による購入だけでなく、会場が販売サービスを選ぶ取引などもある。どの市場を問題にするかによって、対象となる顧客や価格、重視する証拠が変わり得る。今回、会社側は観客の手数料に関する証拠を、その線引きから争っている。
日本の競争法競争法きょうそうほうCompetition law事業者の行為や市場の構造が、公正な競争を妨げていないかを扱う法分野。この記事では、歌手への違約金請求が他社への移籍も阻むという申立ての枠組み。用語集で詳しくの議論でも市場の範囲は重要だが、個別事案の取引実態を踏まえた検討が必要となる。会社側が提示した市場の捉え方と、裁判所が採用する判断は同一ではない点にも注意が要る。