所蔵品目録は、美術館や博物館などが、保管するものを把握するための記録である。どのような情報が記載され、誰が閲覧できるかは、施設や制度によって異なる。目録があることと、由来や帰属が十分に確認されていることは同義ではない。
今回の記事では、2024年のNAGPRANAGPRANative American Graves Protection and Repatriation Act米国で1990年に制定された先住民墓地保護・返還法。先住民の遺骨や一定の文化財について、関係する部族などへの返還手続きを定める法律である。用語集で詳しくの規則改定に伴う目録の更新が、部族側の権限強化と並んで取り上げられた。何が所蔵されているのかを確認できなければ、返還返還へんかんCultural repatriation文化財や遺骨などを、由来する共同体や権利を持つ人々へ戻すこと。文化財の返還では、所有だけでなく、儀礼や祖先との関係を誰が引き継ぐかも関わる。用語集で詳しくを求める側は対象を特定しにくい。記録へのアクセスは、手続きの前提に関わる。
部族代表は、以前は施設が見せたいものしか見せなかったと証言している。目録は単なる管理上の一覧ではなく、誰が調査に参加できるかにも結びつく。日本の所蔵品目録と比較する場合も、記録の有無だけでなく、公開範囲や確認の仕組みを分けて考えることになる。