用途転用は、建物や施設を壊して一からつくるのではなく、既存の空間を別の目的に適応させる考え方である。工場を展示施設に変える場合のように用途が大きく変わることもあれば、構造を残して必要な設備だけを加える場合もある。
重要なのは、古い外観を保存することだけではない。柱や壁の配置、素材の性質、以前の使われ方が、新しい活動の条件になる。カン・テラでは、採掘によってできた空洞が研究や滞在の空間を支えている。
日本の事例を考える際にも、再利用という言葉だけで環境面や経済面の利点を判断することはできない。構造の安全性、用途変更に伴う要件、設備更新や維持管理を含め、場所ごとに確かめる必要がある。