素材を扱う技術や手仕事と深く関わる表現領域。陶、繊維、木など多様な素材を含み、生活で用いる器物から、用途を持たない造形作品まで広がる。英語のcraftと日本語の工芸では、使われる文脈や含まれる範囲が必ずしも一致しない。
美術館での工芸の位置づけは、何を美術として収集し、誰の技術や経験を紹介するかという問題にもつながる。ただし、素材や制作技法が共通していても、作家の背景や作品の意味まで同じになるわけではない。先住民美術と工芸も、重なる場合はあっても同義ではない。
日本から海外の収集方針を読む際にも、両者を一括りにしないことが大切だ。本記事では、館が工芸と先住民美術のコレクションを充実させていること、拡張施設に陶芸制作の空間が加わることを、それぞれ区別して扱っている。