1–3 YEARS · シーンと言説の潮流K-POP以後ポッドキャスト経済圏

楽曲の外にも、出会いの余地

HYBEとSpotify、映像トークで広げるK-POPの入口

2026年3月9日、HYBEとSpotifyによるビデオポッドキャストの提携が報じられた。所属アーティストだけでなく、異なる業界のクリエイターも迎える予定だ。見えていたのは、楽曲そのものに加え、制作の背景や語りを通じてK-POPとの接点を広げようとする動きである。

レコードを表す黒い円と映像の画面を表す青い長方形が、クリーム色の背景で重なり合う抽象的なイラスト。

楽曲の隣に、語りの入口を置く

2026年3月9日時点で、HYBEとSpotifyが準備していたのは、K-POPを映像付きのトークへ接続する番組だった。Digital Music Newsによると、両社はビデオポッドキャストビデオポッドキャストVideo podcast会話やインタビューなど、ポッドキャストの番組形式に映像を組み合わせたコンテンツ。音声に加え、出演者の表情や身ぶりも届けられ、通常の動画配信との境界は明確ではない。用語集で詳しくを立ち上げる提携を結び、3月23日の開始を予定していた。4月からはエピソードを段階的に公開し、HYBEのアーティストに加え、異なる業界のクリエイターも登場する計画である。

注目したいのは、出演者の範囲だ。所属アーティストだけで番組を閉じず、音楽の外側にも接点を設ける構成になっている。ただし、出演者名や各回のテーマは記事では明らかにされていない。異業種との共演がどのような内容になるかは、この段階ではまだ見えない。

それでも、提携の狙いは読み取れる。Spotify側が強調したのは、音楽の背後にある物語や創作の過程へ、ファンを近づけることだった。曲を聴く場所に、作り手の考えや経験に触れる入口を置く。ファンダムファンダムFandom特定のアーティストや作品への関心を共有する人々と、その間に生まれる文化や活動。購入だけでなく、交流、制作、情報交換などの参加も含む。用語集で詳しくとの関係を、楽曲の再生だけに限らない形へ広げる試みである。

映像を作る力と、届ける規模

制作を担うのは、社内の制作部門HYBE Media Studioだ。同部門には、ドキュメンタリー、リアリティ番組、コンサート上映作品を手がけてきた実績がある。今回の発表は、音楽会社が初めて映像に進出するという話ではない。すでに持っている制作能力を、ビデオポッドキャストビデオポッドキャストVideo podcast会話やインタビューなど、ポッドキャストの番組形式に映像を組み合わせたコンテンツ。音声に加え、出演者の表情や身ぶりも届けられ、通常の動画配信との境界は明確ではない。用語集で詳しくという別の形式へ展開する動きだ。

一方、届け先の規模としてHYBEが挙げたのは、Spotifyの7億5100万人のユーザーだった。これは同社の声明にある利用者数であり、新番組の視聴者数でも、K-POPファンの人数でもない。大きな利用者基盤へ接続できることと、その中で実際に番組が見られることは、分けて考える必要がある。

記事はこの提携を、Spotifyが音楽、ポッドキャスト、オーディオブックを扱うサービスとして競争する動きの一つに位置づけている。音楽を聴く行為と、関連する話を視聴する行為を同じ場所に収めるプラットフォーム・エコシステムプラットフォーム・エコシステムPlatform ecosystem配信基盤を中心に、利用者、制作者、番組や関連サービスが結びつく仕組み。個別コンテンツの人気だけでなく、既存の利用者との接点も競争力に関わるという見方を表す。用語集で詳しく。その中でHYBEは、楽曲とは異なる長さや語り口を持つコンテンツの供給者にもなる。

ただし、契約金額、広告の扱い、収益の分配、配信の独占性は記事に示されていない。確認できるのは制作と配信を結ぶ提携であり、その採算性や権利の設計までを評価できる段階ではない。

輸出するのは、歌だけではない

この時点から先の1〜3年を考えると、焦点になるのは、K-POPの海外展開に「語りの形式」がどこまで加わるかだ。楽曲やパフォーマンスに加え、創作の背景を継続的に届ける番組が、新しい接点になる可能性がある。今回の計画では、所属アーティスト以外のクリエイターを迎える余地も設けられている。

異なる分野の出演者が加われば、もともとK-POPを追っていなかった人が番組に出会う可能性もある。ただし、それは番組の内容や発見のされ方に左右される。利用者基盤の大きさだけで、新しい聴き手の獲得や楽曲の再生増を見込むことはできない。

もう一つの論点は、音声と映像の境界である。ビデオポッドキャストビデオポッドキャストVideo podcast会話やインタビューなど、ポッドキャストの番組形式に映像を組み合わせたコンテンツ。音声に加え、出演者の表情や身ぶりも届けられ、通常の動画配信との境界は明確ではない。用語集で詳しくは、会話を聴く形式に、表情や身ぶりを見る体験を重ねる。HYBEが培ってきた映像制作と、Spotifyのポッドキャスト配信が接続することで、音楽会社の制作物がどこまで広がるかが試される。発表時点では、その接続が提示されたところだ。

日本から見る、所属の外へ開く構成

日本から読む際、国内との違いとしてまず見えるのは、市場全体の優劣ではなく、この提携の設計である。音楽会社の社内制作部門が番組を作り、世界に利用者を持つ配信サービスへ届ける。さらに、出演者を自社のアーティストだけに限定しない。制作の主体、届け先、出演者の範囲を分けて見ると、単なる告知番組とは異なる構想が浮かぶ。

出典には日本の同種番組や利用状況の比較がなく、国内に同じ動きがないとは言えない。ここで読み取れるのは、K-POPの国際展開が楽曲の流通だけでなく、その文化や創作過程を伝える番組へも伸びていることだ。音楽を知ってから人を知る経路に、人の語りから音楽へ向かう経路が加わろうとしている。

この記事は、2026年10月に、当時(2026年3月9日(月))の出典をもとに書いた振り返りです。数字や状況はその後変わっている可能性があります。

EVIDENCE出典

  1. 二次Digital Music News2026-03-09

    HYBE and Spotify Ink K-Pop Video Podcast Series — As the Podcast Wars Escalatedigitalmusicnews.com ↗

    “This partnership with HYBE is about meeting that energy by bringing fans closer to the stories and creative journeys behind the music”

    HYBEとのこの提携は、音楽の背後にある物語や創作の歩みにファンを近づけることで、その熱意に応えるものだ。

    確認日 2026-10-18