用語集/文化と表現

引き算の建築

ひきざんのけんちくSubtractive architecture

材料を積み上げるだけでなく、既存の塊から取り除くことで空間を生む建築の捉え方。ここでは、採石の空洞や岩を削る加工を指す。

引き算の建築とは、壁や屋根を付け加える方法とは逆に、物質を取り除くことで空間や機能を生む捉え方である。ここでは確立した単一の様式名ではなく、出典が述べる採石場の「減算的な論理」を説明する言葉として用いている。

カン・テラの大きな空洞は、もともと建築家が住まいのために設計したものではない。石材を切り出した作業の結果である。転用に際しては、その空洞を生かしつつ、岩をさらに削って流しやシャワーの受け皿がつくられた。

この考え方の要点は、単に設備や装飾を減らすこととは異なる。すでにある物質と空間の成り立ちを読み、新しい用途につなぐ点にある。日本の改修や展示空間を考える際にも、形の簡素さと、既存の構造を生かす設計とは分けて捉えられる。

RELATED関連する用語

用途転用ようとてんよう熱容量ねつようりょう再利用素材さいりようそざい

IN ARTICLESこの用語が出てくる記事