1–3 YEARS · シーンと言説の潮流AI生成音楽著作権の再発明
作る技術から、関わる仕組みへ
UdioがMerlinと契約、独立系音源のAI学習に許諾の枠組み
Udioが独立系の音楽ライセンス機関Merlinと契約し、AI学習に楽曲を利用するための枠組みを設けた。2026年1月20日時点で見えていたのは、学習への同意と対価をめぐる交渉が、ファンによる音楽への参加方法の設計にもつながり始めたことだ。ただし、具体的な分配条件や機能は明らかではない。

独立系の音源も、許諾交渉の内側へ
生成AI音楽生成AI音楽せいせいエーアイおんがくGenerative AI music学習したデータの特徴をもとに、AIが楽曲や歌声、録音などを生成する技術や、その生成物。生成できることと、利用や公開の権利が認められることは別の問題となる。用語集で詳しくの企業Udioが、独立系の音楽ライセンスライセンスLicensing一定の条件のもとで利用を認めること。声や姿の複製では、誰が何に同意したのかが重要で、楽曲や録音を使う許可とは区別して考えられる。用語集で詳しく機関Merlinと契約した。2026年1月20日のMusic Allyによると、前年のUMG、WMGに続く、同社にとって3件目の主要なライセンスライセンスLicensing一定の条件のもとで利用を認めること。声や姿の複製では、誰が何に同意したのかが重要で、楽曲や録音を使う許可とは区別して考えられる。用語集で詳しく契約である。大手との提携に続き、独立系の音源を扱う機関とも、AI学習の条件を交渉する枠組みができた。
契約は、Merlinの独立系会員が扱う楽曲群をAIモデルの学習に利用するための枠組みを設けるものだ。発表では、アーティストの権利を守り、人間による表現の価値を維持するための保護措置がうたわれた。ただし、個々の音源がどの条件で対象になるか、報酬がどう計算されるかは、出典記事には示されていない。
注目したいのは、学習の許諾だけではない。Udioの経営者が同じ記事で語ったのは、専門家向けの制作機能よりも、消費者やファンが音楽に関わる場を広げる構想だった。音源を学ぶための契約と、その先で誰が何をできるようになるのか。二つの設計が、同じ事業の中で語られている。
3件目の契約が示す、同意と対価の接点
契約の積み重ねには前段がある。Udioは前年にUMG、WMGと提携し、Merlinも前年8月にElevenLabsと契約していた。今回の合意は、双方にとってAI企業と権利者の関係を初めて探る出来事ではない。既存の交渉を踏まえ、別の相手とも条件を組み立てる動きである。
Merlinの最高経営責任者Charlie Lextonは、両者が同意と公正な報酬を土台として協議してきたと説明した。AIの発展に反応するだけでなく、機会の形づくりに参加するという姿勢だ。Udioの最高経営責任者Andrew Sanchezも、創作物に対する管理権と、創造性への報酬を強調している。これは契約当事者の説明であり、保護措置の実効性が記事内で検証されたわけではない。
Music Allyは、Udioが主要な四つの契約先のうちSony Musicを残す段階に近づいたと位置づける。ただし、契約先の数と、利用可能な音源の範囲は同じではない。3件という数字から読み取れるのは交渉相手の広がりであって、あらゆる音楽を自由に学習・生成できる状態の成立ではない。
ファン参加を支える、まだ未完成の操作性
今後1〜3年を考えるうえで手がかりになるのは、Udioが想定する利用者だ。Sanchezは、専門性の高いツールにも市場はあるとしつつ、主な焦点は従来の音楽制作ソフトとの競争ではなく、より広い消費者とファンの層にあると述べた。生成の性能だけでなく、好きなアーティストの音楽とどう関われるかが、事業の軸として語られている。
その構想には技術上の留保もある。Sanchezは、音楽家が細部まで扱えるクリエイティブ・コントロールクリエイティブ・コントロールCreative control作品の内容や表現について、制作者が判断できる権限。制作資金の提供や作品の所有権とは別の論点で、どこまで裁量を持てるかは契約によって異なる。用語集で詳しくについて、まだ初期段階だと認めた。「ポップソングを作る」といった大まかな指示を超え、調性や構成、音楽的な意図を反映する仕組みを望んでいる。ファンが作品を混ぜたり再解釈したりする体験も、実装済みの機能ではなく、目指す方向としての発言だ。
ここから広がり得るのは、曲を一度生成して終わるサービスとは異なる形である。アーティストの表現を起点に、ファンが変化を加え、その過程で別の音楽に出会う。Udioは発見や聴取も個人的で対話的になると見込む。ただし、学習への許諾だけで、生成物の公開や再利用まで許されるとは限らない。その体験がどの範囲で成立するかは、機能と権利条件の両方に依存すると考えられる。
日本から見ると、契約の先にある参加の条件
日本からこの動きを読む際、出典だけでは国内の契約慣行やサービスとの違いまでは確定できない。確認できるのは、海外のこの事例では、独立系の権利を扱う機関がAI企業と交渉し、同意と対価を掲げる枠組みに加わったことだ。「AIが作る音楽」という技術の話に、誰の作品を、どの条件で使うのかという具体的な接点ができている。
もう一つ見えるのは、制作と鑑賞の間にある領域である。Udioが主な対象に置くのは、制作の専門家だけではなく、好きな音楽に関わりたいファンでもある。2026年1月時点では、その参加を支える細かな操作も、報酬や利用範囲の詳細も見えない。それでも、学習の許諾を整える動きと、聴き手の参加を設計する構想が並び始めたことは、この契約から読み取れる兆しである。
この記事は、2026年10月に、当時(2026年1月20日(火))の出典をもとに書いた振り返りです。数字や状況はその後変わっている可能性があります。
EVIDENCE出典
- 二次Music Ally2026-01-20
Udio strikes another licensing deal – this time with Merlinmusically.com ↗
“AI-music firm Udio has signed its third significant licensing deal. Its agreement with indie licensing agency Merlin, which was announced this morning, follows its deals with UMG and WMG last year.”
AI音楽企業Udioが、3件目となる主要なライセンス契約を結んだ。今朝発表された独立系のライセンス機関Merlinとの合意は、昨年のUMGおよびWMGとの契約に続くものだ。
確認日 2026-10-18


