ある分野で、重要な作品や作家として共有されるまとまりを指す。美術では、美術館の収集や展示、研究、出版などを通じて繰り返し紹介されることで、代表的な歴史像が形づくられる。
ただし、その歴史像はあらゆる活動を等しく含むものではない。どの地域や表現に光が当てられてきたかを検討し、紹介される機会の少なかった作家を調べ直すことは、既存の作家同士の関係を見直すことにもつながる。
日本語では「正典」と訳される場合もあるが、法的な基準や公式の名簿を意味するわけではない。今回のフェアが掲げる多様化も、重要作家を単純に入れ替えるというより、異なる背景の作家を同じ場に置き、20世紀美術の見方を広げる方針として理解できる。