買い方だけでなく、売り方を見る
韓国の転売規制、自動購入の手口から販売行為へ対象拡大
韓国政府は、違法な手段で入手した疑いのあるチケットを転売していた15人について、警察に通報した。2026年6月25日時点で見えていたのは、自動購入の手口だけでなく、利益目的の反復的な高額転売も対象とする規制への移行だ。8月の施行を前に、再販サイトの取引データを使う調査が進んでいた。

15人の通報に見える、規制の移行期
チケットをどう手に入れたか。その問いに加えて、どのように売り続けているかが規制の対象になる。2026年6月25日付のCMUが伝えた韓国の動きには、転売対策の焦点が広がる兆しがある。政府は、違法な手段で入手した疑いのあるチケットを転売していた15人について、警察に通報した。
この時点の韓国では、自動プログラムで大量のチケットを確保し、再販プラットフォーム再販プラットフォームさいはんぷらっとふぉーむResale platform一度販売されたチケットなどを、保有者が別の購入者へ売るための取引基盤。本件では、購入上限を超えて取得されたとされるチケットの販売先として問題にされている。用語集で詳しくで売る行為が違法とされていた。通報された15人についても、販売枚数の多さなどから自動購入が疑われている。ただし、記事が伝えるのは疑いと通報までであり、使用の立証や有罪の確定ではない。
その先に控えるのが、1月に議会で可決され、8月28日に施行される新たな規制だ。自動購入という特定の手口だけに依存しない取り締まりへ。今回の通報は、その切り替わりを前にした動きとして位置づけられる。
取引回数と金額から浮かぶ販売の輪郭
CMUが引用したSeoul Economic Dailyによると、韓国の文化体育観光部の調査担当者は、主要な再販プラットフォーム再販プラットフォームさいはんぷらっとふぉーむResale platform一度販売されたチケットなどを、保有者が別の購入者へ売るための取引基盤。本件では、購入上限を超えて取得されたとされるチケットの販売先として問題にされている。用語集で詳しくのデータを監視していた。確認したのは販売アカウント、販売件数、同じ公演の販売規模、販売額、そしてチケットの入手元に関する情報である。
一部の販売者では、公演ごとの取引が合計100件に達し、推定販売額が500万ウォンを超えていたという。ここで示されているのは販売額であって、利益ではない。枚数や金額の大きさが、そのまま違法性の確定を意味するわけでもない。
同省の報道担当者は、こうした大量販売は通常の個人間譲渡や通常の予約の範囲を超えると説明した。同じ公演のチケットを大量に売っていれば、自動プログラムなどの違法な方法で購入した可能性を排除しにくい、という見方だ。現行制度の下では、販売の記録が、入手方法を調べるための手がかりになっている。
つまり、二次流通セカンダリーマーケットSecondary market一度販売・所有された品物が再び売買される二次流通市場。美術品や宝飾品では競売も取引経路となり、新品市場とは供給や価格の条件が異なる。用語集で詳しくに残る取引履歴から、一次販売一次販売いちじはんばいPrimary ticketingイベントの主催者や、その委託を受けた販売会社が、購入者にチケットを最初に販売する段階。購入後の再販売を扱う二次流通とは区別される。用語集で詳しくで何が起きたのかをたどる構図である。ただし記事には、調査対象の総数や、各アカウントと実際の販売者を結びつける方法までは示されていない。監視の規模や精度を、この15人だけから評価することはできない。
手口の立証だけに頼らない制度へ
新規制では、当局が転売者による自動購入プログラムの使用を示す必要はなくなるとCMUは説明する。同記事が引用するThe Korea Heraldによれば、転売目的で公正な購入手続きを回避・妨害しようとする行為、または利益目的で額面を上回る価格の販売を繰り返す行為が違法になる。
ここで重要なのは、単に「転売が禁止される」という話ではないことだ。購入手続きへの介入と、利益を得るための反復的な高額販売。その両方を捉える制度への変更である。自動購入の有無だけでは扱いきれなかった販売行為にも、規制が及ぶ可能性がある。
施行後の数年を見通すうえで焦点になるのは、取引の反復性や利益目的をどう判断し、通常の個人間譲渡と区別するかだろう。販売件数や価格の記録が、その判断でも重みを持つ可能性はある。ただし、記事には具体的な運用基準や施行後の成果はなく、今回の調査方法がそのまま定着するとは言えない。
日本から見ると、比べる軸が変わる
日本からこの動きを読む際、両国の制度の違いを、罰則の強弱だけで捉えることは難しい。今回の出典は日本の法律や運用を扱っておらず、直接の優劣比較を支える材料はない。一方で、比較するための軸は見える。入手時の不正を問題にするのか、販売の継続性や価格も対象にするのか、という違いだ。
韓国の事例で見えているのは、再販サイトが売買の場であるだけでなく、取り締まりの手がかりが残る場所にもなっていることだ。購入の仕組みを守る規制と、その後の販売を捉える規制。その接続が、8月の施行に向けて具体化しつつある。効果を語るにはまだ早いが、何を調べ、どの行為を対象にするのかは変わり始めていた。
この記事は、2026年10月に、当時(2026年6月25日(木))の出典をもとに書いた振り返りです。数字や状況はその後変わっている可能性があります。
EVIDENCE出典
- 二次CMU(Complete Music Update)2026-06-25
“any attempt to bypass or disrupt fair ticket purchasing processes for resale purposes, or to repeatedly sell tickets at prices exceeding face value for profit, will be illegal”
転売目的で公正なチケット購入手続きを回避または妨害しようとする行為、あるいは利益目的で額面を上回る価格のチケット販売を繰り返す行為は、違法となる。
確認日 2026-10-18


