カントリーは、米国で形成されてきたポピュラー音楽のジャンルである。楽器や歌い方などの音楽的特徴だけでなく、ラジオ、チャート、業界団体、ライブの場によっても、その範囲が形づくられている。
ひとつの音楽様式として扱われる一方、作り手や聴き手の出自、価値観、政治的立場は一様ではない。誰が主流の場に参加できるか、どの経験が歌として届くかという問題も、ジャンルの輪郭に関わる。
今回の記事では、少数派への機会拡大と、政治的な意味を帯びた催しへの出演が同時に存在する点が重要だ。日本から触れる際も、特定の出演者や催しだけをジャンル全体の代表とみなすと、その内部の幅を捉えにくくなる。