1–3 YEARS · シーンと言説の潮流AI生成音楽レーベル2.0
創作の外側に組まれる仕組み
発掘からカタログ運用まで、AIで結ぶ新音楽会社GMG
2026年4月に始動したGreater Music Groupは、楽曲生成ではなく、発掘や育成、宣伝をつなぐ会社運営の基盤にAIを据えた。個別ツールの導入から、業務全体の設計へ。Music Allyの取材に語られた構想から、音楽会社の経験を仕組みに移す試みと、まだ見えていない検証点を読む。

AIが作る曲ではなく、AIで動く会社
2026年4月、Greater Music Group(GMG)が始動した。同社が掲げたのは、AIによる楽曲の量産ではない。アーティストの発掘から育成、宣伝、日々の運営、既存音源の活用までを、一つの基盤で支える音楽会社である。Music Allyが4月21日に伝えた。
仕組みは3層からなる。アーティストと動向を発見する「Rocksteady AI」、アーティストとレーベルの業務を支援する層、そしてカタログカタログMusic catalogアーティストなどが持つ楽曲群や、それに関わる権利のまとまり。投資の文脈では、作品の知名度だけでなく、将来どれだけ収入を生むかという観点から取引される。用語集で詳しくの成長と最適化を担う層だ。AIを担当者ごとの便利な道具として足すのではなく、仕事の流れそのものをつなぐ。この設計に、今回の兆しがある。
ただし、会社の全業務が人手なしに動くと確認されたわけではない。取材は共同経営者へのメールインタビューであり、運用像も成果も基本的には同社の説明である。創作を置き換えるのではなく、創作を支える運営業務の課題を解く。それがGMGの掲げる位置づけだ。
経験を仕組みに移す、3層の基盤
経営陣によると、構想を実装できる技術水準に達したと判断したのは、取材の約8〜9か月前だった。30年以上の業界経験を会社の基盤に組み込み、A&RA&RエーアンドアールArtists and Repertoireアーティストの発掘や育成、楽曲・制作方針の検討などを担うレーベルの機能。広告や宣伝を中心とするマーケティングとは区別されるが、活動を支えるうえで連動する。用語集で詳しく、マーケティング、アーティスト開発アーティスト開発Artist development才能の発掘から活動の方向づけ、観客との関係づくりまで、アーティストのキャリアを継続して育てる仕事。今回の買収では、地域に蓄積された専門性として重視されている。用語集で詳しく、ファンに関する分析、運営を24時間動かすという。そこで生じる活動や反応を分析に戻し、判断に反映させる設計である。
Rocksteady AIの前身は、共同経営者が20年以上前にWMGで作った仕組みにさかのぼる。当時は世界各地の発掘担当者が、直感、経験、調査を持ち寄っていた。今回は、その判断に使われてきた兆候や指標をAIに学習させたと説明する。何を学習に用い、精度をどう測ったかという詳細は、記事では示されていない。
経営陣自身も、数値だけではアーティストが持続的な活動を築く準備ができているかを捉えきれない、と話す。人の経験とデータを組み合わせる方針だ。ここで移されようとしているのは単純作業だけではない。発掘担当者が蓄えてきた判断の手がかりも、継続的に動く仕組みの一部になろうとしている。
資金面では、自己資金で立ち上げてきた。外部の期待や期限よりも、自分たちの構想を優先するためだったという。技術と基盤を自社で保有し、外部サービスへの依存を避けることも重視する。AI導入の話であると同時に、会社の設計と意思決定を誰が握るかという話でもある。
外販より先に、閉じた網を育てる
この時点でGMGは、誰もが契約して使える技術サービスを目指してはいない。運営は招待制で、アーティスト、カタログカタログMusic catalogアーティストなどが持つ楽曲群や、それに関わる権利のまとまり。投資の文脈では、作品の知名度だけでなく、将来どれだけ収入を生むかという観点から取引される。用語集で詳しく、共同制作、独立系レーベルを内部のネットワークで支える方針だ。将来は選んだ提携先に利用を広げる可能性を挙げるが、当面は内部での運用と成果を優先する。
4月時点から今後1〜3年を見るなら、注目点はAIツールの数より、発掘後の支援まで情報がつながるかにある。ある宣伝の反応を次の育成やカタログカタログMusic catalogアーティストなどが持つ楽曲群や、それに関わる権利のまとまり。投資の文脈では、作品の知名度だけでなく、将来どれだけ収入を生むかという観点から取引される。用語集で詳しく活用の判断へ戻せるなら、統合する意味は見えやすくなる。ただし、これは設計から読み取れる可能性であり、取材記事が実証した効果ではない。
記事には、支援するアーティスト数、売上、運営費の削減幅、契約条件の具体的な数字はない。経営陣は成果を肯定的に語るものの、比較できる実績は示していない。音楽会社の新しい形として広がるかどうかは、統合された仕組みが、個々の活動にどんな違いを生むかを確かめる段階にある。
日本から見ると、生成と運営を分けて読む
日本からこの事例を読む際にも、AIが曲を作る話と、音楽会社の仕事を支える話は分けて捉えられる。GMGが前面に出すのは後者だ。作品の作者をめぐる問題とは別に、誰を見つけ、どんな支援を続けるかという、音楽会社の判断の仕組みが論点になる。
もっとも、出典は日本のレーベルの業務や導入状況を扱っておらず、国内との差や優劣までは比較できない。読み取れるのは、海外の一社が、経験を持つ人とAIを別々に置くのではなく、日々の運営の中で結ぼうとしていることだ。曲を生む技術の周囲で、曲と人を支える会社の作り方も試されている。
この記事は、2026年10月に、当時(2026年4月21日(火))の出典をもとに書いた振り返りです。数字や状況はその後変わっている可能性があります。
EVIDENCE出典
- 二次Music Ally2026-04-21
Greater Music Group aims to rethink the modern label – with AI at its heartmusically.com ↗
“We wanted to create a unified system that could support artist and catalogue growth in a seamless, scalable way.”
私たちは、アーティストとカタログの成長を、途切れなく、規模を拡張できる形で支える統合システムを作りたかったのです。
確認日 2026-10-18


