形式主義は、美術作品の色、線、形、構成、素材などに注目し、その関係から作品の性質や価値を考える立場である。作者の伝記や描かれた物語だけでは捉えられない、作品を見る経験を言葉にするための方法でもある。
ただし、形式を重視することと、社会や政治を無条件に排除することは同じではない。どこまでを作品の内部とし、何を外部の事情とするかによって、批評の射程は変わる。この記事では、その境界が社会の危機によって揺さぶられたという歴史が紹介されている。
日本語では「形式的」という日常語から、表面的で中身がないという意味に誤解されることがある。批評用語としては、目に見える構造を精密に検討する姿勢を指し、単なる様式の分類とは区別される。