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公演を迎える器が都市計画に入る
ホーチミン市、7万席スタジアムを核にスポーツと公演の複合開発
ホーチミン市で、総額55億2000万ドルのスポーツ複合施設が着工式を迎えた。核となるのは、大規模コンサートにも転用できる最大7万席のスタジアムだ。2026年1月中旬に見えていたのは、公演を迎える設備を都市開発に組み込む動きである。ただし、想定工期は8年。会場の構想と実際の興行には、まだ距離がある。

スポーツ施設の中心に、公演のための設備
2026年1月15日、ホーチミン市人民委員会は、ラックチエック国立スポーツ複合施設の着工式を開いた。Digital Music Newsが伝えた総事業費は55億2000万ドル。中心には、最大7万席のスタジアムを計画する。スポーツの国際大会だけでなく、大規模コンサートやエンターテインメント公演の舞台へ転換できる設計だ。
目を引くのは、席数だけではない。スタジアムには可動式屋根可動式屋根かどうしきやねRetractable roof開閉できる構造を持つ屋根。競技場などで天候に応じた利用を可能にする設備だが、公演時の遮音性や空調性能まで、この名称だけで判断することはできない。用語集で詳しくと高度な空調設備を導入する計画で、複合施設内の屋内アリーナやスポーツセンターにも、客席の区域ごとに温度を調整する空調を備えるという。公演を開く場所を確保するだけでなく、観客が長時間滞在する環境まで設備計画に含めている。
ここに見える兆しは、スポーツと音楽のための投資が、一つの都市開発の中で重なっていることだ。ただし、専用の音楽施設ができるという話ではない。競技場を多目的会場多目的会場たもくてきかいじょうMultipurpose venueスポーツ、コンサート、会議など、異なる用途に対応する会場。用途を切り替えられる設計と、実際に各種催事を継続して開催できる運営体制は分けて捉える必要がある。用語集で詳しくとして使う構想であり、実際のコンサートの開催日程や出演者は、出典では示されていない。
55億ドルの投資と、8年という時間
事業者に選ばれたのは、Sun Group傘下のVung Tau Sun Co., Ltd.。敷地は461.5エーカー超に及び、そのうち中央スタジアムが約60エーカーを占める。スタジアムの建設費は約13億3000万ドル。総事業費のすべてが、7万席の観客席と舞台に向かうわけではない。
施設群には、5000〜1万席の多目的スポーツセンター、国際基準の水泳施設、テニス施設、選手や医療チームのための設備も含まれる。五輪競技の約90%に対応できる計画だ。さらに公園や広場、市民向けのスポーツエリアを配置し、会議施設には1万席の大ホールと複数の小会議室を設ける。競技、公演、会議、日常利用を同じ敷地に収める構成である。
市が同じ週に着工式を行った四つの主要インフラ・交通事業のうち、この計画は投資額が最大だったという。地下鉄や橋の事業と並んで扱われている点にも、都市開発としての位置づけが表れている。ただし、これらの交通事業と会場との直接的な接続や、公演時の輸送計画まで出典が説明しているわけではない。
完成までの想定期間は8年。一方、市と事業者は用地確保と建設を加速し、約5年での完成を目指すとしている。この二つは区別して読む必要がある。短縮は目標であり、着工式を迎えたことと、運営開始の時期が確定したことは同じではない。
次の3〜5年は、構想を運用へつなぐ期間
2026年1月の時点から先を見れば、3〜5年は、完成を前提に公演数の増加を語れる期間ではない。むしろ、用地確保や建設の進み方を通じて、この規模の構想がどこまで具体化するかが見えてくる時間である。約5年という目標を達成できるかどうかも、その過程に含まれる。
計画が実現すれば、国際的なスポーツ大会と大規模公演を受け入れる興行インフラ興行インフラこうぎょういんふらLive event infrastructure公演の開催を支える会場や設備、搬入・運営の基盤。建物の整備はその一部であり、出演契約や集客、継続開催の仕組みまで自動的に整うことを意味しない。用語集で詳しくの選択肢が増える可能性がある。可動式屋根可動式屋根かどうしきやねRetractable roof開閉できる構造を持つ屋根。競技場などで天候に応じた利用を可能にする設備だが、公演時の遮音性や空調性能まで、この名称だけで判断することはできない。用語集で詳しくや空調、多目的利用を前提とした設計は、そのための条件の一部だ。ただし、設備が整うことは、海外アーティストの来訪や継続的な開催を保証しない。出典には、興行主との契約や年間の公演計画、音響面の詳細はない。
地域の音楽シーンへの波及も、まだ見通しの段階にある。大きな会場ができることと、地元の音楽家が出演機会を得ることは別だ。今回確認できるのは、国際公演にも使える受け皿への投資であり、小規模会場や地域の制作活動を支える仕組みまでは示されていない。
日本から見ると、席数以外の輪郭が見える
日本からこの計画を読むとき、「7万席の新会場」という比較だけでは全体像を捉えにくい。これは既存ホールの公演実績を比べる話ではなく、競技施設や会議場、公共空間をまとめて整備する段階の話だ。音楽向けの設備投資が、スポーツや市民利用を含む大きな事業の一部になっている。
出典だけでは、日本とベトナムの公演需要や会場不足の程度を比較することはできない。それでも、海外公演の行き先を考える材料は見えてくる。出演者やツアーの発表より前に、都市が受け入れの器をつくろうとしている。ホーチミン市で現れたのは、ライブの可能性が都市の長期投資に組み込まれる、その具体的な計画である。
この記事は、2026年10月に、当時(2026年1月18日(日))の出典をもとに書いた振り返りです。数字や状況はその後変わっている可能性があります。
EVIDENCE出典
- 二次Digital Music News2026-01-19
$5.5B Entertainment Complex in Ho Chi Minh City Greenlitdigitalmusicnews.com ↗
“Its design and equipment will enable the stadium to host international-level sports events as well as be converted into a multifunctional stage for large-scale concerts and entertainment programs.”
その設計と設備により、スタジアムは国際水準のスポーツ大会を開催できるほか、大規模コンサートやエンターテインメント公演のための多機能な舞台へ転換できるようになる。
確認日 2026-10-18


