契約違反は、当事者間の契約によって生じた義務が果たされていないという問題である。何を約束したのか、どの範囲で義務を負ったのか、実際にどのような行為があったのかが重要になる。
名称をめぐる紛争では、当事者同士が使用の中止や変更について合意する場合がある。その合意が守られたかという争いは、元の名前が商標商標しょうひょうTrademark商品やサービスの出所を見分ける名称や標識に関わる権利。音楽活動ではグループ名などが対象になり得るが、楽曲の著作権や収益の取り分とは別に扱われる。用語集で詳しく権を侵害するかという争いとは別の論点である。同じ訴訟に両方の請求が含まれていても、根拠は区別して読む必要がある。
今回の記事で示されているのは、芸名変更の合意があり、それが守られなかったという原告側の説明である。契約全文や交渉の詳細は掲載されていない。日本の音楽活動に照らす場合も、個々の合意の文言や適用される法律を抜きに、報道された名称変更の例だけから義務の範囲を判断することはできない。