美術館が集め、保存する作品の構成を見直し、扱う地域や表現媒体、作家の背景などを広げる取り組み。既存の収蔵品に何を加えるかは、その館がどのような美術史を伝えるかという判断にもつながる。
多様化は、異なる背景を持つ作家の作品を購入・受贈しただけで完了するものではない。調査、保存、展示、教育活動を通して、作品の意味や他の収蔵品との関係をどう示すかも重要になる。収蔵方針の表明と、実際の公開や活用は分けて確かめる必要がある。
日本の美術館について考える際にも使える視点だが、海外の方針をそのまま制度の優劣に結びつけることはできない。館ごとの設立目的、既存の収蔵品、予算や寄贈条件を踏まえて読むための言葉である。