建築や美術品などについて、素材の劣化を抑え、歴史的・文化的な価値を将来へ伝えるための取り組み。現状を安定させる保存と、損なわれた形や機能を回復する修復を含むが、その範囲は対象や方針によって異なる。
古いものを新品同様にすることとは限らない。建設当初の部材、後年の変更、使用による痕跡のどれを残すかには判断が伴う。欠けた部分を補う場合も、根拠のある再製作と、推測に基づく再現を区別することが重要になる。
ヴィラ・ベーアでは、造り付け家具を残して修復する一方、失われた家具の再現は見送られた。日本の文化財建築を見る際にも、修復済みという説明だけでなく、何を残し、何を補い、何を空白のままにしたかを知ることで、現在の姿をより具体的に理解できる。