1–3 YEARS · シーンと言説の潮流チケット戦争ライブ・ブーム
売れた席の先にある、選択の余地
ライブ・ネイションの最高収益と、会場への入口を問う訴訟
ライブ・ネイションの2025年売上高は252億ドル。過去最高の業績が示された一方、米司法省の訴訟は一部の主張が退けられ、会場側との関係や出演条件をめぐる争点が残った。2026年2月時点で見えていたのは、ライブ需要の強さと、会場への入口を誰が握るかという問いの並存である。

最高収益の隣に残った、会場の争点
2026年2月、ライブ・ネイション・エンターテインメントは、2025年の売上高が過去最高の252億ドルに達したと報告した。その業績発表とほぼ同じ時期、同社に対する米司法省の反トラスト法反トラスト法はんとらすとほうAntitrust Law企業間の競争を不当に制限する合意や独占行為などを規制する米国の法律の総称。本件では、出版社による共同交渉や削除通知の実施方法が問題とされている。用語集で詳しく訴訟では、一部の主張が退けられた。事業の拡大と、訴訟範囲の縮小。だが、それだけでは読み切れない動きがある。
Hypebotによれば、ニューヨーク南部地区の裁判所は、同社の興行・ブッキングブッキングBooking出演者の手配や出演予約を指す言葉。主催者と演奏家の間で日程、料金、演奏内容などを調整する仕事を含む。予約件数は、出演者数や観客数とは異なる指標である。用語集で詳しく事業が独占に当たるという主張と、チケットマスターが消費者向け市場で独占を形成しているという主張を退けた。一方、チケットマスターの会場向け市場での独占や、アンフィシアターアンフィシアターAmphitheater舞台や中央の空間を囲むように客席を配置した劇場。屋外や半屋外にもあり、客席の傾斜や舞台との距離が、音の届き方や演者との近さを左右する。用語集で詳しくの公演を自社の興行に限定する方針をめぐる争点は残った。
ここに見える兆しは、観客がチケットを買う場面だけでは、ライブ市場の競争を捉えきれないということだ。会場がどの販売会社と契約できるのか。出演者がその舞台に立つために、誰を興行主として選べるのか。訴訟はなお、客席からは見えにくい入口を問うていた。
動員の伸びと、先に埋まる公演枠
業績の規模は大きい。年間売上高は前年比9%増、調整後営業利益は10%増の24億ドル。コンサート関連の調整後営業利益は30%増えた。世界の観客動員は5%増の1億5900万人で、同社は公演に約150億ドルを支出したとしている。需要の拡大に加え、それを公演として実現する支出の厚みも示されている。
チケットマスターの売上高は31億ドルで、前年比3%増。手数料が発生するチケット取扱総額は6%増えた。これとは別に、2026年1月のコンサートのチケット取扱総額は前年同月比で50%超増加し、主に北米での好調な発売が押し上げたという。年間実績と単月の勢いは区別が必要だが、需要が続くという同社の見立てには、こうした数字がある。
供給側にも先行する動きがあった。2025年末時点で、2026年の大規模会場公演は80%超がブッキングブッキングBooking出演者の手配や出演予約を指す言葉。主催者と演奏家の間で日程、料金、演奏内容などを調整する仕事を含む。予約件数は、出演者数や観客数とは異なる指標である。用語集で詳しく済みで、繰延収益は40億ドル。同社は協賛契約の拡大、海外会場の開業、フェスティバル需要を背景に、2026年の二桁成長を見込んでいた。これは会社の予測であり、達成済みの実績ではない。それでも、公演枠と販売が先に積み上がる事業の姿は見える。
今後の焦点は、規模より契約条件へ
一部の主張が退けられたことを受け、ライブ・ネイションは和解が最善の道だと表明した。記事に登場するアナリストは、会社分割の可能性が事実上なくなったとの見方を示している。ただし、これは裁判所の結論ではなく、分析者の評価である。残る争点の審理も、和解の可能性も、この時点では閉じていない。
裁判官は、同社の市場支配力と方針によって、出演者がアンフィシアターアンフィシアターAmphitheater舞台や中央の空間を囲むように客席を配置した劇場。屋外や半屋外にもあり、客席の傾斜や舞台との距離が、音の届き方や演者との近さを左右する。用語集で詳しくを利用するために同社を興行主に選ぶよう強いられたと、合理的な陪審が判断し得ると記した。強制が認定されたという意味ではない。だが、会場の利用条件と興行主の選択が結びつく仕組みは、なお審理の対象だった。
この時点から先の数年を考えるなら、注目されるのは企業の大きさだけでなく、契約が誰の選択を狭めるかという論点の広がりだ。独立系会場や興行主は、会場・販売・興行の統合が競争相手を排除すると懸念していた。独立系会場の業界団体NIVAや超党派の上院議員も、訴訟継続を求めている。成長の果実と競争条件を別々に検討する議論が、続く可能性がある。
日本から見る、客席の手前の構造
日本から読む際には、米国の訴訟対象と国内市場をそのまま重ねない距離が必要だ。今回の出典は、日本の会場契約やチケット販売の構造を比較していない。米国で争われている条件が日本にもあると、この資料だけから判断することはできない。
そのうえで読み取れるのは、ライブの活況を動員や売上だけで測らない視点である。観客に届く前に、会場、販売会社、興行主、出演者の間でどんな選択が可能なのか。最高収益と競争への懸念は矛盾せず、同時に存在する。2026年2月にそこにあったのは、売れた席数の向こう側で、公演が成立する条件を見直そうとする動きだった。
この記事は、2026年10月に、当時(2026年2月20日(金))の出典をもとに書いた振り返りです。数字や状況はその後変わっている可能性があります。
EVIDENCE出典
- 二次Hypebot2026-02-21
Live Nation revenue hits highs as judge narrows DoJ case against ithypebot.com ↗
“Live Nation Entertainment reported record full-year 2025 financial results this week, with annual revenue of $25.2 billion.”
ライブ・ネイション・エンターテインメントは今週、年間売上高252億ドルという、過去最高の2025年通期決算を報告した。
確認日 2026-10-18


